作曲家の名前を日本の苗字にしてみます。
日本人からするとモーツァルトやベートヴェンは言葉の意味がわからないので、響きだけ聞いてなんとなくカッコ良さそうと感じたりもしますが、実際にその意味を調べてみると、ごく一般的なものだったり、あるいはむしろあまりカッコよい由来とも言えないものもたくさんあります。
苗字の由来を探るのは非常に困難であり、1つの苗字に複数の由来があるものも多数あります。またこの記事ですべての可能性を網羅するのは難しいです。
例えばラヴェルなら
ラヴェル Ravel
意味:諸説あり、
・rave = カブ、アブラナ(根菜の植物)
・-el = 指小辞(小さいもの、関連するものを示す接尾辞)
根菜系の農業関係?
またはフランス・プロヴァンス地方のドローム県にある「Ravel」という地名に由来する地名姓の可能性もあり、この地名自体はラテン語の「rebellis」(反逆者)から来ている
または古フランス語の「raveler」(ほどく、もつれを解く)から派生し、糸をほぐしたり織物を扱う職人
Ravel = 方言で「荒地」や「険しい斜面」という意味もあり。
もし日本名なら:荒坂、蕪木、菜花、荒木、不破
のように、多岐にわたるのでどれが正解かわかりませんし、どれも正解でないかもしれません。
〇前置き
ヨーロッパと日本では苗字(姓)の成り立ちや役割が大きく異なります。一口にヨーロッパと言っても広いので、すべての国に以下の定義が当てはまるわけではなく、例外も多々ありますが、概ねヨーロッパにおいては中世以降「誰かを識別するための追加情報」として名前を発展させていった経緯があります。
その結果として苗字は
・出身地(~の人)
・父親の名前(~の息子)
・職業(鍛冶屋・商人など)
・身体的特徴や性格(背が高い、乱暴者など)
例えば父称として(Johnson = Johnの息子)、職業として(Smith = 鍛冶屋)、地名(Acton = 地名)、特徴(Long = 背が高い)などです。
ヨーロッパの苗字の多くは「その人がどんな人物か」を説明するラベルであり、あだ名や評価(時には悪口)すらそのまま姓になる文化すらあります。
ちなみに我が国、日本の苗字はまったくヨーロッパとは違った発展をしていて日本では古くから、氏(うじ)や姓(かばね)によって家系・血統・社会的地位が管理されてきました。
中世の貴族の名前などがまさにそうです。例えば堂上家の一覧を見てみましょう。
近衞、九條、鷹司、一條、二條、三條、西園寺、飛鳥井、中御門、持明院、油小路、上冷泉、水無瀬、久世、綾小路、勘解由小路家、甘露寺、萬里小路、梅小路、土御門、北小路、etc…たくさんありますが、
公家の苗字はおよそ、都のどこに住んでいるか(邸宅の場所)から決まる例が多いようです。
近衞家なら京都の近衛の北、室町の東、近衛大路に面した近衛殿を邸宅としたことが家名の由来と言われています。一條~九條なども同じで、路・小路(京都の通りの名前)、門、井(井戸)なども同じ構造です。
甘露寺、西園寺はそのまま 西園寺というお寺の近くといった具合です。
中世以降に武士が台頭してくると武士階級を中心に名字が広まり、公家と同じ由来だったり、自らの領地や居住地を示すものとして用いられるようになりました。織田、武田、眞田、前田、・上杉、北条、島津、佐竹などは完全に領地・出身地型といえます。
武士の大半は地名系ですが、賜姓といって朝廷から与えられた高貴な血統名として古くは源・平、豊臣、などの血統名、徳川のように本人が行った改姓+権威付けもあり、すべてが地名由来というわけではありません。
こういった公家、武家は少数で庶民の場合の苗字の多くは山・川・田・森・池・浜などの地形・村や土地の名前・自然環境に由来していることが多いですが、実際には多種多様です。
日本の苗字は30万種類ほどあると言われていますが、80%以上が地名に由来するものであると言われています。
面白いサイトがあるのでご紹介します。
https://fururen.net/wp-content/uploads/2024/07/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E8%8B%97%E5%AD%97%E9%A0%86%E4%BD%8D%E3%83%BB%E9%9B%A3%E8%8B%97%E5%AD%97%E4%B8%80%E8%A6%A7%E8%A1%A8.pdf
山の入り口に住んでいるから山口、
山の田んぼの近くに住んでいるから山田
山の下に住んでいるから山下、
山の麓に住んでいるから山本、
小さな林に住んでいるから小林、
林の中に住んでいるから林、
