私が会社を辞めた日に、同じ年齢の奴は逝ってしまった。

 

癌で長い間闘病生活していたんだけど、それでも飲みに行こう言われて何回か飲みに行ってビートルズのyesterdayの出だしは7小節だとか、いや、これは7小節だが7小節ではない!とか、くだらない話を真面目に討論したっけ。

 

病院から「もう帰れませんよ」と言われたと聞いて病院行って会うことができた。

 

昨日できた事が今日できないとか弱音を吐いていたけど、あまり弱いとこを見せたくない性格も知っていた。「もう会社の人、来るなって言おうかな・・・」って言った直後に

「でも佐藤さんと最後に会えて良かった、佐藤さんみたくサラリーマンやりながら別なことを真剣にやってる人って大好きだった」と最後に今にも折れそうな細い腕で握手を求めてきた。

 

「また来るよ、弱音履かないで・・」と言うのが精一杯だったけど、それから数日後に彼は逝ってしまった。彼は私が認めた最高のプログラマーだったので一緒にシステム作りたかったなぁって、いつも俺は彼に言っていたんだ。

 

彼の葬式の日、家の前の桜が満開になったよ。