
豚袋でございます。またまた久々の記事アップとなってしまいました。いつになったら暇になるのだろう。。。このところの首都圏は久々かなり寒いです。夜なぞは冷蔵庫の中の方が暖かいんじゃないかと思います。そんな事言ったら北国の方に怒られてしまいますね。豚も雪国出身なので寒さは慣れてるハズですが、こちらの寒さは乾燥していてトゲトゲした感じがします。でも今日紹介する音楽はアツイですよ!
ピストルズに代表されるロンドンパンクが一段落し、ポストパンクに移行しつつある頃、パンクの本来的な直情性・攻撃性・衝動性は突き詰めて行った結果、ルーツたるロックンロール的音楽性はもはや失われ、削ぎ落としたシンプルなコードと咆哮に収斂し、その方向は「重く」「速い」音に向かって行きました。これが所謂ハードコア・パンクという潮流となり、パンクから分派していきました。
その流れは自然発生的に米国西海岸にも起こり、ロスを中心にLAパンクとしてムーブメント化していきました。その中心でシーンを牽引したバンドがこのブラック・フラッグでございました。と、偉そうに始めてしまいましたが、豚が所有しているのはこの「Damaged」一枚きりです。また、誤解無きように言わせていただくと、コアなハードコアのファンでもありません。ですが、このアルバムは非常によく出来ていて単調さを感じさせず、なおかつ自らが衝動的なリピドーに駆られる魔力をもっていると思います。
1976年結成されたので、最初はピストルズの真似のようなバンドだったようです。メンバーの入れ替わりが激しく、結成から解散までバンドに在籍していたのは、リーダーでギタリストのグレッグ・ギンだけ。1981年にヘンリー・ロリンズがボーカリストとしてバンドに加入した後にこのアルバムはリリースされました。そしてこのロリンズの加入により大きくハードコアの雄へと進化していったようです。後ほど動画を見ていただければわかりますが、私たちが一般的に想起するハードコアのイメージをまさに創出したのが、このブラック・フラッグではないかと思います。そういう意味で「創始者」の称号はダテでなく、数限りないフォロワーを生み出したのでしょう。アメリカのオルタナ勢に与えた影響も大きく、ソニックユースもニルヴァーナもダイナソーもみんな彼らをリスペクトしているようです。
アルバムを聴くと意外にポップな面も伺えます。一般にハードコアは轟音と「がなり」と極限の速さが特徴ですが、彼らはそこだけにこだわっているようでもなく、意外にメロディックな音も聞かせます。演奏能力もヘタではないでしょう。荒々しいギターはストゥージズを想起させます(私だけ?・笑)。まぎれもなくアメリカのバンドでアメリカでしか生まれ得ないガレージ流れもあると思います。また、ロリンズはもともと詩人・作家としても活躍していたようで、その歌詞の世界もなかなかにアイロニカルで豚は好きです。「35ドルと6缶パックが俺の名前」とか「憂鬱が離れない、憂鬱が俺を殺すだろう」などのフレーズはセンシブルでよいですし、TV社会を皮肉った「TV Party」なぞはなかなか笑えます。
大変残念なのは、音質が良くないことです。時代もあったのでしょうが、インディーズの宿命でしょうか。このCDも少し音のレベルが小さく、思ったほどの重さを感じません。国内盤でリマスターして出してもらえないかと思うのですが・・・無理だろうなきっと(笑)映像もやはりアングラ的というかやっぱり質が良くないです。そのあたりを前提にぜひ聞いて見てください。ライブは音質は別として、「熱」は感じられると思います。
曲が短いので、ちょっと多目にご紹介。
thirsty and miserable このアルバムの中で一番好きです。
Six Pack
Rise Above ライザボーと思わず叫んでしまいます。
T.V. Party 彼らには珍しいプロモビデオです。
Rise Above ライザボーと思わず叫んでしまいます。
T.V. Party 彼らには珍しいプロモビデオです。