- “性”と日本語―ことばがつくる女と男 (NHKブックス)/中村 桃子
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男と女の言葉使いの違いから、
男と女にそれぞれどのような規範が
課せられているか、について書かれている本です。
ファッション誌でも、
女性誌では、
「みんな~だよね!」「~つかもっ☆」
といった話しかけ言葉・会話形式だったり、
有名人も美容に関して、読者と同じ悩みを
持っていることが書かれていたり、と、
「同じ悩みを持つ人」という水平的な
共同体が作られているのに対して、
男性誌は、
「カーゴパンツを攻略せよ!」
といった感じで、
攻略というある種戦争を想起させる単語を
使ったり、「~せよ!」といった、
上の地位のものからの講義という、上下関係の形式
が言葉遣いからも見て取れるようです。
ついでに男性服のおしゃれ化は
00年代に女よりおしゃれなピーコック世代
というものが出てきたあたりから顕著になってきたみたいです。
女性の領域にあったファッションに
男らしい戦の場としての性格が付与されたことが
背景にあるようです。
なぜ女性は下ねたを嫌がるか、
についても書かれておりました。
仮に下ねたを笑ったとすると、
性の対象としての女性性を認めたことになり、
異性規範を認めることになる(=キケン)
笑わないと、
知識のない、未成熟なものとして
相手にされない、劣等視される可能性があり、
娼婦型の前者か、聖母型の後者か、強制的に
選ばされるのを嫌がるそうです。
(娼婦型・聖母型両方使い分けたい気持ちがあるのでしょうか)
こういったジレンマがあるから
いつの時代も
宝塚やリボンの騎士といった
男でも女でもそのどちらでもない、
(選択をしなくて良い、留保した)
男装の麗人への憧憬があるそうです。
また、外人のアテレコにも
白人は標準語、
黒人は方言、
ジョニーデップなど海外スターは
「~さ。」と適度な距離感、
事件などがあった時、
近しい話題、個人の感想は
「~わ。」「~ね。」と女性言葉。
出来事の客観・総論は
「~だ。」と男性言葉になり、
細かい言葉使い、語尾に
外人の言葉に対して、日本的な文化への
「翻訳」があるようです。
全体としては、男よりも
女の人のほうが言葉遣いの乱れを
指摘される傾向にあるみたいですね。
言葉遣いを注意されたとき、
その人が自分のどの言葉を注意したかによって
その人がなにを乱れと感じているのか、
自分に何を、どんな規範を求めているのか、
分かるかもしれません。
END
メモ:
・ズボンは人、スカートは女を表す
・二人で話すとき、女は向かい合って、
男は同じ方向を向いて話す
・理想の日本語は「~な話し方はだめ」といった
消去法でしか示せないため、非常に狭い
→正しい日本語の本は売れ続ける
・日本語の偏り → 創造性を生む
・男らしさ成立のため貶められた女らしさ
・女性向け小説「ハーレクイン・ロマンス」カナダ
異性の体の描写が詳細に描かれる
→ 自分の視線はそこに向かってしまうもの・べき
→ 異性愛を必然化