12月31日
2005年最後の日である。
曇り空、雪のつもる大晦日だ。
年末になると、日本語の先生達は学生に
「よいお年を」とか、「あけましておめでとうございます」を教える。
私ももれなく教える。
そうすると、学生が聞いてくる。
「先生、どうして日本人は元旦を祝うんですか?
どうして春節(旧正月)を祝わないんですか?」
どう答えたらいいだろう。
私は、
「日本は今、陰暦を使ってないし・・・そういう習慣なんです・・・」
と、しどろもどろだ。
ある日本通の中国人の先生がこれについて、
「春節を祝うのは、世界中で中国人と韓国人だけなんです。
だから、そっちの方が“なんで?”なんですよ」
と、学生に言うという。
すばらしい答えだと思った。
そう。
中国人は、本当の意味で世界を見ることができない。
というか、機会がない。
中国が一番、世界の中心だ、という中華思想はまだ健在なのだ。
世界の中で中国は、という逆の考え方がない。
私も、この閉鎖的なところにいて、
裏返して物事を見れなくなってきているようだ。
髪の毛や目の色が同じというだけで、
日本とは根っこのところが全く違う中国。
来年も、この中国に振り回されていくんだろうか。
それを受け止めて、さらにスラリとかわしていける
大らかな気持ちを持ちたいものである。