あの夜の彼女の瓶は、海の涙となって…最終回 | 魔法の呪文をふりかけて…ポンポコ コンコン
こんばんは、kiriです。

ここまで、お読みいただきました、皆さん、
ホント、
ありがとうございました。

いよいよ、最後、
よろしかったら、です。

オチは…、
狸が、彼女に、化けてた。
なぜなら、尻尾が見えてた。

そんなオチが…。
アハハハ、ここまで引っ張ってきて、許されないよなぁ。
さぁ、行きますが、ホントは1回前で辞めておいた方が
いいのかな、とも、思いました。

まぁ、いいや、行っちゃいます。

━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─

IN MY LIFE Jamie Rivera


「あれ? アイダさん…、どうかしましたか?」

Mさんが戻ってきた。
彼女は、紅茶が乗ったトレイをもって、驚いた顔をしている。

「なんでも、ないです」

「ならいいんだけど…、なんか目にうっすら光ってる物がみえたけど…」

「いやぁ、実は…、
アハハハ、花粉症なんです」

「10月にも花粉って飛ぶの? ppp…」

魔女は、Pppと笑う。

「ははぁ~、
ははぁ~、アハハハ、
アイダさん…
さては見たのね?」

「エッ、何を…」

「見たんでしょ…うふふふ」

魔女の笑い、今度はうふふふと笑った。
でも、
彼女の表情に、なんとも言えない優しさが漂った。

「シーグラスの哀しみに触れたんでしょ。

実はね、
ワタシ…
超能力者なの。

うふっ、シーグラスの哀しみがみえるの…。 
たかがガラスなんだけどね、シーグラスってさ…  
だけど、ときどき人の想いってやつが乗り移っちゃうことがあるのよ…」

「想い…」

「そう、想い。
大事にしてたんだろうね、たかが、ガラスなんだけど、さ。

で、そういう想いは、
たくさんの時間、波にさらされて…
最初に、ね、
怒り、憎しみ、そういった感情から、浄化されて行くのよね。

でもね、
人への想いと、その哀しみはやっかいで…
なかなか浄化されないの、
長い年月をかけないとね…。

そして、
そういう、哀しいシーグラスがときどき、あるの。
私には、見えるんだ、その想いが…。

アイダさんも、見たのね、
ね、
アイダさんも超能力者だぁ…

で、それ、
そのカケラね…」

彼女はそういうと、
ボクのカケラを手に取り、じっくりと見ていた。
ヤバイ、ボクは超能力者になってしまった。

「このカケラ…、
想いがとても強いヮ。

よし、わかった」

「何がわかったんですか?」

「あッ、わかっちゃった…。

うん。 
これ、また海に返そ。

ちょっと時間かかるかもしれないけど、
完璧に美しいシーグラスになるヮ。

ダイジョウブ。

シーグラスは、ね、
想いが強ければ強いほど、浄化されると綺麗に輝くから…」

「ねぇ、Mさん、
また、海に返しちゃうんだ…」

「うん、
そう、その方が幸せなのよ。
想いはね、
浄化された方が…」

Mさんは、もしかすると、魔女じゃないのかもしれない。
今の彼女は、優しい天使の顔をしていた。

でも、ボクは…。

「明日、海に返してあげる」

でも、ボクは…、それは嫌だ。

「Mさん、それ、海に返さないで、
ボクにください」

ボクが、もってる。
いつも…。

ずっと…、
ずっと、ずっと、もってる。
今度こそ。