先日、少しギクシャクした間柄だった、彼とわたし・・・。


お互いの経験から、

そう言う時は、言い争う事を避ける為に、

電話を止めて、メールも少し減らす。


そして時間と共に、冷静になれた時、

何も無かったかの様に、元の2人に戻る。


昔の私たちなら、思いをそのままぶつけ合い、

相手を傷付け、それ以上に自分自身をも傷付けていた。


言い合いになると、

思ってもいない事まで、口にしてしまう。


自分でも、分かっているのに、止められない。


そうして、最後には、


『やっぱり私たち(俺たち)は、

合わないんだね。根本的に違いすぎるんだね。』


と、どちらかが言い、

言われた方は、反論する。


毎回、同じ繰り返しをして、

学習能力の無かった私たちも、


2005年、

本当の別れを経験してから、変わった。


本当に縁を切ってしまうと言う事の、辛さ。


想い出を全て、消し去る事の哀しみを、知ったから。


それでもお互い、出来の悪い人間だから、

つまらない喧嘩をする事は有る。


先日、お互いが本当に忙しくて、

ちゃんと向き合えない日々が続いた時、


久し振りに口にした言葉・・・・。


「ヨウなんか、嫌い。」

「俺も、お前なんか、嫌いや。」


同じ時に同じ様に、相手に発した言葉で、

自分自身が、傷付いた。


なのに、何故か、

受話器を通して、一緒に笑い合った。


「なんて、嘘やで。」


ヨウは、言った。


その時私は、思い出した。


私は、好きじゃない人に、『キライ』なんて、言わない。


どの小説だったのか、覚えてはいないけど、

とてもインパクトのある文章だった。


そうなんだ。


好きだからこそ、『キライ』って、

言えるんだって、その時心から思った。