フランスという国はまったく!!



どうしていちいち芸術の水準が高いのだろう。



シルヴァン・ショメ監督の「イリュージョニスト」を観た。



映画が公開されていた当時、ずっと見たかったのだが、有楽町でしか公開されておらず結局見逃してしまっていた作品だ。




シルヴァン・ショメ監督といえば「ベルヴィル・ランデブー」でも有名な監督さんだ。



TSUTAYAに行けばジブリコーナーに置いてあるので知っている方も少なくはないと思う。



そう、ジブリが海外の優れたアニメーションを日本でも公開すべく取り組んでいる一環で日本でも観れるのだからジブリ様々だ。





さて。



「ベルヴィル・ランデブー」でもそうだったのだが「イリュージョニスト」でも人物や建物の描写がえげつない。



日本のアニメは様々なデコボコを丸くして味気ないものになっていると思う。いわゆる似顔絵や真似がしやすい絵だ。



言い換えれば馴染み深く優しい絵とも言える。



フランス人はそこを妥協しない。



明らかに主張している絵だ。



言い換えればトゲトゲしく個性にあふれ魅力的な絵とも言える。



決して日本アニメのような爆発的なヒットを生むことはないだろうが、アニメ界の第一線は日本ではなくフランスではなかろうか?と思わせられる要素が「イリュージョニスト」には詰まっている。



ストーリーはベタだ。



チャップリンの「ライムライト」と同じ。万国共通ウケるテーマ。



ただ、圧巻なのが登場人物にセリフを与えていないところだ。



もちろん無声映画ではなくいくつかセリフもある。だが意味のあるセリフはほぼ無い。



ストーリーをその絵のタッチと雰囲気、そして音楽だけで引っ張っていく。



もうね、本当になんなんでしょう。この芸術点の高さは!