昨日はお通夜が有って、夜の電話は無し・・・。


メールは何度もやり取りしたけど、

何となく不完全燃焼な感じのまま、ヨウは眠った。


逢った後、いつも陥るブラックホールに片足を取られたまま、

淋しい気持ちを抱いて、私も眠った。


夜中、

淋しいよ。と、メールを送った。


勿論ヨウは眠ってるので、返事は来ない。


お通夜に出た事で、人の死に触れ、

気持ちが落ち込んでいるのだと、分かっていた。


つい5日前、お見舞いに出掛け、話をした。

その時の、その方の嬉しそうな顔が、脳裏から離れない。


病名は肺癌。まだ73歳だった。


若い時からタバコを吸われてて、

かなりのヘビースモーカーだったと聞いた。


ヨウも、毎日かなりの本数を吸う。


そんな事が重なって、

ヨウがいなくなる事を考えてしまって、一層淋しさを増した夜だった。


その上、夜中の天気予報で、

ヨウの方面の雨の強さを知って、不安に拍車が掛かった。


ヨウからのメールは、朝まで来ない事が分かってたから、

何とか眠る努力をしようと思った。


目を瞑って、楽しい事を考え様とした時、メールが届いた。

ヨウからだった。


愛する弥生へドキドキ

の表題で始まっているメールを開いた。



愛する弥生へドキドキ


眠れないの?

電話で子守唄歌おうか?


短いメールだった。


返事を打ち返していると、着歌が響いた。


もしもし・・・。ではなく、

愛してるよ。と、いきなり優しい言葉が耳に届いた。


お通夜の話、タバコの話をして、

今日も朝早いヨウを思って、私は早々に電話を終えようとした。


「淋しいとメールして、起してごめん。」

と、言う私に、



「逢った後、また直ぐに逢いたくなるのは、俺も一緒。

淋しいのも、一緒やで。

弥生の為に長生きするから、ずっと愛しててね。」

と、ヨウが続けた。


離れてても、ちゃんと思い遣れる私たちでいれば、

淋しい気持ちも乗り越えられる。


愛し合うって、こう言う事を言うんだね。