「じゃあエリ、夕方にはミッドガルに来るんだぞ」
「うん、分かった」
父・クラウドと別れたエリはカームに向かう。


「よ、エリちゃん!」
エリの方に向かって1人の少年がやってきた。
「クリス、ごめんね。待ったでしょ?」
「ううん、そんなことないよ」
そして2人はクリスの家に向かう。
「あの・・・これ、作ったの」
エリがクリスに包みを渡す。
中にはマフィンが入っている。
「うわ、うまそう!」
クリスはマフィンを食べる。
「・・・うん、おいしい!」
「ほんと?」
「ああ」
神羅ビルの前で出会ってから3ヶ月、エリとクリスは付き合っている。
このことを母・ティファと弟・セイヤには話したが、クラウドにはまだ話していなかった。
「そう言えばこの前、エリちゃんのお父さんを見かけたよ」
「お父さんを?」
「すごいよな、若いのに重役だもんな」
「・・・まあね」
クラウドはソルジャーでありながら専務と言う職についており、危険な任務もしっかりこなしている。
「そう言えば、エリちゃんのお父さんって神羅の社長と知り合いなんだって?」
「うん。15年前、この星にメテオが落ちそうになったことがあったでしょ?その時私の両親や神羅の社長リーブさんとかがメテオを呼んだ張本人を倒したんだよ。その時の写真がこれ」
そう言ってエリはクリスに1枚の写真を見せる。
それは15年前、エリの両親とその仲間たちが集まった写真。
「この人形は?」
「これ?リーブさんよ」
「この人形が神羅の社長?!」
「そうよ。この人形はケット・シーって言うんだって。この写真を撮る前は神羅のスパイとしてお父さんたちに近づいたらしいの。でもお父さんたちと共に行動しているうちに逆スパイになったそうよ」
「これがエリちゃんのお父さんで、隣にいるのは・・・」
「私のお母さんよ。それで、ショートカットの女の子がユフィさん、片腕が銃になっているのがバレットさん、頭にゴーグルを巻いてるのがシドさん、獣はナナキ、長髪でマントをはおってるのがヴィンセントさん」
「シドって・・・宇宙開発部門総括の?」
「そうだよ。それからヴィンセントさんは理科の先生として今ロケット村の中学校に来てるの。と言っても臨時の先生なんだけどね」
「あ、後さ、この人は?」
「・・・エアリスさん。私の名前は、エアリスさんの名前の1部を取ったものなんだって。そう教えてもらったの。でも・・・・・・エアリスさんは死んでしまったの」
「死んだ?」
「・・・・・・メテオを呼んだ張本人に」
「そうだったのか・・・」
「私、正直言うとエアリスさんに会ってみたかったって思ってるの。でも、それは無理だって分かってる。でも・・・会いたいんだ」
「エリちゃん・・・会いに行こう。どこで彼女が死んだのか知ってるのか?」
「うん」
「だったら、行こう。俺も一緒に行くから」


夕方、エリはクリスとともに神羅ビルに行きクラウドに忘らるる都に行きたいことを話した。
「分かった、いいだろう」
「お父さん、いいの?」
「俺もちょうどエアリスの墓参りに行きたいと思ってたところだからな」
そこにリーブがやってきた。
「クラウド、話は聞かせてもらったよ。私も行こう」
「し、神羅カンパニーの社長?!」
「ん?エリちゃん、隣にいるのは誰かね?」
「クリス・トゥルガス。私の・・・彼氏です」
「エリの彼氏?!」
「お父さん、今まで黙っててごめんなさい。いつかちゃんと話すつもりだったの」
「それはいいんだ。じゃあバレットたちにも話さないとな」
「そうだな、私から話しておこう」
「ティファには俺から話すよ」
「頼んだぞ」
そう言ってリーブは去っていった。
「本当に神羅の社長と知り合いだったんだ・・・」


1週間後、ハイウインドは忘らるる都に向かった。
「もう15年がたつのか・・・エアリスが死んでからよ」
シドが操縦しながら言う。
「アタシ、あの時大泣きしたのまだ覚えてるよ」
「お母さんが大泣き?!」
「うるさいな~、15年前って言ったらアタシはまだ16なんだよ?泣くに決まってるじゃないか」
ハイウインドにはクラウドやティファ、ともに戦った仲間たちの他にエリ、クリス、セイヤ、ユキ、カイト、マリンも乗っていた。マリンは子供たちの中で唯一エアリスに会ったことがある。
「そう言や、マリンはエアリスに助けてもらったんだよな」
「・・・私、なんとなく覚えてる。ピンクの服が似合ってた。クラウドのことたくさん聞いてたっけ。クラウドはどんな人かって。きっとクラウドのこと、好きだったんだよね」
「オイラはよく頭をなでてもらった。子供扱いされるのは嫌だったのに、エアリスになでてもらった時だけはそう思わなかったんだ。思わずしっぽをふっちゃったぐらいだから」
「私はあまりよく知らないが・・・そうだな・・・・・・印象的な瞳をしていたな」


