今年出版された絵本。
実話をもとに構成されています。
 
あんずゆき・作
かなざわまゆこ・絵
「きみのなまえ」
 
図書館を行ったり来たり。
私の不注意で休館日に行ってしまったり、閉館時間になっていたりガーン
一度見送った後、また予約してやっと読めた絵本です。
 
下矢印この茶色いワンコの目にキュンピンクハートとなってしまいます。
 

 
「なまえのないねこ」(町田尚子・竹下文子著)
を読んでいたので、そういう類いの本なのかなあと思っていたけど。
ちょっと違ってたニコニコ
 
その栗色のワンちゃんは、少年の通学路の途中の林にいました。
 

 
痩せて汚れた犬。
少年は心を痛めていました。
お母さんに聞いてみました。
林にいる茶色い犬をしっている?
前は、他の犬たちといたけど、みんな保健所に連れていかれたみたい、とお母さん。
保健所ってなにをするところ?
「みんなが安心して暮らせるようにするところ。」
 
「うちで飼ってあげようか」
 
素敵なお母さんです照れ
 
 
やっと家に迎えて名前を付けます。
栗色だから「クリ」
 
私は、ここで号泣しました。
だって、子供の頃、こういう経緯でうちにきたこ「クリ」だったから。
冬の雪がちらつく朝に亡くなっていたクリちゃん。
思い出すたびに、今でも号泣しちゃうんです。
申し訳なくて。
犬や猫を家の子にすることは容易なことではありません。
最期の時には、後悔が付いて回ります。
 
 
少年の家の子になったクリ。
 
 
 
だけど、このあとでアッというような展開が待っています。
 
 
 
なまえのない犬や猫がしあわせになれますように。
 
名前があっても家のない子たちが、お家を見つけられますように。
迷子になっている犬や猫や鳥やウサギや、たくさんの動物たちが家に帰れますように。
 
 
昨日、「犬猫みなしご救援隊」の代表ブログを読んでいたら、こんな話が。
2011年の東北の震災後に、側溝に入り込んで鳴いていた犬が、どんどん奥に入っていくのをナントカ救い出したと。
その時のワンちゃんは里親に引き取られたが、その後に飼い主判明。
飼い主さんは、そのとき、ワンちゃんと散歩中で這うように連れて帰ったと。
その後、置いて行かざるを得なかったのかはぐれたのか。
飼い主が見つかったものの、里親さんに譲渡したということでした。
そのワンちゃんが、先日亡くなったと。
当時、犬がたむろっている地域があったそうです。
東北の震災で飼い主と離れ離れになった犬たちが。
そんな犬たちを保護していた犬舎には、もう犬はいないそう。
 
そうだよね。
あれから10年が経つ。
小犬だった子も10歳を過ぎている。
そこそこ大人だった犬や猫は亡くなっているだろう。
でも、救い出されて飼い主に戻ったり、新しい家を見つけてもらった子たちは幸せに、この年月を生きた。
ってことですよね。
そのまま、そこで朽ちてしまった子たちも大勢いたことを思うと胸が詰まる。
幸せな日常は、いつひっくり返されるかわからない。
それが、ヒトも動物もさだめだったと思うしかないかもしれないけれど。
せめて、生き残った者たちは幸せでいてほしい。
最期の時に愛された記憶をもって逝ってほしい。
人も動物も。