子育てを考えるある「事件」 | ★ Think Pink ★でいこう!!

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ニュースUP:「しつけ」で娘死なせた母の手紙 「声聞きたい」にじむ愛=岡山支局・五十嵐朋子 毎日.JP

うちの娘と同じ名前なので、とてもよく覚えている事件。
可愛さあまって・・・という言葉があるけど、
ほんとうにそうなんだろうなと思う。

少しひととは違った特質を持って生まれてきた子どもたちは、
俗に「障がい児」と呼ばれたりする。
身体が不自由な子もいるし、心が不自由な子もいる。
年齢相応に育ってくれなかったり、できることとできないことが
極端にはっきりしている場合もある。

わたしの子どもたちが通った小学校の成績表が
素晴らしい。評価は2段階。
「できています」と「まだできていません」です。

わたしは自分の子どもを育てて、ほんとうに
この「まだ」という言葉にどれほど救われたかわかりません。
「まだできていない」というのはその評価の対象の中で、
今はできないけど、いつかできるようになるという
希望もあるし、そこは「まだ」できなくても
こんなすごいことができるよという、別の視点に
置き換えることもできる。

手もかかるし、ケアが必要な子どもはいます。
親は自分は子どもより先に死ぬんだから
自分がいなくなっても、なんとか自分の力で
生きていってほしいと切望します。

それはね、障がいがあっても、なくても
同じだとわたしは思う。

育てにくいと思うのは、自分の価値観に副わない育ちを
しているからで、その子なりには成長もある。
「まだ」できないことが、ひとより多いことで、
親は辛い気持ちになることもあるけれど、
その子の育つ力を信じて、サポートをしてやるしか
ないのです。子どもの人生は子どものもの。
親の思い通りになんか絶対にならないのです。

この事件のお母さんのしんどさは、きっと他の誰にも
わからないと思うし、自分の娘を失った喪失感は、
どんな亡くされかたをしても、その悲しみは同じだと思う。

でも、だからといって、許されないことです。
子どもの人権を蹂躙するような虐待も、殺人も。

わたしはアメリカに留学していた時に、日本の大学で専攻していた、
母子関係のセミナーに参加する機会があって、
その時初めて「母子心中」という自死の形は、
世界でも極めて珍しいことなのだということを学びました。
母子間の距離感が、日本人はちょっと特別ということを
知って、少しだけホッとした覚えがあります。

わたしはそれまで母の期待を大きく抱えて生きていました。
ものすごく重くて厳しい母の要求に応えてきた自分が、
その呪縛から解き放たれた気になりました。
日本の典型的な母の子育ては、間違っているわけではなく、
文化なんだと理解したからです。

だけど、その文化はあれから四半世紀をまたいでも、なお、
日本の文化に根づいているんですね。

亡くなったれいちゃんは、きっとお母さんを許してくれると思う。
でも、れいちゃんもわたしと同様、お母さんの愛に、
期待に一所懸命応えようとしていたと思う。
「できないこと」にフォーカスしちゃって、「できること」
「がんばっていること」を認めてもらえなかったことは、
ものすごく無念だったに違いないと思う。

このお母さん自身ももしかすると、
れいちゃんとは別の特質をもっていて、
ある偏った集中のなかでしか、物事を考えられなかったのかも
しれません。

裁判が上告されていて、法の裁きは免れ得ないかもしれないけど、
神様が、天国のれいちゃんが、お母さんに気づきをもたらして
くれるように、心からお祈りしたいです。



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