「エリ、早く起きなさい!」
そう言われてエリはベッドから起き上がり、着がえを済ませると部屋を出て階段を下りる。
リビングには両親と弟のセイヤがいた。
「おはよう、エリ」
「お父さん、お母さん、おはよう」
そしてエリは朝食を食べ終えると、歯をみがいて学校に向かった。
改めて、自己紹介します。
私の名前はエリ・ストライフ、14歳。
ニブルヘイムの家から1時間かけてロケット村にある中学校に通ってます。
家族構成は両親と9歳の弟セイヤ、そして私の4人家族。
実は、私の住んでいるニブルヘイムは20年前に1度火事で燃えてしまったそうです。
その時に、お父さんのお母さんとお母さんのお父さんが死んでしまったらしいんです。
両親は今も、ニブル山に作ったお墓にお参りに行っています。
かつてお母さんは「もしパパ(私たちのおじいちゃんのことです)が生きていたら、エリやセイヤは生まれていなかったかもしれない」と言ったことがある。
それは、お母さんのお父さんがお父さんのことをよく思っていなかったからだそうです。
でもお母さんは「でも、クラウド以外の人と結婚していたら幸せになれなかったと思う」とも言いました。
今は・・・・・・幸せだから、それでいいんだよね、おじいちゃん?
「エリおはよう!」
エリの親友チサ・クライルが声をかけた。
「おはよう、チサ」
「ちょっと聞いて、理科の先生がそろそろ産休取るみたいよ」
「うそ?!」
「それで、代理の先生がニブルヘイムから来てたの。それがすっっっっごくかっこいいのよ!!」
「へえ~、今から楽しみだね」
そして、担任のチャン先生が産休を取った理科の先生の代理として来た先生を紹介した。
その先生を見た瞬間、エリは思わず叫んでいた。
「あ~~~~~っ!!」
「おや?知っているのかな?」
「いえ、父の友人にそっくりだったもので・・・・・・」
エリはとっさにうそをつき、席に座った。
「(・・・・・・でもなんで?お父さんも前もって言ってくれればよかったのに)」
昼休み、チサと一緒に昼ご飯を食べようと思っていたエリが校庭で待っていると誰かがやってきた。
「久しぶりだな、エリちゃん」
「先生・・・いいえ、ヴィンセントさん」
そう、理科の先生の代理としてやって来たのはなんとヴィンセントだったのだ。
あれから10年、彼は以前からやりたいと思っていた科学に関する勉強をし、教員免許を取ったのだった。
「すっかり母親に似てきたな」
「本当にあの時から変わってないんですね」
「ふっ・・・・・・するどいところをつくのだな」
「だって・・・本当のことじゃないですか。それにどうしてうちの学校に来るって言ってくれなかったんですか?先生としてどこかの学校に行くってことはお父さんから聞いてましたけど」
「驚かせたかったのだ」
チサの姿が見えたので、ヴィンセントは去っていった。
「エリ、先生となに話してたの?」
「さっき先生を見て私が驚いた理由を聞かれたのよ」
「確か、お父さんの友達に似てたって言ったよね。エリのお父さんあんなにかっこいいんだもん、きっと友達もかっこいい人なんだろうね」
「・・・・・・まあね(やっぱり言えないよね。先生、ううん、ヴィンセントさんが10年前から全く変わってないなんて)」
「どうしたの、エリ?」
「・・・ううん、なんでもない」
家に帰って、エリは母に全てを話した。
「へえ~、あのヴィンセントがエリの学校にね~・・・」
「ねえ、どうして10年前と変わらない姿でいられるの?なにかあったの?」
「話すと長くなるんだけどね、本当ならもうおじいさんになってるはずよ。ただ・・・悪い科学者の手によって彼の体は成長しなくなったの」
「そんなことが本当にできるの?」
「さあ。その科学者ももう死んじゃったから分からないけどね」
そして、外で遊んでいたセイヤも帰ってきた。
「ただいま!」
「お帰りセイヤ」
「お母さん、明日カイトのお父さんたちが家に来るって」
「そう。じゃあクラウドにも早めに帰ってくるように言っておくわね」
「お母さん、私晩ご飯作ってあげるね」
私の両親は結婚して10年以上が経った今でもまるで新婚さんのように仲がいい。
そして、かつての仲間たちとの交流も深いしその子供たちもお互いにすごく仲がいい。
例えば、セイヤの友達のカイト・ハイウインドは両親の仲間だったシドさんとシエラさんの息子で、遠くウータイにいるユキ・アイラスも同じく両親の仲間だったユフィさんの娘。
私が昔から頼りにしているマリンお姉さんは両親の仲間だったバレットさんの養女だそうだ。
そして・・・もうずっと前に死んでしまったけれど、両親にとってかけがえのない仲間だったエアリスさん。
私の名前は、エアリスさんの名前の1部を取ったものだと10年前に両親が教えてくれた。
ほんとのことを言うと、私もエアリスさんに会ってみたかった。
お母さんは、「笑顔が似合う人だった」って教えてくれた。
写真を見せてもらったこともある。
両親とその仲間たちが全員集まった写真(リーブさんだけは人形だけど)。
エアリスさんは、お母さんが言った通りの人だった。
ピンク色の服がとても似合う人。
でも・・・・・・どうして殺されなければならなかったんだろう?
