2010年7月8日


細胞診の結果を聞きに行く日。

やっとこれで終わりだー!なんかじわじわと長かったなー。

休みはいっつもこれで潰れてさ。

でも、そんな日も今日で終わり!

予約は13時だから、終わったらサマーセールで買い物に行こう!


って思いでした。正直。


旦那も休みとったから、

「じゃあ戻ってくるのも面倒だから、一緒にがんセンター行く?

結果聞いてそのまま買い物行こうよー」

というわけで旦那も一緒にがんセンターへ。



完全に安心しきってる私。

初がんセンターの旦那。



「がんなんだよ。がんなんだよ。がんセンターにかかってるって事はがんなんだよ」


とずっと言ってる旦那。


「だーいじょうぶだって!なんかのできものだよ」


がんをまったく疑わない私。




さてさて。

この日も例のごとく、けっこう待たされ。

多分一時間は待ったねぇ。人はあんまりいなくて静かなもんだったんだけどさ。


旦那は午前中のランニングがきいて

疲れて眠りたいんだけどベンチが座りづらくて眠れない様子。


私は置いてあった『金田一少年の事件簿』を読み続けてた頃。


「ぶーこ選手さーん。中待合でお待ちくださーい」


お。呼ばれた。


読んでたマンガを旦那に託す。

すると


「あ。ご家族の方も一緒ですか?ご一緒にどうぞ」

と看護師さん。



「だって。来れば?」


「え?なんで?なんで?」


確かに・・・「なんで?」って思うかもねぇ。

旦那は確実にこの時に悪い結果は想像していたんだろう。

私はこれでも想像できなかった。

ただ、いるならどうぞ。ぐらいの事だと思ってたんだよね。



「ぶーこ選手さーん。お入りください」


O山先生の声。



「あ。ご主人ですか。こちらにどうぞ」

席をすすめる先生。



「さて。細胞診の結果なんですが・・・」




ごめん、先生。

イスに座る時点でカルテのぞきこんで見えちゃったよ。





「例の真ん中のですが、腫瘍でして、悪性でした。がんです。甲状腺がんです。」





うん。見えた。カルテ。



「そうですかー」



なんなんでしょう。なーんかピンとこない、というか。

ピンときた、というか。



正直言おう。

ショックも何もなかった。

ただ(へー。がん。)ぐらい。



なんか、よくある話で。

(がんかもしれない)とか悪い方、悪い方に考えてて覚悟してた時って

たいていそうはならない事って多くない?

覚悟しといてショックをあまり受けないようにしといた結果とか。


逆にまったく覚悟してなかった時に

そうなる事がよくあるというか。。。



だからそのパターン。

まったく覚悟・予測してなかったから、逆に言えば予測してた(できた)というか。。。

言ってる意味わかるかしら??



とにかく、そんなワケで

頭の中に『がん』って予測キーワードがなかったために

逆にすんなり受けとめた、というか。

「あー。がんなんですかー。そりゃまた面倒なことにー。」

ぐらいです。正直。


一応時折旦那と目を合わせてお互いびっくり顔作ってみたりして。

笑える余裕。



O山先生の話の続き。


「甲状腺がんのなかの乳頭がんといいまして、甲状腺がんはたいていこの分類が多いです・・・」


と、紙に書きながら説明してくれる先生。



要約すると、

私のなったがんは甲状腺がん(乳頭がん)で、これが一番一般的。

病期はⅠかⅡ。大きさは1cmちょっとと小さいので多分Ⅰでしょう。

(45歳未満はⅠかⅡなのだそうだ)

乳頭がんは転移も少なく予後の経過が他のがんと比べてとてもよく、生存率も高い。

がんのなかでは非常にタイプのいいがん。

もっとも効率的な治療がまず手術。

抗がん剤で小さくしたり、とかではなく、まず摘出してしまう、と。

甲状腺は首の前面にチョウチョのような形が張り付いてるようにあり、

右に腫瘍があれば右を.、左に腫瘍があれば左の甲状腺を摘出する。

あとは術後の経過で人それぞれ方法が変わります。



ただー。



「ぶーこ選手さん、真ん中なんですよね・・・」



と言葉をにごす先生。


?取りづらいという事か?



「では次回にCTの検査をします。転移がないか、詳しい状態を調べましょう。

その次にCTの結果を受けて私の診察をした後に、

甲状腺がんは手術の担当は耳鼻(咽喉)科になりますので

そちらで手術の詳しい説明を受けてください。」


え?耳鼻科になるんですか?

科が変わっちゃうんですか?


悲しいー。



で、CT検査の日を7月23日に、

O山先生の診察&耳鼻科の手術の説明を7月27日に入れて、

CT撮影の際の造影剤使用の同意書にサインをした。









「がんだって!がんだって!」


笑うしかないっつーか。


旦那と『がん』を連呼しあって笑いに変える。


でも一応こんなことを言ってみた。



「ごめんねー。がんになって。面倒くさいでしょ。面倒でしょ。

ずっとがんと付き合っていくんだよ、がん家系だから。

イヤになった?イヤになった?」


そしたら旦那。


「どうせ1000兆パーセント、いつかがんになるんだからフツーだよ」


だって。ウケる。





買い物中だって

「がんと告知されて3時間が経過しました」とか

「がんのくせにバーゲンで買い物してる」

とか言うんだもん。おっかしくて。

まぁ旦那も笑わせてくれてるんだろうけど。


ありがとう。あなた、うふ。







とりあえず誰にも言わずに、もう少しハッキリしたら

(転移の状態や手術の日、内容など)

家族に言おう、とこれだけは確認しあった。


とくに母ちゃんは私が乳がんの再検査受けたのにも

過剰に反応してて

(自分が乳がんだから遺伝させた)みたいに

自分のせいに考えてたから、、、。



あ。でももちろんW科長には言わなきゃ。


兄貴にだけは先に言っておこうかなぁ。

がん保険入れって。

タバコやめろって。



などなど、夕飯後に家で色々考えてたらーーー。




M子からメール。

他愛もない内容。



あ、やべ。私M子に今日検査の結果聞きに行くって言っちゃったんだ。


これはあえて確信に触れないで(気をつかって)

検査の結果を完全に気にしてるメールだな。



んー。

M子にウソはつけん。

心配はかけるだろうが仕方ない。


明るく返信してみた。



「がんだったー!甲状腺がんの乳頭がんってヤツ。

でも小っちゃいし、手術でとればいいだけなんだって!

だからあんまり心配しないでね!!」



みたいに。

明るく返信っつーかもともと暗くなってないんだけどね、私。



だからビックリしたわけよ!

M子が泣きながら電話してきて!


「だって、ぶーこのお母さんがやっと落ち着いたとこに今度はぶーこがって思うと・・・。」

「だーから!大丈夫だって!取れば終わりなの!母ちゃんみたいに

抗がん剤半年も投与して髪が抜け落ちて、やっとの思いで小さくして

手術してその後また通院して・・・とかあんな大変じゃないんだから!

大丈夫よ!ホントに!」



泣いてるM子を元気づける私。

どっちが患者なんだか^^;


でも、自分のために泣いてくれるなんて

こんなに申し訳なくてありがたいことはない。



ありがとう、M子。

大好きだよー!!



そんな感じで告知の日はM子の涙で締めくくりました。


■本日の支払  ¥210

(内容)

再診