好子ちゃんとの出会いは、もう3年以上前の事。


私たちが良く行っていた、小さな居酒屋風ビストロ店で、

彼女は働いていた。


旦那さんと年が一緒だった事も有り、直ぐに仲良くなった。

(どちらかと言うと、旦那さんの方が・・・・。)


彼女は、×いち、子供有り。

でも、子供はもう働いていて、手の掛かる年齢では無かった。


旦那さんは、気に入ったお店が出来ると、頻繁に通う。

飽きるよ?と、お店の人に言われる位、通い詰める。

そして、突然パタっと、行かなくなる。


その理由は、大概がそのお店の女の子に手を付けるか、

言い寄って振られるかのどちらか・・・・。


結局そのお店を、彼女は辞め、客とお店の人との付き合いが、

いつの間にか、完璧プライベートでの付き合いに変わった。


最初は旦那さんに、パソコンを教えて欲しいと彼女が言い、

我家に来たのがきっかけ。


でも、旦那さんでは教え切れない事が有り、

結局は私が教える事になった。


そのうち、義母とも仲良くなり、温泉好きな3人は、

毎週の様にスーパー温泉に行く付き合いになった。


晩ご飯も一緒に食べる事が、週の半分以上はあった。

(今は、違いますが。)


彼女は、新しい仕事を探し、今はお昼の仕事をしているので、

平日会う回数は減ったが、それでも、温泉にはしょっちゅう行ってるし、

3人で、バスツアーにも出掛けたりする。


義母の誕生日、旦那さんの誕生日、私の誕生日、バレンタイン、クリスマス、

母の日、殆どの記念日には一緒にいる。


ここ2年は、大晦日に我家に来て、年越しそばを一緒に食べ、

私を除く3人で、近くの神社に初詣に出掛ける。

(私は、年越しライブとか、TVを観ていたいので、行かない。)


そして、また3人で戻って来て彼女は泊まり、一緒にお正月の朝を迎える。


食事を食べる時は、旦那さんの隣に座る。
(私は、向い側なので・・・。)


本当に、家族ぐるみの付き合いだと思う。


私が、友人宅に泊まりに出ている日は、

その日数分、泊まるらしい。


私が、最初に?っと思ったのは、

彼女が仕事を辞め、次の仕事を探す間の事。


「焦って仕事探さんでも、ご飯くらいやったら、

毎日家に食べに来たら良いねん。

ゆっくり、良い仕事探しや。」


と、食事中に突然、旦那さんが言った。


そして義母が、

「そうやで。無理して変なとこに勤めたら、また辞めんとあかんし。

オーちゃんの言う通りやで。」


と、付け加えた。


私は、言葉が出なかった。

勿論、彼女が食べさせて・・・と、来たら、断りはしない。


でも、何で貴方たちがそれを言うの?と、思った。

(我ながら、根性狭いね・・・。)


義母には、1銭の稼ぎも無い。年金もない。収入は全く無い。

なのに、何故そんな事を言えるの?と、思った。


勿論、彼女は、旦那さんが我家の柱だと思っているだろうから、

その言葉をそのまま取ったのだろう。


「有難う。もしもの時は、甘えさせて貰うね。」と、言った。


運よく、直ぐに仕事が見付かったので、

旦那さんたちの言う通りにはならなかったが・・・・。


私の親友の真由にも、好子ちゃんを会わせた事が有る。


それから暫くして、私が、旦那さんと、好子ちゃんの話をした時、


「好子ちゃんって、オーちゃんの事、好きなん違うかな?

前に3人で飲んだ時、彼女が、弥生を見る感じが何か、変やったもん。」


と、真由が言った。


そう言えば、旦那さんを抜きで誘う時、断ってくる事が多いと、気付いた。

(それからは、私が誘う事は無くなった。)


浅く付き合っていた頃、気遣いの出来る人だと思っていたし、

彼女も、私たちは、他人に対しての気の使い方がよく似ている、と言っていた。


でも、深く付き合う内、私たちは全く違う!と、思う事の方が多くなった。


彼女は、突如として、機嫌が悪くなる事が有る。


さっきまで、笑って話していたのに、急に黙り込む。


私、何か悪い事言った?と、思う事が多かった。


突然、4人で食事中に、旦那さんと喧嘩をした事がある。


(好子ちゃんと、旦那さんが・・・。)


普通、奥さんの前で、人の旦那さんと喧嘩なんか出来るだろうか?

昔からの付き合いとか、旦那さんの方の友人と言うならまだしも・・・・。


彼女は泣いて、私に重い気分だけを残し、帰った。