旅行での最大の楽しみ。
それは、多くの人の賛同が得られるであろう、食。
ほぼすべての人が食事なくしては日々を過ごせない。
そして食事をとることは、食欲を満たすだけでなく、味を楽しみ、時にお酒を楽しみ、人とのつながりを楽しめる。
仕事柄一人での出張が多く、いろいろなところで一人で食事をする。
一人で食事ができない人もいると聞く。そんな人たちはコンビニなどで食事を買うそうだ。
もちろん僕も時間がなくてホテルの自室でコンビニなどの間に合わせで済ませてしまうこともあるが、できれば時間があればどこかへ赴く。
最近は食べログがあり、自分に合いそうなお店を事前に探し出していってしまうことも多い。
そんなインターネットがまだ流行っていなかった昔は、ホテルのフロントの人に聞いてお店をうかがったものだ。
昔、もう15年ほど前に冬だったと思うがジュネーブに出張した際、初めてのスイスということもあり、どうしても本場のチーズフォンデュなどチーズ料理が食べたいとフロントで相談したら、通常一人で食べれるような店はないといわれた。がっかりしていたらおもむろに電話をかけ始めた。電話が終わると知り合いの店にお願いしたら一人でもいいよと言ってくれたのでいってみるかいとの素晴らしい提案だった。
ホテルから10分ほど歩いたレストランがいくつか立ち並ぶ通りの一角に、その店はこじんまりとあった。
レストランの中も見た目どおりこじんまりしているが各テーブルは埋め尽くされ、家族や仲間同士で夕食を楽しむ人でにぎわっていた。
マスターらしき人が出てきて、君が**ホテルから来た日本人かい?というのでそうだというと、ようこそスイス ジュネーブへといって小さめのテーブルに座らせてくれた。
いまから自慢のスイス料理といったか家庭料理といったかは忘れたが、スイスフォンデュ、ラクレットなどを出してくれた。
また隣で食事をしていた家族連れがこの店のぼくらの好きなものはとソーセージ料理やいくつか料理のをわけてくれ、結局一人でたらふく食べてたらふく飲んで帰ったのを覚えている。店をでるころにはほかのお客さんとも結構話し込んだこともあり、みんなからまたスイスに来いよ、またこの店で会おうといってもらった。
ホテルに戻って、フロントの彼に礼をいうと、楽しんでもらえてよかったよと笑顔が返ってきた。
料理がおいしかったのはもちろん、あったかいジュネーブは今でもレストランの店内の細かなしつらえなど思い出すことができる良い思い出である。
おひとりさまも優雅な食事にありつけることができるのだと思った。
残念ながら当時の写真はもうない。僕の脳裏にだけ焼き付いている大事な思い出。