淡路島に向かうフェリーの車中には、旦那さん・父・義母と、私の4人が乗っていた。


さすがに携帯を頻繁にチェックするのは難しく、私がやっと携帯を見られたのは、お墓に供えるお花を買いに寄った、ショピングモールのお手洗いだった。


メールは3つ届いていた。


気を付けて行ってらっしゃい(^-^)/


もう、海の上かな?


電波悪いのかな?帰りの時間が分かったら教えて欲しいんだ。


と、ヨウには珍しく短文のメールだった。


ゆっくり返信するだけの時間は無く、


今からお墓に向かうから、また後でメールするねドキドキ


                           弥生


とだけ送信し、お花売り場に向かった。


淡路島の山側にある母のお墓に1時間程いた後、私たちは早めのお昼を取りに行く事にした。

その頃の淡路島の電波状況は本当に悪かった。


街中に下りて、ようやくアンテナが1本振るか振らないか・・・だったと思う。


私は注文した食事が揃う前にお手洗いに立ち、そこで再度メールを確認したが、届いていなかった。


帰りは多分4時位だと思うんだ。

と、短くメールを送り、席に戻った。


何となく愛想の無いメールしか送れなかった事を気にはしたが、それ以上の時間を掛ける事が出来なかった。


食事を済ませ、淡路島の親戚の家に寄ったのは、1時少し前だった。

お墓参りの時はいつもその親戚の家で一服させて貰い、帰路に着く。


大体いつも1時間程の滞在なので、この調子なら家に着くのは、ヨウに時間を言った4時位だな・・・。

と思っていたが、その日は他の親戚も集まる事になり、父と、旦那さんは勧められるままお酒を飲んでいた。


結局、フェリーに乗れたのは6時を回った頃だった。


親戚の家を出る前にメールチェックをした時、


ちょっと、話したい事があるんだ。

出来れば声で伝えたい。

電話出来る状態になったら、電話くれるかな?

                          洋

3時頃に届いたメールだった。

乗り場に向かう車の中ではメールを送る事が出来なかった。

乗ってしまうと全くの圏外で、結局大阪に戻るまで、私はメールを送れずにいた。


フェリーを降りる頃には7時半を過ぎていた。

車を走らせ、家に着くのは8時半頃になるだろう。


ヨウに伝えた帰宅時間を4時間以上も過ぎる事になってしまう。


でも、どうして今日は予定を聞いてきたのだろう?

それも家に戻れる時間まで。

話したい事って何なんだろう・・・。


思いを巡らせたが、見当は付かない。


やっと家に着き、私は


遅くなっちゃった。

ごめんね。

今、お家に戻ったよラブラブ

ずっと、電波が悪くてメール出来なかったの(>_<)

ホントにごめんなさいm(u_u)m


後、30分もすれば電話出来ると思うんだ。

待ってて下さいね m(_ _ )m           弥生


と、送信すると、  


有難う。

何時でも待ってる。

長くなるかも知れないから、

用事全部片付けてからでOKだよ。

                     洋


と、すぐ返信メールが届いた。



私は、とても気になりながら、独りになれる時間まで、電話を架けることが出来なかった。


いつも友人に電話をする時は周りを気にしないのに、何故かヨウとの電話は旦那さんにも、義母にも聞かれたくないと思った。