2000年9月4日。
出逢ってから迎える、初めての彼の誕生日。
2ヶ月だけ年の差が1つ縮まる、始まりの日。
12時の時報と共に、おめでとうメールを送った。
大好きな大好きな洋へ
お誕生日おめでとう
少しの間だけ、年の差縮まるね
ヨウが産まれた時、私はもう小学生だったんだよ。
赤ちゃんだった頃のヨウに、会いたかった気もするな
今、ヨウがどんなにお母さん、お父さんの事憎んでいても、
今日だけは、感謝して欲しいの。
だって、お母さんとお父さんがいてくれたから、
ヨウは、この世に命を繋げられたんだよ。
それだけは忘れちゃ駄目だよ。
愛する洋
私の為に、生まれて来てくれて有難う。
これからはずっと一緒に生きて行こうね^^
空を越えて、ヨウに逢いに行きたい 弥生より
9月4日は、ヨウの好きなお寿司屋さんを予約して、
その後はいつものコース・・・・。
夜中まで、HOTELで抱き合ったまま話をした。
その頃は、本当に好き過ぎて、会う度動悸が激しくなるのが分かった。
正直私は、え○ちが余り好きではなく、イクと言う感覚も知らずにいた。
別にそれで良いと、ヨウに出逢うまでは思っていた。
でも、本当に好きな人と体を重ねると言う事の大切さを、
ヨウに教えて貰った。
心を解放する事によって、体がもっと高みを目指す事を知った。
1日、いやその内の何時間かの間に、何度も何度もひとつになる。
それでも、足りないと体を欲しがる思い。
私の中から、ヨウがいなくなるのが嫌で、
ヨウを受け入れたまま浅い眠りに落ちる。
男と女は、抱き合う為に生きてるんだと、ヨウは言った。
2人で、もっと色んな悦びを知ろうね・・・と。
その言葉に導かれ、私は本当の女の悦びを知った。
広いベッドの海に抱かれ、ヨウの背中に溺れて行く・・・・。
足の届かない深い海は、とても静かでいて、突然の波が私を惑わせる。
潮の匂いがしたのは、海水ではなく、ヨウの汗だった。
とっくに閉められた筈の夏の海は、9月になっても私を放さなかった。
溺れるのが怖くて、漕ぎ出せずにいたのが嘘の様に、
私は、もうひとりでも十分に快楽の海を泳げていた。
大丈夫だから、ゆっくりここまでおいで・・・・と、ヨウが手招きをする。
私は目を閉じ、さらに研ぎ澄まされた感覚を求めて、
ヨウの背中に息を落とした。