穏やかな耕地に突如現れるメムノンの巨像
エジプト旅行五日目。
ナイル川西岸にあるメムノンの巨像へ向かってGO
バスに乗り込んでわずか10分足らずで着いたのは、入場無料のメムノンの巨像。
特に何があるわけでもなく、仮トイレが2個ある程度で、
巨像のみが耕地のど真ん中にたたずんでいます。
メムノンの巨像は、アメンテヘブ三世( ツタンカーメン王の叔父さん )の
葬祭殿の入り口に置く像として、約3,400年前に造られたもの。
ちなみにこの石、重さ720tある1つの巨石から造られているんですけど、
はるか彼方にあるカイロからわざわざ運ばせたらしい。
( 当時の人は、「 カイロから石を運んでこい! 」なんて理不尽な命令に疑問を持たなかったのかな )
今は無き葬祭殿の行方はと言うと、かのラムセス二世の13番目の息子である
メルエンブタハ王が、メムノンの巨像のみ残し、葬祭殿のすべての石材を持ち去ってしまったのだとか。
なんて男なんだ、こやつは……。
ところで、メムノンの巨像といえば、名前の由来にもなった怪音で有名。
ローマ支配時代に起きた地震によって石にヒビが入り、激しい温度差によって軋んだせいで、
風が吹くと、まるで像が歌っているかのような怪音が鳴り響いていたんだそう。
その歌声が、トロイ戦争の勇者・メムノンが故郷を想って泣いているようだとされたことから
後に、メムノンの巨像と名づけられたそうです。
残念なことに、修復工事が着工されて歌を歌わなくなってしまったんだけどね。