森の中に住んでいるから森、
小川が近くにあるから小川
新しく開発した田んぼだから新田、
田んぼの中だから田中、
池の近くの田んぼだから池田
清い水が湧く場所だから清水、
など、およそこういう苗字が多いです。
しかし上記のサイトにあるように職業名、当て字名、信仰名、商業名、神道名、芸名(屋号)、などが多種多様です。
日本最大の貴族ともいうべき藤原氏は日本中にその子孫がおり、藤が付く苗字は極めて多いです(佐藤、伊藤、加藤、斉藤、後藤の5大藤(ごだいとう)を筆頭に、工藤、武藤、近藤、遠藤、藤本、藤田など)。
但し、1875年(明治8年)の平民苗字必称義務令により、平民を含む全国民に苗字の着用が義務化され、その時に有名な藤原を名乗ろうという人もいたでしょうから全員が藤原氏の子孫とは限らないです。
笑い話ですが、役所の人間に「苗字は何にしますか?」と聞かれて「適当でいいよ」と答えたら「適藤」にされたなどというしょうもない話もあります。
明治時代まで庶民は苗字がなかったという話がよくされますが、それは幕府の公的な資料に掲載されず、公的な場で名乗ることが許されなかった(江戸時代は貴族や武士以外は公称禁止)という意味であって、実際には以前から私称していたものを届け出たケースも多く、多くの家のお墓は江戸中期くらいまでさかのぼることが可能で、苗字がある家がほとんどです。
実際に村の記録や寺の過去帳には苗字が残っている例は山のようにあります。
もし自分の家系のお墓などに江戸時代の年号が彫られていたら、それはまさにそういうことです。
基本的に先祖代々使ってきた苗字を平民苗字必称義務令の時にそのまま踏襲したり、苗字がなかった人はお寺の坊主に付けてもらったり、慣例に従って住んでいる場所に基づいて付けたりする人がほとんどだったようですが、「自由に名乗れるなら、カッコいいもの、由緒あるものにしよう」と考えた人も少なからずいたようです。
もしかしたら近衛や鷹司や橘や飛鳥井と無関係なのに名乗った人もいたかもしれないし、いわゆる珍しい苗字はこの手の人の子孫なのかもしれません(でも苗字の由来は本当に色々です)。
〇日本の本姓と苗字の違い。
今日では苗字+名前という表記が一般的なったため、本姓(姓)と苗字の区別はなくなっていったというかそういった概念がすっかり薄れてしまいまいました。
ほかにも氏、姓、本姓などがあり混乱してしまいます。古代の文書などで名乗るときもどのように名乗るかは時と場合によって違いがあり、ますます混乱してしまいます。ちょっと整理してみましょう。
① 氏(うじ) 一番古い概念です。古代大和政権の時代の制度です。
血縁集団の名前で同じ祖先・同じ神を祀るグループ で藤原氏・蘇我氏・葛城氏 「〜の」が付くのが特徴 で藤原の道長、蘇我の入鹿、葛城の 襲津彦です。
つまり「個人の名字」ではなく、一族全体の名前です。氏族が自ら名乗って朝廷が制度化したり、朝廷から与えられたりしました。
② 姓(かばね) 古代大和政権の時代の制度です。
朝廷(天皇)が与える身分・称号で氏に対して付与されるもので地位・役割・序列を示します。
臣(おみ)、連(むらじ)、朝臣(あそん) などで 氏の格付けラベルです。
藤原「朝臣 」(藤原=氏、朝臣=姓) で藤原という氏族の朝臣という地位についているという意味になります。
*これは中世以降形骸化していきます。
③ 本姓(ほんせい)
中世以降(平安末〜鎌倉以降)に重要になる概念で武士たちが自分のルーツとなる元の氏( 源・平・藤原)などを権威づけに使用したものです。
「どの血統に属するか」を示す名前であり制度ではありません。
高貴な出自・血統であるという意思表示で特に武家たちが自分たちが先祖をたどると清和源氏であるみたいなことを表明したくて名乗ったものです。
④ 苗字(みょうじ)
名字 平安末〜鎌倉時代に登場したもので家ごとの名前(家系識別)です。
同じ氏が増えすぎて区別できなくなったため発生しました。例えば藤原の氏(うじ)が増えすぎて区別出来なくなったためです。土地・屋敷・地名など様々なものが由来です。
名字は朝廷からもらったり、土地などに由来して名乗る「看板」みたいなものです。
例えば織田信長のフルネームは
平 朝臣 織田 三郎 信長(たいらの あそん おだ さぶろう のぶなが)です。
平は公式な血統。
朝臣は朝廷内での貴族としてのランク。
織田は地名系の名字。
三郎は通称(あだ名)。
信長は本名。
という具合です。
徳川家康のフルネームは源 朝臣 徳川 次郎三郎 家康。
豊臣秀吉のフルネームは豊臣 朝臣 羽柴 秀吉。
*但しこの時代のフルネームは現代のように明確に制度化されたものとは言いがいので、状況ごとの名乗りの一例といった方がいいかもしれません。
