怪物に表されるもの | ルサンチマン ブログ

ルサンチマン ブログ

わかんないことだらけ

フランケンシュタイン・コンプレックス―人間は、いつ怪物になるのか/小野 俊太郎
¥2,205
Amazon.co.jp


「怪物とたたかう者は、みずから怪物とならぬようにこころせよ。
なんじが久しく深淵を見入るとき、深淵もまたなんじを見入るのである」 byニーチェ

 

 々な怪物寓話の背景を推測している面白い本でした。

 『フランケンシュタイン』の話は、電気の刺激で生命が動くといった当時の科学観が
反映されており、SFとしても、人とロボットの境界を描いた作品としても草分けだったようです。
当時20歳の女性がこの話を書いたというのも驚きです。

 また、『ジキル博士とハイド氏』の話が、増長する下層(ハイド)と不安な中流(ジキル)という
当時の社会の世相を現している、という指摘が面白いです。

 ドラキュラの話に描かれた世界も、手紙を出せばしっかりあて先に届き、
ドラキュラが国外逃亡した際は、保険会社のロイズの船舶情報によって行方が
わかってしまうといった、情報社会の黎明期が描かれているそう。
 ドラキュラ自体も、人の血を吸う=自分のメンテナンスを人間に依存
するウィルス、あるいは新しい血を吸って生き残り続ける古い世代の象徴ともとれるようです。


メモ:
・男のヒステリー - 相互連帯で克服
・進化論 - 動物への博愛芽生えるが、野蛮に先祖がえりする恐怖も
・近代 - 血縁共同体から利益共同体へ 顔見知り以外で共同体つくるため「共感」の必要性
・人造人間 - 人の平等が無条件に与えられないことの証左
 - 人間らしくしないと人間として扱われない
・生殖技術の発達 - 自分の力で運命を変えるのでなく、お金で買えるように
・システムのブラック部分 - 仕組みはわからないけど動いてるからOKという先送り
・声の蓄音機としての新聞の登場
・『透明人間』 サラリーマン研究者が登場した時代
たとえ目の前に存在しても、つなぐネットワークがなければそれはただの異物と化す
・オルダス・ハクスリー『すばらしい新世界』
生まれつき五段階階級が存在する世界
胎児の段階で酸素量調整で知能や教育への関心に差 - 階級を固定
工場があるのに農業を廃止しない - 全体の3分の1の人を土地に縛るため
管理社会に嫌気がさした主人公は自給自足をはじめるが、マスコミに取材され映画にされてしまう
・『ジュラシック・パーク』人間が操っているシステムが自然とかけ離れたものでないという事
・『A.I』人類が絶滅したのに、母を求め続ける子供型ロボット
 - 人間の様式だけが模倣され続ける
・『マイノリティ・リポート』多様性保ちながら、管理されている社会
システムを閉じたものにすると、違法も起こらないが、暴走したときに人が介入できない
・『キャッチ・ミー・イフ・ユーキャン』身分証明の危うさ
本人より資格を重視→なりすまし可
・アナログ時計 - 仕組み見える 、 デジタル時計 - 仕組み見えない
・自分も怪物になりえるため、モンスターというレッテルを相手に貼る
・『渚にて』放射の風、地球の外には出られない、エコシステムという閉じた環境