贅沢は敵!なんていう言葉があります。


節制、節約が叫ばれる昨今では、敵とは言わずともなかなかに難しいものです。


しかし。


そもそもなんで贅沢は宜しくないのか。そんな疑問を抱いたことありませんか。


切り詰めて切り詰めて、爪に火を灯すような生活こそが本来あるべき姿なのでしょうか。






こんな事例があります。


ローマ帝国が誕生する以前に地中海で高度な文明を築いた国がありました。


パルテノン神殿で有名なギリシア文明です。


今でこそ経済破綻しかけてEUのお荷物化してしまっているギリシャですが、かつては偉大な哲学者や高度な学問、文化を生み出していました。





紀元前の話。


アテネオリンピックも開催されたアテネ。


世界で初めてであろう民主主義を掲げてギリシャ文明を牽引する都市国家でした。


当時のギリシャは都市国家の集合体。平たく言うならば日本の戦国時代。


ただ日本の戦国時代と違うのは各都市国家によって文化がまったく異なっていたという点。


そんなアテネのライバルがスパルタ教育でお馴染みのスパルタ。


映画『300』でフューチャーされた都市国家です。


このスパルタは極度の軍国主義だったのですが、それ以上に極度の鎖国でした。


他都市との流通を断ち、自給自足の生活。


同時期にアテナでは芸術や学問が花開いていたのに対し、スパルタではなに一つ文化がありませんでした。


これはスパルタの政策で、まさに贅沢は敵という前提のもと、全てを強靭な肉体を持つ戦士の育成にあてていたのです。


しかしその結果、スパルタの軍隊は地中海だけではなく、ペルシャにもその勇名が轟くほどの当時最強でした。


そんな最強の軍隊を擁する都市国家が何故、滅びてしまったのか。


そこにはとても人間らしいオチがあります。


質素堅実に生きてきたスパルタ。最強の軍隊で周りの都市国家をいくつも支配していきます。


当然、スパルタに敗れた都市国家は略奪の対象となり蹂躙されます。


そしてその戦利品をスパルタに持ち帰ったのが全てのあやまち。


生産しているものは食料と陶器程度だったスパルタ民が、家具や装飾品、宝石を手に入れたのです。


そこからはもうあっと言う間。豊かな生活がしたいという人間の欲が加速度的に高まり、スパルタ本来の質素堅実を旨とした軍国主義が崩壊。


贅沢に溺れた最強の軍隊は他民族の襲撃になす術もなく滅ぼされてしまいます。


なんとも儚い話です。






温故知新。この事例から学ぶべきこと。


僕が夏の暑さに負けて、毎日ガリガリ君を食べていたら、夏が終わる頃にはお腹がポッコリ出たメタボリックマンになってしまうということだ。






iPhoneからの投稿