授業を終えたビルトが部屋に戻ると部屋の前でノアが待っていた。
「お帰り、ビルト」
「どうしたんだ?」
「お母さんが、今度の日曜日に家に帰ってきなさいって」
「・・・・・・そうか」
「それで・・・ビルトも連れてきなさいって」
「俺も?」
「ダメ・・・だよね」
「いや、いいよ」
「ほんとに?」
「学園長には許可をもらっておくから心配するな」
「ありがと、ビルト!」
そう言ってノアはビルトに抱きついた。
その後ビルトは両親にこのことを話した。
「ふ~ん、ノアお姉ちゃんの家に行くんだ」
「でも、学園長に外出の許可をもらわないといけないから」
「それなら俺がもらっておく。ビルトは心配するな」
「お、スコール優しいぞ~?」
スコールは学園長室に行き、シドにビルトの外出許可を頼んだ。
「分かりました。今度の日曜日、ビルトの外出を許可しましょう。それからスコール、あなたやリノアもたまには休みが欲しいでしょう」
「それは・・・」
「SeeDはあなたたちだけではありませんよ。それにいつまでもあなたたちに頼ってばかりもいられないでしょう」
「・・・・・・すまない」
スコールはリノアにビルトの外出許可がもらえたことを報告した。
「私たちも休暇が取れたの?」
「ああ」
「じゃあ、久しぶりにエスタに行こうよ。セーラも連れて」
「そうだな。ついでにウインヒルにも寄ろうか」
「・・・あ、そっか。お母さんの・・・・・・」
「わーい、おじいちゃんに会える!」
そして日曜日、ビルトはノアと共にデリングシティへと向かった。
「こっちよ、わたしの家は」
ノアに連れられて来たのはそれなりに大きな家だった。
「これがノアの家・・・」
「そうだよ。でもリノアさんの実家ほど大きくはないでしょ?」
「そうかもな」
ビルトは以前、両親やセーラと共にリノアの実家であるカーウェイ邸に行ったことがあった。
ビルトは家のあまりの大きさに驚いた覚えがあったのを思い出したのだ。
そして2人は中に入った。
「ただいま」
「お帰りなさい、ノア」
「ビルト、紹介するね。わたしのお母さん」
「初めまして、ビルト・レオンハートです」
「ノアが迷惑をかけたみたいでごめんなさいね」
「もう、お母さん!」
「そんなことはありません」
「あら、そう言ってくれるとうれしいわね」
しばらく話をした後2人は家の外に出た。
「そうだ、久しぶりに買い物に行こうかな?ここのショッピングモール、いいお店がたくさんあるんだよ」
「母さんがそう言ってたな。セルフィさんとかと一緒によく行ってたそうだ」
「ふ~ん、そんな感じがするよね」
その後ノアはたくさんの服を買っていた。
ビルトもバラムの店では売っていないようなデザインの服や靴をいろいろと見て、気に入ったものを買った。
そして2人で食事をした。
「ふぅ~、いっぱい買っちゃった!ビルトも買ったんだね」
「ああ。バラムには売ってないようなデザインの服があって、気に入ったから買ったんだ」
「これ、どうやってガーデンに持って帰ろうかな・・・」
「俺はこのまま持って帰れるけど・・・少し持とうか?」
「いいの?ありがとう!」
そして一旦ノアの家に荷物を置き、2人は広場で休んだ。
いつの間にか眠っていたビルトが目を覚ますと、隣にいたはずのノアの姿がなかった。
「どこに行ったんだ?」
ビルトはノアを探すが、街中をいくら探してもノアは見つからなかった。
とりあえずビルトはノアの家に戻る。
「あ、ビルト君!ノアが!さっきノアを誘拐したって電話が・・・・・・!」
「なんだって?!どこにいるって・・・」
「デリングシティをずっと東に行くと遺跡があるの。そこにいるって言っていたわ」
「名もなき王の墓・・・・・・か」
ビルトは実技の授業で1度だけそこに行ったことがあるのを思い出した。
「おばさん、バラムガーデンに電話を入れておいてください。俺はその遺跡に行ってみます」
「そんな、ビルト君1人で行かせるなんて・・・」
「俺は大丈夫ですから」
そしてビルトはショートブレードを持って名もなき王の墓に向かった。
一方、エスタにいたスコールの元にキロスが電話を持ってやってきた。
「スコール君、バラムガーデンから電話が入っている」
スコールが電話に出ると、相手はゼルだった。
「おいスコール、大変だ!ノアが何者かに誘拐されたらしいんだ!」
「なに?!」
「犯人は名もなき王の墓にいるらしい。それで、ビルトがたった1人でそこに行ったらしいんだ!」
「ビルトが1人で?!分かった、今すぐ戻る」
スコールはこのことをリノアに伝え、2人は急いでバラムガーデンに戻った。
「一体どういうことなんだ?」
「ノアのお母さんから電話がかかってきてさ、そう言ったんだ。お母さんはとめたらしいんだけどさ、ビルトが大丈夫だからって言ったらしいんだ」
「俺も行こう」
「スコール、私も行く!」
そして2人は名もなき王の墓に向かった。
ビルトは名もなき王の墓に入っていた。
「ノア・・・どこにいるんだ?」
まっすぐ歩いていると、誰かが倒れていた。
倒れていたのはノアだった。体と足を縄で縛られている。
「ノア・・・ノア!」
「う・・・ん・・・ビルト・・・?」
「大丈夫か?」
「うん、大丈夫」
ビルトはノアを縛っていた縄をほどく。
「これはどういうことなんだ?」