そしてクリスがエリに耳打ちをする。
「(ヴィンセントさんって本当にエリちゃんのお父さんとともに戦った仲間なのか?随分若い感じがするけど。と言うより、この前エリちゃんが見せてくれた写真の姿と全く変わってないような気が・・・・・・)」
「ちょっと、来てくれる?」
そう言ってエリはクリスを会議室に連れていく。
「私もこの間お母さんから聞いた話なんだけど、ヴィンセントさんは本当ならおじいさんのはずなの」
「え?そりゃどういうことだ?」
「神羅の科学部門総括だった宝条・・・ヴィンセントさんの体はその人の手によって成長しなくなったらしいの。つまり、肉体を改造されたってこと」
「そんなことが本当にできるのか?」
「今でも15年前と変わらない姿でいること・・・それがなによりの証拠だと思う。それに、その宝条って人ももう死んじゃってるから分からないんだ」
「あのさ、こんな時になんだけどさ・・・エリって呼んでもいいか?」
「え・・・うん」
「・・・・・・エリ」
「なに?」
クリスはエリを抱きしめた。
「エリ・・・少しは俺に辛い顔もしてくれよな。いつも明るく振舞ってるけど、俺はエリのいろんな顔が見たいんだ」
それを聞いたエリは泣いてしまった。
「エリ?!ごめん、泣かせちゃったか・・・」
「ううん、違うの。うれしいんだ、クリスがそう言ってくれたことが」
「エリ・・・」
そして2人はキスをした。初めてのキス。


10分後、忘らるる都に着いた。

「ここにエアリスさんが沈んでるんだよね」
「そうだ」
「エリ、よく覚えてたわね」
「忘れるはずないよ。会ってみたかったんだもん」
その時、湖からなにかが現れた。
ピンク色の服。長い髪。印象的な緑の瞳。
「エアリスさん・・・・・・?」
「お姉ちゃん、この人がエアリスさんなのか?」
「間違いない、写真に写ってたから」
―エリちゃんね?
「はい、エリ・ストライフです。隣にいるのが弟のセイヤです」
「初めまして、セイヤ・ストライフです」
―クラウドにティファ、それからみんな・・・元気そうだね。
「ああ、マリンもあれから成長して、今は大学生だ」
「こいつは俺とシエラの子供で、カイトだ」
「初めまして、カイト・ハイウインドです」
―カイトくんか・・・いい名前ね。
「この子はアタシの娘でユキ」
「初めまして、ユキ・アイラスです!」
―と言う事は、ユフィは結婚してるのね?
「ユフィが結婚するって聞いた時は正直驚いたよ」
「そうね、ユフィに好きな人がいるってことにびっくりしたもの」
―ナナキもヴィンセントも元気そうでよかった。
「そう言えばエアリスさん、ヴィンセントさんは今私が通っているロケット村の中学校で理科の先生をしているんですよ。臨時の先生なんですけど」
―そうなんだ、すごいね。それから・・・あなた、もしかしてケット・シー?
「ああ。これが私の本当の姿だ。それから本当の名前はリーブ、現在は神羅カンパニーの社長だ」
「エアリスさんは社長の本当の姿を知らなかったのか?」
「うん。お父さんたちがケット・シーの正体に気づく前に死んじゃったから」
―あなたが社長なら、大丈夫そうだね。
エリちゃんはすっかりティファに似たのね・・・その髪なんか特にそっくり。
それから・・・・・・そこにいる男の子は?
「クリス・トゥルガス・・・・・・私の恋人です」
―・・・・・・そう、恋人なんだ。クラウド、怒らなかった?
「どうして怒る必要があるんだ?エリが好きになった人なんだ、それだけ分かれば十分さ」
「ほんとはいじけてたくせに」
―わたし・・・クラウドたちに会えてよかった。
もしクラウドたちに会わなかったら、わたしは一生花売りのままだったかもしれないもの。
「エアリスさん・・・」
―エリちゃん、クリスくんと幸せにね。
「・・・・・・はい!」
そしてエアリスは消えた。


「そうか、お母さんの友達に会ったんだ」
翌日、ユキはリクトに昨日の出来事を話した。
「と言っても、その人はもう死んでるんだ。つまり幽霊だね」
「どんな人だった?」
「お母さんとは正反対の人。外見はね。中身は案外お母さんよりも活発だったかもしれない」
「へえ~、そっか」
「あたしもエリお姉ちゃんみたく恋してみたいな~」
「強くなったらできるんじゃないか?」
「よーし、あたしも頑張るぞ~!!」


エリはクリスを自分の家に呼んだ。
「ここがエリの家か」
「お母さんが小さい頃から住んでた家でもあるんだよ。隣にはお父さんの実家があったの。と言っても、このニブルヘイムは20年前に1度燃えちゃったらしいんだけどね。お母さんのお父さんはお父さんのことあまり良く思ってなかったらしいんだけど、今が幸せならおじいちゃんも許してくれると思うんだ・・・両親のこと」
「そうだな」
「両親は今ニブル山にお墓参りに行ってる。きっとおじいちゃんと話してると思う」


クラウドとティファはティファの父親の墓前にいた。
「パパ・・・エリもセイヤも大きくなったの。きっとまだ、クラウドのこと許してもらえないかもしれない。でも、エリやセイヤに罪はないわ」
「それにエリはティファにそっくりだ。あの黒い髪なんか特に」
その時、2人の耳に声が聞こえた。
―ティファ・・・すまない。クラウドのことをどうやら勘違いしていたようだね。
「パパ・・・?」
―それからクラウド、これからもティファと幸せにな。
「ありがとう、パパ」
そして別の声が聞こえた。
―クラウド・・・すっかりたくましくなったね。
「母さん・・・?」
―クラウド、あんたすっかり父親の顔になってるねえ。母さん、すごくうれしいよ。
これも全部ティファちゃんのおかげだね。
「そんなことありません。クラウドが頑張ったからです」
―これからも幸せに生きてちょうだい。
「ああ・・・・・・ありがとう、母さん」


その様子をエリとクリスはこっそり見に来ていた。
「おじいちゃん、お父さんのこと許してくれたんだ」
「よかったな、エリ」
「・・・・・・うん!」
おじいちゃん、お父さんのこと許してくれてありがとう。
私、セイヤ、カイト、ユキ、そして・・・・・・マリンお姉さん。
みんなこれから頑張っていきます。


FF7キャラクター(エリたちの場合) End


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