しかしこれにさらに役職名を入れてさらに権威を増し、豊臣 朝臣 太閤 羽柴 秀吉のように名乗ることもあります。
武田信玄のフルネームなら源 朝臣 武田 信濃守 太郎 晴信(信玄は出家後の法名)です。
逆にもっとシンプルに平 朝臣を省略して織田 弾正忠 信長のように役職名を入れて名乗ることもありました。
この時代の武士が色々と並記したのは朝廷のガチガチのルールに従ったからではなく、武士として自分の看板と血筋を権威として周囲に示したかったからです。
この時代の武士や公家の世界では、「氏(本姓)」は天皇から授かった公的なライセンスのようなもので、有象無象のどこの馬の骨かもしれない人間ではなく、俺は尊い血筋で、偉い役職に付いてる立派な人間なんだ!という、ある意味で周囲を威圧するような感じの名乗りが自分の支配を正当化するための有効な手段の1つでした。
「天皇から貰った姓」+「朝廷での身分」+「苗字」+「役職」+「あだ名」+「名前」みたいな感じです。
現代ではもちろん貴族制度や姓制度は廃止されていますが、昔の総理大臣の近衛秀麿なら、ニュアンスとしては藤原 総理大臣 近衞 文麿(氏+役職+苗字+名前)みたいな感じです(こんな名乗りはしていませんし、成立しないけどもニュアンスとして)。
⑤ 姓(せい)=苗字(名字)[現代]
明治以降の制度で姓と苗字(名字)は同じ意味になりました。
法律用語では「氏」 です。これは私たちが慣れ親しんだもので、日常では「姓」「苗字」が混在し、もはや区別がなくなったと言えます。完全に意味が昔とは変化しています。
似たような構造はヨーロッパにもあっておよそ世界共通で血統+家+役職+名前を盛る文化は存在します。
社会のありかたが全く違うし、名前に関する習慣も違うので同じではありえませんが、
日本 → 身分・血統・通称など「社会的属性」中心、ヨーロッパ → 領地・統治権など「政治的属性」中心で名前を長々と盛るのは共通しています。いずれも自分がどういう血筋なのか、どんな身分のなのか、どんな領地を治めているのか、どんな役職なのか、etc…をつらつらと並べることが多いです。
ではクラシックの作曲家の苗字を見てみましょう。
〇中世西洋音楽
・レオニヌス Leoninus
意味:leo(ライオン)のような人
leo = ライオン ・-inus = 属性・所属を表す接尾辞
もし日本名なら:獅子田
・ペロティヌス Perotinus
意味:Petrus(ペテロ=石・岩)に由来する人(=ペテロ系の人/石の人)
Petrus = 石・岩(聖ペテロの名) ・-inus = 属性・所属を表す接尾辞 ※Perot は Petrus のフランス語愛称 → それをラテン語化した形が Perotinus
もし日本名なら:石田
・マショー Machaut
意味: Machault(の出身)の人
フランスのシャンパーニュ地方にある地名「Machault(マショー)」に由来する姓です。
mach / mag: 「野原」「平野」あるいは「力」を意味する古い語根に由来するとされています。
-ault / -aut: 地名によく見られる語尾で、特定の場所や集落を指します。
もし日本名なら: 野原、平田
Guillaume de Machaut の de(英語だと ofやfrom)は、 ~の、~出身の、という意味なので「マショー村出身のギョーム」という意味になります。当時はファミリーネームは今ほど一般的ではなかったので〇〇村の△△という名前はよくありました。
出身の村の名前がそのまま苗字になっている人は日本にも多数います。
必ずしも「村」という文字が入るとは限りませんが、木村、 西村、 北村、 吉村、田村、川村、市村、山村、武村などほか多数あり。ほかにも久米村出身なので久米、宮本村出身なので宮本など多数あり。
村でなくても「渋谷」なら東京都渋谷区、 「足立」なら 東京都足立区、 麻布、神楽坂などほか多数あり、出身の町の名前がそのまま苗字の人はたくさんいます。
〇ルネサンス音楽
・ダンスタブル Dunstable
意味:イングランドの地名(Dunstable出身の人)
Dunstable = 地名(町の名前)
説が複数あり、Dun / Dunna = 人名 または「丘」
stapol / staple = 柱・標識・市場ともいわれています。
もし日本名なら:丘市、岡
・デュファイ Dufay
意味:フランス語「fay(ブナの木・森)」に由来(=森の人)
du = ~の ・fay = 森/ブナ林
もし日本名なら:森田、森脇、しかしfayはブナという特定の樹木なので橅木、橅木沢、山毛欅か?