私には分からないけれど、両親も仲間たちも、きっと辛かったんだろうな。
翌日、シドとシエラ、その息子カイトが家に来た。
「よう、久しぶりだな」
セイヤとカイトは外に遊びに出かけ、エリはお茶の用意をする。
「エリちゃんはすっかりお母さんに似てきたわね」
「そうですか?」
「おう、その黒い髪なんかとくにネェちゃんにそっくりだぜ」
「ああ、それがエリの自慢なんだよ。だからティファと同じ風に髪の毛をまとめているんだ」
そしてティファがお菓子を持ってやってくる。
「そうなのよ、好きな髪型にしてみたら?って言ってるのにこれでいいって聞かないのよ」
「いいじゃない、好きなんだから」
「そう言えばリーブのやつが久々にミッドガルで集まらないかって言ってたんだけどよ、明日なんてどうだ?カイトやユキも行きたがると思うぜ」
「それ、いいわね。エリはともかくセイヤはあまりミッドガルに行ったことがないから・・・」
「それに、カイトやユキちゃんもミッドガルに連れて行ったことがないからな」
「エリちゃんも行くわよね?」
「はい、もちろん行きます」
――私にも、いつか好きな人ができるのかな?
だとすれば、両親みたいにいつまでも仲良くいられるのかな?
まだ、分からないよね。
―ウータイ―
「こらユキ!早く修行に行きなよ!」
「分かってるよ、お母さんじゃないんだから」
あたし、ユキ・アイラス。8歳。
ここウータイにある小学校に通ってるんだ。
あたしの家は一応「ニンジャ」の家系なんだけど、お母さんは修行をサボってばっかりだっておじいちゃんが教えてくれた。
お母さんの仲間だった人たちは、お母さんが結婚するって聞いた時正直驚いたんだって。
「あのユフィが結婚だって?!」って大騒ぎしたらしいよ。
でも、お母さんが好きになった人なんだしいいんじゃないのかな?
そして、修行場についたユキは同じく修行をしているリクト・シンに声をかける。
「やっほ~、リクト」
「おう、ユキ。いつも早いよな」
「当ったり前だよ!いつもサボってたお母さんとはわけが違うんだから!あたしの夢は・・・」
「世界一のニンジャになること・・・・・・だろ?」
「分かってんじゃ~ん!!」
ユキはリクトの背中を思いっきりたたき、道場へと向かう。
「ユキ・・・少しは手加減しろよな」
自称・マテリアハンター、ユフィの血を受け継いでいるのかユキはマテリアの使い方に人一倍詳しい。
しかし、ユフィ以上にマテリアの使い方に詳しかったクラウドの娘エリに比べるとまだまだ未熟である。
だが、ウータイの修行場においてユキはかなりの実力を持っている。
そして、今日の修行を終えて家に帰るとユフィが電話で話をしていた。
「明日?うん、行く行く!」
電話を切ると、ユフィはユキに言った。
「ユキ、明日学校が終わったらミッドガルに行くよ」
「なんで?」
「仲間たちみんなで集まるんだ。エリちゃんやカイトも来るから」
「うん、分かった」
思えば、カイトはあたしと1つしか年が違わないのにやけに兄貴ぶるところがあるんだよね。
セイヤはそんなことないのに。
やっぱり、父親の違いかな?カイトのおやじって、やけに偉そうなんだもん。
同じ頃、カイト・ハイウインドもミッドガルに行く準備をしていた。
思えばオレ、ミッドガルに行くのって初めてなんだよな。
両親がミッドガルで働いてるのは知ってたんだけど、1度も行ったことがなくて、写真でしか見たことがなかったんだ。
そう言えば、ユキのやつも来るって言ってたよな・・・あいつ、なんか憎たらしいんだよな。
父さんがユキの母親をうるさいとかって言ってたからかな?
