「うつくしい絵」は今も実家にあり、幼い頃に読んでもらった一冊。これでモナリザやひまわりの名画を知ったんだと思う。そういえば娘と息子には読んでなかった!とあらためて読みなおしたところ、さすがは加古里子先生。わかりやすい言葉で絵の魅力だけでなく、見方を提示してくれる。子どもたちともりあがった絵はレーピンの「思いがけなく」。思いがけなく帰還できた主人(お父さん)との関係性をそれぞれの表情で推測できる。「ボルガの船曳き」は、疲れ切った男たちの中に一人だけ、溌剌とした若者が混じる。それで、希望を感じる絵になってるのだが、美術館でこの絵をはじめてみたとするなら、この異色の青年を見つけられる自信はない。


こちらの本はうつくしい絵の続編的位置付けで、彫刻にフォーカス。「ダビデ像」、20代のころにイタリアで見てきたときは、ダビデが対峙してるのはゴリアテで手には小石をもっている聖書のワンシーンだったなんて全然知らなかった。大人になっていろんな知識を増やし、そうだったのかと気づくのも楽しい。

先日、マティス展に娘といってきたのだが、思いがけず娘も楽しめていたのはこれらの本のおかげでもあるかもしれない。