・バンショワ Binchois
意味:フランスの地名/出身地(Binche)由来
Binche = 地名 ・-ois = 出身・所属
Binche = 丘・高地、またはBinche ← Binchium / Bincz =は集落・居住地、川の曲がる場所などの意味、
「Binche」は、ラテン語の Bincensium(湿地や水辺の居住地)に由来するという説も有力です。
もし日本名なら:溝口、洲崎
・オケゲム Ockeghem
意味:フランドル系地名(「オッケの村/家」)
Ocke(人名) + hem(家・村)
もし日本名なら:樫村、樫家
Ockeは古いドイツ語の ocho(オッホ) に由来?
これは現代英語の oak(オーク) と同語源で、「樫の木」を意味します。
また「オットー(Otto)」の愛称説 ドイツの皇帝の名としても有名な Ott(オット) や Otto(オットー) が変化した形という説があります。
・イザーク Isaac
意味:聖書名「イサク」(神が笑わせた)
Isaac = 人名(ヘブライ語由来)
イザーク Isaac 意味:ヘブライ語で「彼は笑う」「笑うだろう」
Yitzhak(יִצְחָק) = 彼は笑う ・tsaḥaq(צחק) = 笑う
もし日本名なら:喜多、笑田、神喜
・ジョスカン・デ・プレ Josquin des Prez(通称)
本名はJossequin Lebloitte(ジョスカン・ルブロアット)
意味:「プレ(草原)のジョスカン」
des はフランス語の前置詞 「〜の(複数・集合)」という意味
des Prez = 草原の
本名のLebloitte(ルブロアット)は現代のフランスやベルギーではほぼ絶滅してしまった非常に珍しい古い名字で、由来がよくわりません。
フランス語の "Blou"(古い綴りで青、または淡い色)に、指小辞(小さく可愛らしいもの、あるいは特定の人物を指す接尾辞)の "-oitte" が付いたもの?
もし日本名なら:草野、白井、青野
・オブレヒト Obrecht
意味:「高貴な支配/権威」
ob = 上位・高位 ・recht = 正義・支配
もし日本名なら:上正、高政、 貴道
・ラッソ Lasso(Orlando di Lasso)
意味:人名「ローランド」の短縮形
Roland → Lasso(愛称形)
Roland は古いゲルマン語に由来し、hruod / hrod = 名声・栄光 、land = 土地・国。
hruod + land = 名声ある土地/土地に名を広める者
日本の楽器メーカーのRolandはwikiに以下のようにあります。
社名は中世ヨーロッパの叙事詩である『ローランの歌』の主人公ローランからとられている 。
創業者の梯は日本国外への展開を考え、どの国の言葉で発音してもよく聞こえるような2音節からなる響きのよい社名を探し、まず「R」から始まる言葉にすることを決めた。これは創業当時の電子楽器業界ではRから始まる社名があまり使われておらず、イニシャル1文字で社名を書いたときに都合がよいと考えたからであったという。これらの条件にあてはまる単語として最終的に「ローランド」が選ばれた。
もし日本名なら:栄地、名里、名国
・パレストリーナ Palestrina
意味:イタリアの地名(出身地)
Palestrina = 地名
古代ローマの都市 Praeneste(プラエネステ) が変化した名前で
その元々の意味は諸説あり、高地の町、山の前の町、樫の木の多い土地などです。
もし日本名なら:山本、高町、山前、樫原
・バード Byrd
意味:古英語 bird = 鳥
Byrdはそのスペル違いで、歌がうまい人(鳥のように歌う)、顔が鳥っぽい人(鼻など)、鳥を捕まえる人・鳥を売る人など鳥関係の苗字です。
もし日本名なら:鳥山、鳥飼、小鳥、 鳥越、 白鳥
・ジェズアルド Gesualdo
意味:イタリアの地名(家名・領地名)
Gesualdo = 地名・貴族名
Gesualdo はゲルマン語起源でgisil / gis = 人質・誓約・高貴な子 、wald = 支配・力・統治なので「誓約による支配」「高貴な血統の支配者」という意味。
もし日本名なら:御統 貴政、貴治
