長崎と風説と昔取った杵柄と | あっきーさんの「大人だからあえて言ってみた」

あっきーさんの「大人だからあえて言ってみた」

30代独身貴族のあっきー(元ぴえぐら)さん。
気になっていることを
前向きに自由に書いてます。
余計なことも言ったりしてますが、そこはやっぱり
「大人だからあえて」ってことで。

あまり私個人的な話をするのはどうかと思うのですが、昔会計事務所で働いていたことがありました。簿記の勉強を始めたのは最初に入った会社を辞めてからなので24歳くらいでしたかね?そこから10年以上経理や会計に携わってきました。3年くらい前に人事異動で外れましたがw

 

で、なんでこんなこといきなり書いたかというと、会計とか経理って普通の勉強だけやってきた人にしてみたらわけわからんよ〜っていうことを言いたかったわけ。(いや一般常識としてそれくらいはわかるわ!という人もいるでしょうが。)

 

で、さらに何でこんなことを言い出したのかというとそれはやっぱり今日のテーマを長崎の経営危機について気になることがあったからであって…

 

大雑把なまとめがあったので詳細はそっちを見てもらえたらなんですが…

 

一体何が…J2の「V・ファーレン長崎」が大混乱に陥っていた

 

(ここから下は私の想像の部分もあります。Jリーグが公表している数字以外はあくまで私個人的な考えです。)

個人的に思った長崎の問題はこんなかなって思っています。

・去年単年度で1.2億の赤字を出している(債務超過の恐れ?)

・資金がショートしそうだ

・社長が行なっている整体院の保険料不正請求

 

まず単年度1.2億の赤字について。

細かい数字がわかっていないので何とも言えないんですが、わかっているところから数字を見てみると過去3年間の決算がJリーグから公表されているのでみてみると

H25 収入:7.1億 チーム人件費:2.2億 当期純利益:△11百万

H26 収入:8.9億 チーム人件費:3.3億 当期純利益:1百万

H27 収入:8.9億 チーム人件費:3.4億 当期純利益:2百万

もうちょっと細かくみると

H25 収入:7.1億中 広告料収入:2.4億

H26 収入:8.9億中 広告料収入:5.0億

H27 収入:8.9億中 広告料収入:4.4億

一つ気になるのがH26→H27の流れ。Jリーグの大きな収入源となっているスポンサー広告料収入の減少。直接関係あるかどうかわかりませんがこの3年間の順位の変動です。

H25:6位→H26:14位→H27:6位(→H28:15位)

スポンサーの中には14位という順位に失望してスポンサーの減額または離脱を招いたのかもしれません。そんな中でチームが「無理してでもいい選手を招いて、勝つことで地域に認められスポンサーについてもらおう」という考えがでてくるのもわからなくはないです。

 

H28の決算について1.2億の赤字という情報しかないので何が原因かはわからないので何とも言えませんが一般的に赤字になるのは2つの原因しかありません。

・収入が減った

・支出が増えた

これしかないんです。そんな中記事V長崎「県民クラブ 限界」(長崎新聞)「選手獲得の力を入れてきた」という記載があったので昨年は選手の人件費が大幅に上がったが、前年の広告料収入の落ち込みを回復できなかったというのかもしれません。

 

こういったところに出てくる『「J1昇格」という県民の期待』の県民とは誰なんでしょうか?個人的にはスポンサー企業ではないかと考えます。やはりJ1はステータスですからお金を出す側にとっては大きな問題。

 

でもそれってどうなんでしょうか?確かに強いチームというのはスポーツビジネスにおいて大きなところだと思います。(栃木でもアンケートの結果チームに一番求めるのは強いチームという結果が出ていたみたいです)でも勝負の世界、お互いが勝ちに行っている世界なのでこれだけに特化するというのは大変危険です。

 

Jリーグ25年。そろそろJ1至上主義というのを辞めませんか?って言いたいです。

J1を目指すなというつもりはありませんが、J1にいるチームは結果いるのであって、J1にいるのが目的ではないと思います。地域でチームを成長させた結果J1というカテゴリーにいるのであって、J1を目的に成長させるというのは足元のおぼつかないチームを生むだけだと思います。

 

閑話休題。

よく予算が9億しかないところで1億の赤字ってどうなの?という声がありますが予算が本当に9億だったのか?選手の人件費1億上増しして10億の予算見込んだけど増えなかったとかそういうこともあるのかなって。

 

 これに関連して、先日長崎県議会が累積赤字も3億ある!という報告があり、ネットを「まじやばーい」みたいな声があがりました。栃木の掲示板とかにも会社やばいんじゃなの?なんていう声が上がってました。確かに3億というのは大きな額ですが、正直特出するレベルではないです。(Jリーグで公開されているB/S(貸借対照表)をみてもらえると累赤は多くのチームで持っています)

 

 この3億というのは自己資本で解決できているのであれば大きな問題ではなく、長崎の資本金は現在3.4億なので3億の累計赤字はまだ大ピンチではないです。(もちろん余裕はないですが)

 

 何となくそれだけあると危ないんじゃないの?という推測で会社が危ないとかいうのを書き込むのはウチがよくやられていたことで決してやってはいけないことだと思います。会社の存亡に関してイメージで断定的なことを書くのは極めて危険かなって。

 

 じゃあなぜ県議会がそんなことを言ったのか?それは税金を投入する投資先として適正かどうかということ。累積でも赤字を溜め込んでいる健全とは言えない企業に税金を投入する(スタジアム使用料を免除する)必要性があるか?という観点からかと。サポーターを長くやっていると忘れてしまう観点ですが多くの『県民』にとってサッカーチームというのはどうでもいいのです。そういった中で税金を投入するに値するか?その査定という意味合いだったでしょう。だってそのお金があったら福祉が充実したかもしれませんしね。

 

 では企業においてなにが「まじやばーい」なのかというとキャッシュがなくなるということ。企業を運営されている方ならわかると思うのですが、会社がなくなるのはキャッシュが回らなく不渡りを出すということです。いくら経営がうまくいっていて黒字でも現金がなかったら会社は倒産します。(【黒字倒産】で検索!)今問題になっているのはそこだと思います。

 

 記事によると資本金を崩して資金を作っているという書き方をしていますが資本金ってまるまる金庫に入っているお金ってわけじゃないから…と思うんですが、長崎が最近クラブハウスの建設とかでお金を使っていて(費用じゃなくて資産なので収支に直接は影響ないです)資産の保有額の割に現金になる流動資産が少ないということが考えられます。

 

 対策はまず現金を作ることなので新たなスポンサー探しは当然として、ヴィヴィくんグッツを始めとしたグッツ在庫の現金化、および数名の選手の売却、クラブハウスを売却しリース物件として入居とかそういったことではないでしょうか。にしてもスポンサー収入がどのタイミングでチームに入るかわかりませんが以前福岡で年度末に近い11月ぐらいに遅配が発生しそうとなったことを考えると4月に遅配の可能性は早すぎる感はあります。

 

 社長の保険料不正請求に関しては門外漢なのでコメントできませんがスポンサー料というお金は会社を信用してその商品に価値があるものという判断ができてから初めて払われます。「J1に上がるような強いチームを作りますよ!」だけではなく「チームがどれだけ地域に必要とされてますよという実績を作りそのチームをサポートすることが会社のステータスになりますよ!」というようにならないと根本的な解決にはならないと思います。