段宜恩玩到赢为止(マークは勝つまで遊びつづける)

時尚COSMOPOLITAN 2019年2月刊

 

 

 陽がさんさんと降りそそぐカリフォルニア州の海岸からビルの林立するソウルの街まで、マークは五年の月日を費やした。GOT7のメンバーの一人として、彼はビジュアル担当でもあり、チームの優しい長男でもあった。彼はずっと負けず嫌いで、また、心臓のドキドキが連れてくる高揚感を楽しんでもいる。ゲームであっても普段の生活であっても、彼は努力と信念で勝ちに行く筋金入りのゲームプレイヤーである。

 

ニセ仏系錦鯉の勝負欲

 

 スタジオの照明の下で空気はまるで固まってしまったようだった。全ての人の視線が中央に立つマークに集中していた。彼はルービックキューブと格闘している。表情は険しくまた少し焦っていた。数秒止まったのち、突然恥ずかしそうに笑い始め、それから決まりが悪そうにこちらに背を向けぶつぶつと言い始めた。そして彼がこちらに振り返るときには、彼の手にしたルービックキューブのごちゃまぜになった面はすでにすべてきれいに完成していた。待っていた人々からは「すごい!」と称賛の声が上がった。そしてその時には彼はすでにカメラマンの撮影指導に精神を集中させていた。

 

 勝つということはマークの辞書の中でとても重要だ。そして、彼本人がゲームの神にひいきされる錦鯉体質(特に運の良い人のこと。錦鯉は中国で幸運の代名詞である。)を持っている。

 

 だから一度GAME OVERになってもRESTARTボタンを押せるならまた試してみたくなる。「僕は必ずしも勝つために何度も挑戦し勝つまでやめない、というわけではありません。でももし機会が与えられるなら、確かに勝つまで遊び続けたいかもしれませんね。」マークは気前よく認める。「僕は何をするにもいつも勝ちたい気持ちが強いようです。僕だけでなく他の人もそう思うんじゃないですか?言葉を変えれば、負けを認めたくない、ということです。」

 

「じゃあもし同じように負けず嫌いな相手と遭遇したら?」

 

「うーん……今まで僕より勝ちたいという欲が強い人はいなかったと思います。」彼は笑い出した。その30%ずる賢く、70%澄んだその表情はまるで猫のようだった。

 

「でも勝つことが僕の人生のすべてというわけでもありません。」マークはその過程をもっと楽しんでいる。彼は自分のやるべきことを100%努力することが好きだ。「どちらかと言えば、準備の段階の方がより重要かもしれません。」彼は心をこめて行えば、最終的な結果はきっと予想した素晴らしい結果になると固く信じている。「たとえ最後に100%の結果が出なくても、少し残念ではありますが、自分が100%の力を尽くして準備したその過程を思い出せば、何の後悔もなくなります。」彼は最近新しい言葉、「仏系」(すべてのことについてどうでもいい、気にしない態度をとる若者を指す中国のネット流行語)をGETしたという。これもまた一種の勝ちの境地だろう。

 

一秒たりとも無駄にしたくない

 

 もしスカウトされていなかったら、このカリフォルニアの太陽を浴びて育った男の子は他の多くの人と同じように、高校を卒業し、大学に進み、卒業を仕事につき、それから結婚し、子供を生むというような人生のレールに従っていただろう。韓国に来てトレーニングを始めたマークはほとんど「白紙」であった。練習生生活の一切が彼にとっては真新しかった。強靭な意志で彼はずっとつらく苦しい練習と準備をしていた。

 

 アイドルになるという夢は、初めのころのマークの頭の中ではそれほど強烈ではなかった。高校生のマークはただ、これは世界の他の面を見られるとてもいい機会だと思っていた。トレーニングの最初の6か月はあっという間に過ぎていき、彼は人生で初めてステージに立ち練習生のショーケースをやり遂げた。ステージ、照明、観客の歓声はある種の幸福感をもたらした。それはたとえ何年たってもまだ彼の心に刻まれている。あの興奮は言葉で言い表すことができない。

 

 あの時からマークはデビューするという意志を固め、更に真剣に努力を始めた。練習の日々は辛く、毎日、語学、ラップ、歌、ダンスなどすべてを学ばなくてはならなかった。学んできた様々な才能と技能はステージ上の一瞬の輝きのためだけのものだ。「その時は辛かったですが、特に心配なことはなかったと思います。あ、自分が脱落してデビューできなくて家に帰らなければならなくなること以外は。みんな練習生の時はきっとこのような不安があるでしょう。」

 

 3年の練習生生活の後、マークと6人の兄弟はGOT7となりデビューした。アルバムの発売、ステージでのパフォーマンス、ワールドツアー。マークの夢は一つ一つ実現していく。デビューから5年経った今、彼はその頃のことを充実していたと思うと話す。

 