・モンテヴェルディ Monteverdi
意味:「緑の山」
monte = 山 ・verdi = 緑
もし日本名なら:緑山
〇バロック音楽
・スカルラッティ Scarlatti
意味:イタリア語「scarletto(緋色・赤)」に由来する
scarlatto = 緋色・赤色 、-i = 複数/家系
もし日本名なら:赤木、赤井、緋田、緋村
・ヴィヴァルディ Vivaldi
意味:人名「Vivaldo」に由来(生命・活力に関係)
vivus(ラテン語)= 生きている ・-ald(ゲルマン語)= 力・支配
もし日本名なら:生田
・ペルゴレージ Pergolesi
意味:地名 Pergola(ペルゴラ)の出身者
Pergola = イタリアの地名(※語源:棚・ぶどう棚)
もし日本名なら:棚田、棚橋
・ラモー Rameau
意味:フランス語「rameau(枝・小枝)」
rameau = 木の枝
もし日本名なら:小枝、三枝
・テレマン Telemann
意味:ドイツ語系で「遠い人・遠方の人」
fern(遠い)系語源とされる説が有力
もし日本名なら:遠山、遠藤、遠田
・ヘンデル Händel(Handel)
意味:ドイツ語「商人・交易」
Handel = 商売・取引
もし日本名なら:商田
・バッハ Bach
意味:ドイツ語「小川・水流」
Bach = 小川・せせらぎ
もし日本名なら:小川、川田、瀬川
*Bachは小川ではなく「おひねり(チップ)」が語源という説もあるようですが、これは音楽家の社会的役割から生まれた後世的な連想で、語源的には小川だそうです。
〇古典派音楽
・ハイドン Haydn
意味:ドイツ語「Heiden(荒野」に由来
語源的には「村の外の未開地に住む人」を指します。
Heiden = 荒野に住む人/異教徒
もし日本名なら:野原、荒原、荒野
・モーツァルト Mozart
複数の説があります。
南ドイツ・バイエルン地方の古い言葉の motzen(泥の中で転がる、汚す) に、人を表す接尾辞 -hart がついた形(Mozhart)が由来とされています。
意味: 「泥んこの人」「身なりがだらしない人」「不潔な人」といったあまり名誉ではないあだ名が名字になったものです (たしかに彼の性格を象徴する苗字ではある)
もし日本名なら:泥田、泥沢、濁川
*あだ名由来の姓は、日本にはほぼ存在しない。ちょっと悪口気味なアダ名が苗字になっている例です。
もう1つは
意味:中世ドイツ語 Motzhardt に由来(性格・特徴)
Motz = 泥・ぬかるみ/小さなもの ・-hardt = 強い・頑丈
もし日本名なら:泥強
・ベートーヴェン Beethoven(van Beethoven)
意味:「ビートの畑の人、大根農家出身」
Beet は食用ビート(甜菜)だけでなく、広く「野菜の苗床」を指すこともあります。
van = ~の出身 ・beet = ビート(甜菜) ・hoven = 農場・農家
もし日本名なら:大根田、苗田、
ちなみにベートーヴェンは完全に苗字は大根農家という100%祖先が農民以外ありえない苗字ですが、彼の父は(ヨハン)は宮廷のテノール歌手、祖父(ルートヴィヒ)はケルン選帝侯の宮廷楽長を務めた立派な音楽家でした。
曽祖父(ミシェル・ヴァン・ベートーヴェン)はパン職人として修業を積み、ベルギーのメヘレンで活動し、パン屋のほか、家具や絵画などのアンティーク売買、不動産といった副業にも手を出していましたが、最終的には商売に失敗して大きな負債を抱えています。
高祖父のコルネイユ・ヴァン・ベートーヴェンにはメヘレンで結婚した記録が残っています。この頃のヴァン・ベートーヴェン家は教会の記録に残るような中産階級の市民だったようです。
16世紀の先祖にアールト・ヴァン・ベートーヴェンがいます。
1535年〜1609年頃に生きたとされるアールト(Aert)は現在の研究で確認できる最も古い作曲家ベートヴェンの先祖の一人です。
この時代やそれ以前の先祖の代は苗字の由来となった大根農家であったのではないか?と言われています(これ以上は研究されていません)。
次回はロマン派です。
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