「わたし、ビルトの寝顔を見てたの。そしたら後からハンカチみたいなのを押さえつけられて・・・それで、気がついたらここにいたの」
「とにかくここを出よう。全てはそれからだ」
2人が墓内部を出ようとすると、1人の男が現れた。
「おい、ちょっと待った。その女はここに置いていきな」
「それはできない」
「お前、その女が普通の女じゃねえって知ってんのか?」
「ああ」
「なるほどな。それなら俺と勝負しろ。お前が勝ったらここは通してやる」
ビルトはショートブレードを取り出し、男をあっさりと倒す。
「くそ・・・このガキ、めちゃめちゃ強いぜ」
「ビルト・・・」
「・・・ビルト?もしかして、ビルト・レオンハート・・・・・・?」
「それがどうした」
「どうりで強いはずだ・・・」
2人が外に出ようとしたまさにその時だった。
「お前か、俺の子分を倒したビルト・レオンハートってのは」
「ああ」
「随分強いみてえだな。さすが伝説のSeeD様の息子だな。だが俺は倒せるかな?」
ビルトはショートブレードを構える。
だがビルトは攻撃をくらい、倒れてしまう。
「くっ・・・」
「ビルト!!」
ビルトは意識を失った。
「なんだ、こんなもんか。もっと強いのかと思っていたが・・・おい、お前はこっちに来るんだ」
ボスらしき人物がノアに言うが、ノアは倒れたビルトから離れようとしない。
と、その時だった。
「それまでだ!」
ボスが声のした方を振り向くと、スコールとリノアが立っていた。
「スコールさん!それにリノアさんまで!」
「なに?!伝説のSeeDだと?!」
「ノアを返してもらおう」
「お前たち、この女が魔女だって知ってて言ってんのか?」
「そんなこと、当然分かっている」
「それにわたしだって魔女だもの。彼女の気持ちはよく分かるわ」
「・・・・・・くそっ!」
ボスはスコールに向かって攻撃しようとするが、逆にあっさりと倒された。
「こ、こんなはずじゃ・・・」
ボスがスコールに連れて行かれた後、ノアはビルトが息をしていないことに気づいた。
「どうしよう・・・このままじゃ、ビルトが死んじゃう・・・・・・!」
ノアの周りから青白い光が放たれ、ビルトを包み込む。
すると、ビルトがかすかに息をしだしたのだ。
「あ、息してる!リノアさん、ビルトをどこかに・・・」
「ガルバディアガーデンに連れて行きましょう」
その後ビルトはガルバディアガーデン内の保健室に寝かされた。
目を開けると、ノアの姿があった。
「ノア・・・」
「ビルト、よかった!」
「ビルト、どうして1人で行ったりするんだ」
「スコール、こんな時に言わなくても・・・」
「俺みたいなことはするな」
「父さん・・・・・・」
一方バラムに来ていたナナミは先程バラムに戻ったばかりのセーラと会って話をしていた。
「それで、ビルトお兄ちゃんは大丈夫だったの?」
「うん。ノアお姉ちゃんが助けてくれたんだよ。お母さんがお父さんを助けたみたいに」
「そっか、よかったね」
「うん」
そしてエルクとリル、2人の友人ロイドは校庭にいた。
「ビルト兄ちゃん、大丈夫かな?」
「大丈夫よ。スコールさん、あんなに強いんだもん。お父さんだってスコールさんに勝てないのよ」
「エルクはさっきから心配しすぎだよ。ノアお姉ちゃんだっているし」
「そうだよな」
「そうよ!だいたいエルクは心配性なんだから!」
「ほっといてくれよ」
「2人とも、こんな時にけんかするなよ」
その日の晩、ビルトとノアは話をした。
「ノア・・・・・・本当にごめん」
「いいよ。ビルトのせいじゃない、わたしが悪いんだから」
「でも・・・」
「気にしないの!リノアさんが言ってた。スコールさんもいろんなことを気にしすぎてたって。だからビルトもあんまり気にしないほうがいいの」
「・・・・・・そうだな。それからノア、ノアが俺を助けてくれたんだってな」
「うん。あれが魔女の力だってリノアさんが言ってた。それから、リノアさんが「ビルトのような騎士がいれば大丈夫だよ」って言ってくれたんだ」
「母さんだって、父さんがいるから、今の母さんがいるんだしな」
「そうだよね」
翌日、ビルトたちはバラムガーデンに戻った。
そして彼らの親たちは食堂で話をしていた。
「しかしよかったよな、ビルトもノアも無事で」
「そうだよね~、しかもノアの力がなかったらビルトは死んでたんだろ?」
「・・・・・・ああ」
「でも、ビルトのあの行動はスコール似だよね。わたしがスコールに助けてもらった時のこと思い出しちゃった」
「そう言えばそうやったね」
「私もそう思ったわ。ビルトがノアを助けに行った行動は、スコールのとった行動と同じだって」
そこにナナミがやってきた。
「ナナミ、どないしたん?」
「ねえお母さん、あたしもバラムガーデンに入りたい!」
「どうしてそう思ったんだ?」
「ビルトお兄ちゃんを見てね、あたしもSeeDになりたいって思ったんだ。だってSeeD試験を受けられるのはバラムガーデンだけなんでしょ?」
「それはそうだけど・・・」
「セルフィ、アーヴァイン、どうするの?」
「僕は別にかまわないけど・・・」
「ナナミにやる気があるならそれもいいだろう」
そして1か月後、ナナミはバラムガーデンに転校することとなった。
それに伴いセルフィとアーヴァインもバラムガーデンの教官となった。
FF8キャラクター(ビルトたちの場合) End