金曜ロードショーでジブリがやっていたら観てしまうのはあるあるです。


3週に渡り放送されたジブリ特集のラストは、『海がきこえる』と『ゲド戦記』の二本立て。


この二作品ですが、ジブリの中では比較的低い評価の方も多いのでは。


かくいう僕も二作品とも好きではないです。つまらなくはないんですけどね。





『海がきこえる』は一言で言うならば『時代』です。


90年代はテレビも映画もマンガもほとんどあの手の内容です。


今でいう『俺様イケメンキャラ』ばっかりの作品が溢れているのと同じで、どれも似たり寄ったり。


ですから設定が異なるだけで、ストーリーの展開、結末など特筆すべきものがない作品です。


その他、たくさんの作品と共に時代にに埋れてしまいました。





『ゲド戦記』は公開当初から色々と問題がありましたね。


それはさておき。


原作とはだいぶ異なるオリジナルストーリーですが、それはそれで良いと思います。


映画化にあたって原作に100%忠実である必要はありません。まったく同じならそんなものいちいち映画化する必要などなく原作を読んでいれば良いのですから。


映画化するにあたっては、監督や脚本家の解釈や考え、想いを込めるべきです。


そういう意味では『ゲド戦記』は素晴らしい。


様々な負の要因から父親を殺してしまうというはじまり、本来あるべき光の心から逃げているという設定。


実に興味深い設定です。


特に原作と『影』の扱いが真逆なのも今の時代ならではと思います。


良い行いを心がけていても、それが評価されなかったり、逆に疎ましく思われてしまい、億劫になってくる。


それならばいっそ何もしない日和見の方が良いと思っていると、次第に良い行いをしている人を疎ましく思えてきてしまう。


知らず知らず、善に否定的になってきているのに自分ではそれが分からない。


そんな感じに実体が闇に囚われて光を恐れてしまう人は多々いると思います。


主人公のアレンはそんな無気力で無関心な若者の象徴として良く描かれていると思います。


ストーリーが展開していき、やや雑な感じはあるもののなんとなく向かうべき方向が見えてきて、引き込まれていくのですが、終盤がいただけない。


アレンが目覚めてから最後の戦いにかけてが酷すぎる。


テーマとして伝えたいことは分かりますが、あまりにもねじ込み過ぎてるし、
伝えたいことだけを全面に押し出して、ハイ!おわり!な状態になってしまっている。


起承転結で言えば起承と良い流れで、転でもうまく切り返したのに、結が急過ぎてゴール手前でコケちゃったのかな。


終わりよければ全て良し。という言葉は終わり悪ければ全て悪しともとれます。


ゲド戦記。まさにそんな感じです。






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