ある日、俺は魅音に告白した。
魅音は涙を流しながらも、笑って「私も圭ちゃんが好きだよ」と返事をくれた。

それから3か月。
圭一はなぜか不安になっていた。
魅音が自分より、年上であることに。

「で、あの時・・・・・・って、圭ちゃん聞いてる?」
「あ、ごめん」
「圭ちゃん、最近どうしたの?部活の時もボーっとしてるし」
「なんでもないよ」
「そう?ならいいけど」

魅音が年上なのに不安を感じてるなんて、言えるわけがない。
これは俺が勝手にそう思ってるだけなんだ。

「あれー?圭ちゃんじゃないですか」
母からおつかいを頼まれた圭一は、その途中で悟史と詩音に会った。
「珍しいね、圭一が買い物に来るなんて」
「母さんがどうしても手が放せないって言うから、それでだよ」
「圭ちゃんが買い物・・・・・・この場にお姉がいたらどんな反応をするのか気になります」

魅音なら、驚きつつも買い物に付き合ってくれるような気がした。
お互い、一緒にいられるだけでうれしいのだ。

-だからこそ、不安だった。
魅音が年上であること。
一緒に学校で過ごす時間が徐々に減っていくことに、不安を感じていた。

「あ、あのさ」
「なんですか?」
「悟史と詩音は・・・・・・同い年、なんだよな」
「そうだけど、それがどうかしたの?」
「不安なんだよ、魅音が俺より年上なのが。魅音に告白して、付き合いだして、登下校の時間もデートみたいなもんだって思った。けど、いずれは学校が別々になって、一緒に登校することもなくなる。だから・・・・・・」

一通り話を聞いた詩音は、はぁー、とため息をついた。
「・・・・・・不安なのは、圭ちゃんだけじゃないと思いますよ」
「え?」
「お姉もきっと不安です。圭ちゃんを好きでいていいのか、圭ちゃんは本当に自分なんかでいいのかって考えてるんです」
「それに、魅音は年なんて気にしないと思うよ」
「・・・・・・そう、だよな」
「圭一が不安になれば魅音も不安になるから、魅音の前では笑ってるのが1番だね」
「悟史くんの言う通りです」
「ありがとな、2人とも。あ、やべ、そろそろ帰らないと・・・・・・じゃ、また明日な」
そう言うと、圭一は去っていった。

「全く、どっちもどっちですね」
「でも、不安になる気持ちはよく分かるよ」
「・・・・・・私は不安より心配ですけどね」
「え?」
「悟史くんはもう少ししっかりしてほしいです。だから、私も沙都子も心配なんですよ」
「・・・・・・むぅ」
「ま、私はそんな悟史くんを好きになったんですけど」
詩音は小声でそう言ったが、悟史には聞こえていないようだった。

日曜日、圭一は魅音をデートに誘った。
「うれしいな、圭ちゃんから誘ってくれるなんて・・・・・・なんかあった?」
「なにもないよ」
「ふーん・・・・・・」
そして魅音と別れようという時、圭一は魅音を呼び止めた。
「あのさ、魅音」
「・・・・・・なに?」
「話があるんだけど、聞いてくれるか?」
「うん」
「俺さ・・・魅音が俺より年上なのが不安だった。いつか学校が別になって、一緒に登校できなくなるのが嫌でしょうがないんだ。ま、これは俺が勝手にそう思ってるだけ・・・・・・って、魅音?!」

気がつくと、魅音は圭一にしがみついていた。
「私だって、不安だよ・・・圭ちゃん、モテるから・・・・・・ずっと、不安でしょうがなかった。なんで私を好きになったのかなって、ずっと考えてた」
「魅音・・・・・・」
それを聞いた圭一は魅音を抱きしめる。
「俺達はさ、お互いのことが好きで好きでしょうがないんだよな」
「え・・・・・・?」
「だから不安になるんだよ、俺も魅音も」
そう言って圭一は魅音の頭をぽん、と触る。
「ひゃ・・・」
「ごめんな、不安にさせちまって。俺は魅音のこと・・・・・・ずっと好きだから」
「私も圭ちゃんが好き。圭ちゃんが年下だとか、全然気にならないぐらい」
「それに、学校が別になったからって会えなくなるわけじゃないしな」
「・・・・・・うん」
2人は互いの顔を見て笑うと、キスをした。

「お姉も圭ちゃんも朝から元気ですねー」
翌日、圭一と魅音のやりとりを見た詩音がそうつぶやいた。
「不安な気持ちがなくなったんだね」
「お姉はともかく、圭ちゃんまで不安になったらこっちが困ります」
「そうだね」

不安な気持ちは、どちらも同じ。
互いを好きだからこそ、不安になる。

-そしてそれは、互いを好きだという確かな証拠。

                 The End

あとがき
魅音が年上だってことに圭ちゃんが不安を感じていたら、ということで書いたものです。
まあ、圭ちゃんは年なんて気にしないと思いますが・・・・・・ 苦笑
後、悟詩が書きたかったので書いてみましたが、微妙ですみません。
でも愛だけは無駄なぐらいに詰めたつもりです。