 デビューから5年、マークが最も嬉しかったことはメンバーとともに17都市を巡るワールドツアーに行くことができたことと、新人賞を獲ったことだ。新人賞はアイドルとしてデビューした後一度しか獲れない賞なので、本当に貴重なものだ。ワールドツアーも私たちがしたいと言えばできるというものではない。この2つのことを成し遂げ、彼は嬉しかったし、感謝している。

 

 将来彼は自身がもっと良い成績を残すことを切に望んでいる。最高の結果のために彼はずっと努力している。いままで何も先延ばしにしたことはないし、どんなことにも最善を尽くさなければならない。これがマークの自分自身に求めることだ。彼はもし心配事ができた時にはひそかに自分に対して「また努力してよくやろう。」と言うと語った。

 

 90年代生まれとして、彼はより純粋に生きている。“WORK HARD PLAY HARD”は普通な事のようにも思えるが、これこそがマークが最も追求したいことだ。仕事の時には真剣に向き合い、一回一回のパフォーマンスの機会を大切にし、毎回ステージで鮮やかな光を放つために努力する。友達と集まった時には楽しく遊ぶ。「一秒たりとも無駄にしたくありません。」そう彼は言う。「どんなことでも全力を尽くしたいです。このようにすれば後悔することはないと思います。」

 

 事務所に入ってトレーニングを始めてから現在まですでに8年の時が過ぎた。彼はこれまでの自分に対して謙虚に5点という点数を付けた。「五分五分でしょう。よくできたところもあるし、足りないところもあります。僕たちGOT7はこれからどんどん良くなるし、兄弟たちと一緒にもっと遠くへ歩いていきたいです。僕個人的にはもっと努力が必要だし、よりよくできる部分があると思います。」

 

心臓の高鳴りと冒険のために生まれたピーターパン

 

 “同級生のマークくん”は、見た目は静かでおとなしそうに見えるが、実際は“胸のドキドキ”愛好家だ。特に愛しているのはホラー映画で、彼は珍しく喜びに輝いた表情でよどみなく止まることなく子供のころ見たオススメについて話し始めた。「小学生の時に≪シックス・センス≫という映画を観ました。それが多分初めてのホラー映画です。姉が見ていて、僕も横で一緒にみました。とても面白いと思いました!もしおすすめするならこの≪シックス・センス≫と≪CONJURING2≫ですね。」

 

 また、“マーク先生”は冒険の分野についてはベテランで、通である。この生まれつき人のうらやむ運動神経を持ったLAのCool guyは陸と海、各種のエクストリームスポーツをほとんど制覇してきた。彼は、決して怖くないわけではないと言う。成功した後の達成感とエクストリームスポーツそのものの面白さがその他のことを超えてしまっているから、またチャレンジしたくなるのだ、と。もし機会があれば彼が一番体験してみたいのはモモンガのように空を飛ぶウイングスーツフライングだ。

 

 この独特の「優秀さ」によってマークはステージ上を自由に行き来することのできるピーターパンとなった。「韓国に来てはじめのころはマーシャル・アーツ・トリッキング(MAT)を専門的に学んだことはありませんでした。でもアメリカにいた時にはもう飛び回るMATのようなアクションが好きでインターネットで調べたりもしていました。事務所に専門的な“特技”の授業があって、僕が飛んでいるところを事務所の人が見て上手くなるかもしれないと思ったようです。そしていつの間にか自分の特技として磨き上げました。」

 

 彼は、自分は勝つことが好きだと言う。勝利した時の楽しさと失敗した後努力を重ねるときの心音が加速する感覚もその一因かもしれない。

 

 インタビュー後マークは次の告知にあわただしく向かったが、雑誌スタッフの近くを通り過ぎる時、時間が差し迫っていても彼はまったくためらわず、立ち止まって笑顔でまじめに礼儀正しくお辞儀をした。北京の冬の太陽が彼の体を照らし、暖かくまた輝いていた。

 

ピーターパン・マークの新年のウィッシュリスト

 

WISH1 君のために歌を書く

僕の中国語のレベルがもう少し上がったらファンの皆さんが何か聞きたければそれをテーマにして制作したいです。必ず書くから期待していてください。

 

WISH2 ヨーロッパ攻略

もし時間が許すなら、ワールドツアーの時に印象深かったヨーロッパにまた行ってみたいです。

 

WISH3 ファッションデザイン

最近コラボレーションで服のデザインに挑戦しています。またデザインに関する知識を学んだり、自分がブランドを持つデザイナーになるという考えが芽生えてきました。

 

WISH4 舌の上の中国

今回両親を北京に連れてきて遊んだのが楽しかったです。たくさんおいしいものも食べました。でも特に残念なのはどうしても食べたかった揚げ臭豆腐を食べられなかったことです。あの臭いを嫌う人も多いけど、僕は揚げ臭豆腐はそんなに臭くないしとってもおいしいと思います。

 

WISH5 君の名は

強化版のマーク定食を作りたいと思ったことがあります。辛みを加えたいです。