福島あつしさんの写真集です。
それにしても、なんて衝撃的なタイトルなのでしょう!!
表紙のお弁当を食べている老人の写真からしてもう、大変なインパクトがありますから、開く前から緊張が走ります。
開いていくと・・・独り暮らしのお年寄りの現実が、そのまま写してありました。
台所に放置された埃まみれの汚れた食器、生々しい入れ歯、しわくちゃに干されてる洗濯物、剥いたりんごの残骸、作りかけの人形・・・。
ゴミだらけの汚れた部屋、片付けできなくなった物でごちゃごちゃの部屋、急な階段、昭和感漂う居間、中にはスッキリ片付いた部屋も・・・。
寝ている老人、食べてる老人、笑っている老人、描く老人、猫と写っている老人・・・。
年を重ねるにつれ簡単な料理、洗い物や掃除や片付け、洗濯もだんだんできなくなっていきます。
身支度だってどうでも良くなっていく、お年寄りのリアルな日常を捉えた写真が、淡々と続いていました。
老人の独りの生活。。。
食べてる姿が寂しそうにも感じますし、寝ている老人の写真も多く、いろいろなことを想像させられてしまいます。
悲痛な気持ちや心配な気持ちで心が重たくもなりました。
でも、福島さんの言葉には、深く共感できます。
・・・人間が生きるということはこんなにも力強く、粘り強いものなのかという驚きだった。
うちの父も、「早く死にたい」、「もう死にたい」、「中々死ねない」という言葉を、毎日のように漏らします。
死への恐怖と願望が常に頭の中を駆け巡っているようですが、食事の時間になると、集中力が高まり一生懸命に食べています。
食べることは生きることです。
父の姿を見ては生命力の強さと、生きることへの執着心に圧倒されることがあるほどです。
時代を生き抜いてきたご老人たちの生命力が尊く感じられ、つい拍手を送りたくもなりました![]()
弁当を配達する人たちは、お客さんの安否を確認する役割も担っているのだそう。
お客さんであるご老人たちと信頼関係を築きながら、ゆっくりと時間をかけてカメラの中から日常を切り取って行ったのでしょうね。
写真はもちろん、真摯にご老人たちと向き合いながら思ったことを綴っている文章もとても良かったです。
強烈な写真集でしたから、心を掻き乱されもしましたが、なぜか愛着さえ沸いた一冊でした。
それは将来の私が重なって見えたからでしょうかー?
