ランキング戦の判定は練習 


大会の審判と違ってランキング戦の判定は練習だと思って下さい。審判をした事が無い人や経験が浅い人が判定するのはわかりきってる事です。周りの反応を気にする必要はありませんので安心して下さい。


初心者用・判定方法の一例

❶最初は試合全体を通して「納得した」と思えた人を決めて下さい。

❷慣れてきたらどの言葉に納得したのかを探してみて下さい。

❸納得した言葉を見つけたら その後相手の主張にそれより勝る言葉がなかったかを確認して下さい。

❹次に納得した理由を説明できるようにして下さい。


この判定方法は正解でも不正解でもありません。そもそも判定マニュアルというのが存在しないので1つの方法として提案されたものだと捉えて下さい。


最初は❶だけでも❶❷だけでもかまいません、判定理由は書いても書かなくてもいいです。判定の基準は個人の中にあります。次の①〜④に当てはまらなければ自分なりの理由で判定してもらって構いません。


別の記事に判定基準のようなものも書いていますが、それも正解ではなくわからない人のための判定の傾向程度のものです。


  判定でNGになるもの


①個人的すぎる価値観

例えば死刑制度で「自分は死刑反対だから反対派の勝ち」と言った試合に出た主張を無視した判定。


②◯◯さんが嫌いだから勝たせない

個人に対する好き/嫌いの判定はNGです。


③読み落としや途中までしか読まない場合

試合内容は全て目を通して下さい。テキトーに読んで判定するのはNGです。


④試合中、論者が指摘してない部分で減点する行為

自分の中では指摘したくなる事を言っていても、論者がそれを指摘してなかったらマイナスにはしないで下さい。ただ、それで納得しにくくなってしまうのは弁論術としては仕方ないので心に従って下さい。


以上のような主張を無視した判定は不正とみなします。一応参考までにこの記事の最後に各ジャンルの判定基準にされやすい傾向を書いておきます。


判定に対して見下す言動を禁止 


判定基準は人それぞれ色々ありすが、大前提は「説得力の評価」と「納得」というのがオアシスの趣旨に沿ったものです。どんな主張に納得するかは人それぞれなので正解はありません。そういうオアシスの趣旨が理解できず、他人の納得に対して自分の基準で見下す人がたまにいます。最近それが目立ってきたので他人の判定に対して見下す言動を禁止する事にしました。見かけたら注意しますが繰り返す場合はオアシスを出禁にします。



判定に対する反応が怖い人へ 


論争界隈(喧嘩界隈とも言われてる)ではたまに判定に対して馬鹿にしたり問い詰めたりする人がいますが、上記にある①〜④にならないようにして自分なりの理由があれば大丈夫です。


理由を聞かれた場合は説明していただく事がありますが、論者の基準で判定を批判してくる場合は「そういう基準もあるんだね」と参考にする程度で大丈夫です。判定は論者の基準に沿ってするものではなく、判定する人の基準でするものなので批判や意見に影響されて判定を変えたりしないで下さい。


とはいえ、オアシスの人は改善点を見つけるために理由を聞く人がほとんどですのであまり心配しないで下さい。


  ​論者と判定人の立場


論者は判定人(第三者)を説得する立場なので、それが出来ずに判定に文句言うのはお門違いです。どんな人が判定するのかを想像し、視野を広くして説得に挑むのが論者の役割です。ランキング戦で判定する人の中には論争も審判も経験が浅い人がいます。そういう人にもわかりやすく説得力のある弁論術を見せれば納得されやすいはずです。その技術が足りなかった結果を判定のせいにする人は また同じように負けると思います。


オアシスのランキング戦は自分や経験豊富な人にしか通用しない言葉選びや立ち回りをしても勝てるシステムではありません。判定人に小学生や中学生がいても判定する人に合わせた言葉選びが出来る人が勝てるシステムです。(勿論、論争に慣れた人が判定する事も想定した論理展開も含みます。)


判定する人を心の中で馬鹿にするのは自由ですが、百歩譲って仮に論者目線は馬鹿だとしても、その馬鹿から票を勝ち取った人は馬鹿の説得に成功しているのです。それも実力の差だと思って受け入れて下さい。(馬鹿ではありませんが…)


極端な話、この記事を読んでる方は思考力が未熟な幼稚園児を説得する事も可能なはずです。判定する人の思考力の幅を狭めて論理的思考力の高い人(自分の中の)だけを求めなくても実力があれば問題ない事だと理解できると思います。


他の部屋や別のSNSではわかりませんが、オアシスではどこでも(誰にでも)通用する論者を評価するシステムになっていますので「ここはそういう場所だ」とご理解下さい。


各SNS、部屋(オプチャ)、個人によって価値観や判定基準は違いますが、どれも正解や不正解は無いと考えています。不正をしない誠実な判定ならOKと受け入れていただきたいです。


宜しくお願い致します。


各ジャンルのポイントや判定傾向


  政策論題★★

各議題の政策や制度の変革を可決するか否かをディベートします。ポイントは、自分の立場の理由やメリット・デメリット、政策の重要性を議論します。相手が主張する理論を崩したり(矛盾の指摘など)、メリットが上回っていたりすれば優勢になりやすいです。また、政策論題ではデータの提示なども効果的です。


【判定傾向】

政策論題の場合は論理性が重視される事が多いです。主にメリット/デメリットの比較をしますが、相手のデメリットを指摘したからといって必ずしも優勢になれるわけではなく、審判目線で相手を上回るメリットがなければ劣勢になる事もあります。また、反論や指摘の効力によっては加点されません。審判は政策を可決するか否かを決定する立場だと思って判定しますので審判を説得するつもりで挑んで下さい。


