私の事を、羨ましい

と言っていた、高校の頃の友人。


当時は、一番の友達だった。


でも、私が別の友達と話をするだけで、

烈火の如く怒る様な子だった。


とても独占欲が強く、

私の事を何でも知りたがった。


そして、何故か彼女は、私自身になりたがっていた。


当時の私は、そこそこ告白される事は有ったとは言え、

モテモテドキドキと言う程でもなく。


趣味は勉強?みたいな女の子だった。


当時の父は、

相変わらず、女の人の噂が途切れず、

ギャンブル癖も治まらずにいた。


家にお金も入れず、母の働きで生活をしていた。


その頃は、そんな事を他人に話す事が

とても恥ずかしい年頃だったから、

誰にも打ち明けずにいた。


大人になって、その頃の私の事情を

友人たち話した時、皆が、

「全然分からなかったよあせる

と、言った。


実際私自身、

自分の人生は、自分に与えられたものだから。

と言う考えの元、大人になって来た。


親を憎んで、生い立ちを恨んで、

他人を羨んでも、何一つ自分の為にはならないと、

子供の頃から思っていた。


これまで生きて来た時間の中でも、

本当に心が壊れてしまう程の経験を、沢山して来た。


普通なら、決して経験しない様な事も・・・。


泣かなかった訳じゃない。

苦しくなかったなんて、言えない。


生きる事を放棄したいと思った事も、何度も有った。


でも、その都度思い直して来た。


だって、誰の為でもない、自分の人生なんだから。

自分が楽しまなきゃ、勿体ない。


お金も、安定した場所も、

安らかな時間も、恵まれずにたけど。


何より、

強い心と、運命を切り開く知恵を

授けられた事に、私は感謝した。


だから私は、誰とも自分を比べない。


誰も私にはなれないし、

私は私以外にはなれないんだから。


私になりたがった友は、

本当の私の生き様を知らない。


その彼女が、昨日、

また心を閉ざして、隔離病棟に入院したと、

別の友達から連絡が有った。


友の心は、いつ青空になるのだろう?


私なんかにならなくても、

ずっとずっと恵まれた環境にいた人なのに・・・・。