中島 未月 さん著
猫みたく、
にゃあと啼ければ
いいのにね。
にんげんだって
たんじゅんに。
野良猫は媚びない感じが素敵だし、
飼い猫は甘え上手なところがいいな、と思う。
猫は自分らしさや、他人とのかかわりかたという意味で、
生きるのがとても上手そうに見えます。
私たちの心の中には、いつも正反対の自分がいます。
誰かに甘えずに頑張りたいと思う強がりに自分。
ほんとうはもろくて、いつも誰と寄り添っていたいと思う自分。
ふたつの心がぶつかりながら、混ざり合いながら、
その人なりの「生きかた｣のスタイルになってゆくのですが。
どちらも同じように大切で、必要なものです。
だから。意地を張ったりしない・・・さびしいときは、
そばにいる人に素直に甘えること。
ひとりの自分にちゃんと向き合う・・・自分の道をゆるぎなく、
すくっと進むこと。
甘えたいときの「にゃあ」も、ひとりで大丈夫の「にゃあ」も。
猫の生きかたはいつも、小気味よいほど「きっぱり」としています。
媚びることなく、甘え上手に生きる
飼い猫の様に生きたいと願うけど、
私はきっと甘えベタ。
街角で震えている、のら猫かも知れない。
差し伸ばされた暖かい手に、触れる事が恐い。
手を取った途端、裏切られやしないか・・・。
それならずっと独りの方が傷付かない。
本当はその独りが、淋しい癖に。
愛されたいなら、愛さなきゃね。
試しに今度、彼の膝で
「にゃあ」と啼いてみようかな？