連日車で眠ると言うヨウ。

前に、慣れっこだとは聞いていた。

家に奥さんがいる頃、帰っても喧嘩になるので、

現場近くで車中泊の方がお金も掛からないと、笑っていた。


でも、今日は?なぜこのままこっちにいるのだろう?

もしかして、また私たちの姿を確認するつもりなのだろうか?

そんな事して、何になるの?

傷つくだけじゃないの?


私は本当にどうメールを打てば良いのか、分からなくなっていった。


コンペは前から決まっていたから。

そう、由美のお葬式のもっと前からの事だから、

ヨウに出会うもっと前からなんだよ。


と、打ってみたがこんな言い訳が何になるのか。。。と、消した。


2次会の席をあまり長く離れられない。

それでなくても、お昼の私の様子から、具合でも悪い?

と、誰かが心配して見に来るかも知れない。


私はまたメールを送れないまま、席に戻った。


暫くすると、大阪市内の友人から電話が入った。

『今週土曜日、飲み会だよ』と・・・・。

暫くその席で話をして、

「長くなりそうだからちょっと席外すね。皆に迷惑だし・・・」

と隣の席の友人に断り、話を続けながら、外にでた。


直ぐに話を終え、私はヨウに電話を架けた。


数回の呼び出し音の後、

「もしもし・・・。」と少し眠そうな声のヨウが出た。


「弥生からいきなり電話って珍しいね。

メールでは言えない事?俺、聞いても大丈夫な事?」

ヨウは凄く落ち込んでいた。


私は、メールを長く打ってる時間が無いからと、

いきなり電話した事を先に伝えた。


いつもは高所での仕事が多いからと、確認してからしか電話を架けなかった。

でも本当はそれだけでは無かった。


もし私がいきなり電話した時に、奥さんが帰って来ていたら・・・・。

もし、私からの電話にヨウが出なかったら・・・・。

色々詮索して傷つく事が分かっているからだった。


見てもいない事を想像するだけで、胸が焼ける思いなのに、

ヨウは私と旦那さんのツーショットを見たのだ。

心が沈まない方が可笑しいだろう。


でも、お互い家庭があることを前提での、恋人なのではないか?

長く続ける為のルールを、

本当はちゃんと決めなければならないのかも知れない。


こんなに短期間にお互いを愛し過ぎたから、大切な物がなんなのか、

分からなくなっているだけなのだとも思った。


けれども今、そんな言葉をヨウに伝えられ無い。

『愛してるのは貴方だけど、家庭もあるんだよ。お互いに・・・・』

とは、到底言える筈は無かった。


私はただ一言、

「ヨウ今何処にいるの?」とだけ聞いていた。