  推定論題★★★

ある物事や説の是非や真偽を論じ合います。推定なので立場を証明する必要はありませんが、推論を立てて可能性の高さをアピールします。具体的には世の中で起きた事実を根拠に立場の信憑性を主張します。帰納法だと思って下さい。(帰納法についてはオアシスのノートに書いてあります。)推定論題で優勢になりやすいのは事実の主張の多さもありますが、相手が提示した事実や立場の矛盾を根拠も提示しつつ指摘すると第三者を味方につけやすいです。


【具体例】

推定は刑事事件の裁判でよく行われていますのでそれで説明します。(別の記事にもあります。)


「A被告人は殺人の真犯人か否か」


検察官の根拠

①A被告人の自宅から被害者の血が付着した服が見つかりました。

②犯行時刻の防犯カメラにそれらしい人物が映っていた。

③2人がよく口論をしているのを目撃されている


弁護士

①Aさんは犯行時刻に地方に出張していました。時間的に犯行は不可能です。

②出張先のホテル従業員(3人)に確認しましたが、犯行時刻はホテルのバーにずっと居たそうです。


ここで弁護士は検察官の「真犯人である」という主張(とくに犯行時刻)に矛盾がある事実を提示しました。いくらそれらしい事実があっても主張を上回る事実があれば弁護士が勝てます。


実際は検察官が出張を見逃すなんて事はあり得ませんが、説明なのでわかりやすくしました。


ですが、無理矢理矛盾を見つける必要はありません。無理に崩さなくても相手より説得力のある事実を提示しつつ信憑性のある言葉で説明すれば審判を納得させられる事も可能です。



【判定傾向】

審判は2人の主張を見てより真に近いと判断したほうに票を入れます。論理性や矛盾の指摘、説得のスキルなどがポイントになりやすいかと思います。


  価値論題★★★★★

ディベートの中では1番難しいと言われています。個人的な価値観は外して、それぞれの価値観を比較して価値の高低や善悪、メリット/デメリットを討論します。価値論題に関しては理屈だけを淡々と述べても第三者には価値が伝わってきません。論理性も大事ですが、理屈を言えば相手が主張する価値を下げられるわけではありません。論理性だけで優勢になるのは難しいと思って下さい。


例えば「犬と猫、飼うならどっち?」というテーマがあったとします。


猫派「犬は散歩に連れていかないといけません、自分の時間が削られてしまいます。」


と言っても、散歩自体がデメリットになるとは限りません。ペットとの散歩を楽しむ人にとっては何の効力も無い指摘です。なのでそこに反論が無くても審判目線では加点も減点もせず他の部分で判定される可能性があります。論者は第三者の価値観を揺さぶるつもりで説得して下さい。


【判定傾向】

審判は2人の主張を見て価値の高低や善悪、メリット/デメリットなどの主張を見比べてより評価できる(価値がある)と思えたほうに票を入れます。審判は自分の価値観は外して下さい。ここで言う「外す価値観」とは、上記の例で言うと「元々猫派だから猫派の勝ち」といった主張を無視した価値観です。犬の散歩のように細かい部分はデメリットと思わなければ加点しなくてもいいです。そこは価値観を外す必要はありません。


  ​哲学論題★★★★★


ディベートでもフリーでも使用していただいてかまいません。哲学論題に関しては特別なルールを設けていますのでオアシスのノートを確認して下さい。

ディベートは政策論題・推定論題・価値論題の3つがよく扱われますが、哲学論題を入れれば個人的には価値論題よりも難しいと思っています。


哲学論題は物事の本質を自分なりに自由に思考し、その思想を第三者(審判)に伝えて共感を得るのが目的だと思って下さい。


例えば「死とは何か」を考えた時に辞書に載ってる意味や一般常識で主張するのではなく、先入観に囚われず死の本質について自分なりの考え方を展開していきます。具体的な物に喩えて共通点を説明したり、「死とはこういう性質ではないか」という説明をするだけでもOKです。前提も説明の仕方も個人の自由です。


【判定傾向】

哲学論題の判定は主に共感・納得です。論理的に説明すると納得されやすいのですが、現実では考えられない思想も出てくるので論理ばかり重視すると判定が難しくなるので判定する側も常識に囚われず感覚で見たほうがいいかもしれません。



★=ディベートとしての難易度


ディベートで審判たちに共通しやすい判定基準

主にメリット/デメリットを比較した時の高低・価値高低・善悪の高低・反論・反駁の効力・説明力など、さらに細かく言うと表現力や発想力などを見る審判もいます。他ではわかりませんが、オアシスではこれらを「説得力」と総称します。


第三者(審判)が見た時にどれだけ説得力があったかで勝敗が決まると思って下さい。


審判たちはそれぞれの観点で見るので、重視する部分は微妙に違うかもしれませんが、上記の説得力があれば審判が誰であろうと、より多くの票を得られるはずです。


フリーについて 


フリーは何が争点になるのかわからないので具体的には書けませんが、大前提として審判を説得するものだと思って下さい。


自分が重要だと思っている主張があっても第三者目線では別の部分を重視する事があります。重視してほしい部分は試合中に自分でしっかりアピールして下さい。


ディベートもフリーも説得する技術(説得力)を競うゲームだと思って下さい。


以上です。

わからない部分や意見がありましたら慈恩に質問して下さい。意見を聞いて納得した改善点が見つかれば編集致します。


主催者は基本的に他者の意見を聞いて改善できると思えばすぐに取り入れるスタンスです。遠慮なくご意見ください。