「あーもう、寝よ寝よ」
そしてカイトは学校の準備とミッドガルに行く準備を済ませた後、ベッドに入り眠りについた。
―ミッドガル・神羅ビル―
「よお、久しぶりじゃねえか」
「あらマリン、ずいぶんきれいになったのね」
バレットの養女マリンは19歳。
現在はミッドガルにある大学に通っている。
「そんなことないですよ。エリちゃんだってすっかりきれいになって」
「マリンお姉さんは、今好きな人とかいるんですか?」
「ここだけの話なんだけどね・・・・・・ひそひそ(父ちゃんに内緒で付き合ってる人がいるの)」
「えええええ?!」
「しっ、エリちゃん、声が大きいよ」
「あ・・・ごめんなさい」
そして、シエラが2人の元にやってきた。
「あら、恋愛話?私にも聞かせてほしいわ」
「それより、シドさんとシエラさんのなれそめなんか聞いてみたいな~♪」
「あ、私も聞きたい!」
エリとマリンはシエラの話をしっかりと聞いていた。
セイヤとカイト、そしてユキは窓からミットガルの風景を眺めていた。
「うわ~、すっげー・・・」
「なあセイヤ、お前の父さんはこんなところで働いてるんだな」
「なにさ、カイトのおやじさんだって神羅のパイロットとして働いてるじゃん」
「それはそうだけど、オレは1度もミッドガルに行ったことがなかったんだ。セイヤもそうだけど、写真でしか見たことがないんだぞ」
「写真で見ただけマシじゃん。あたしは写真ですら見たことがなかったんだよ。ま、ウータイじゃミッドガルの写真を見る機会もそうないしね」
そしてエリはクラウドに少しだけ外に出たいと言って、神羅ビルを後にした。
エリがビルを出てすぐ、エリは誰かにぶつかり、エリはしりもちをついてしまった。
「あいたたた・・・」
「あ、ごめん、大丈夫か?」
「あ、大丈夫です。すみません、ボーっとしてて・・・」
「ボーっとしてたのは俺の方だよ。あれ?ここら辺では見かけない顔だな」
「私、ニブルヘイムから来てるの。今日は父の知り合いに会いに来てるんです」
「ニブルヘイムか。俺はカームに住んでるんだ。名前はクリス。クリス・トゥルガス。君の名前は?」
「エリ・ストライフ。中学2年生よ」
「俺と同い年じゃん。じゃあ、エリちゃんって呼んでもいいか?俺のことはクリスでいいから」
「いいよ。よろしくねクリス」
「エリちゃん、また・・・会えるか?」
「分からないけどきっと会えるよ。私、時々ここに来てるから」
「分かった。また会おうな!」
そう言ってクリスは去っていった。
「・・・・・・この気持ち、なんだろう?なんだか、ドキドキする・・・」
彼―クリスが、エリの運命の人なのだろうか?
そんなことをエリが知るよしもなかった・・・・・・
第1章 End
あとがき
物語のその後第2部が始まりました。エリもかつての両親のような恋をするのでしょうか?
後セイヤ、カイト、ユキの関係は単なる知り合いを越えていくのか?
次の章はビルトを中心とするFF8メンバーの子供たちのお話です。