こころを映す鏡

こころを映す鏡

ぷかぷかと

耳鼻科でのできごと。

小さな女の子が待合室で絵本をたくさん広げて眺めている。その子の番が来て、看護師さんに「一冊だけ診察室に持って行っていいよ」と言われて、その子は吟味の末にお気に入りを一冊抱えて笑顔で診察室に入った。

 

嫌な予感がした。私は小学生の時、耳鼻科で施された治療が痛くて痛くて、診察室で毎回大泣きしたことを今でもよく覚えているから。

 

予感は的中。診察室の中から女の子の「痛い痛い」という泣き声が聞こえてくる。「もうすこしもうすこし」という看護師さんの声も聞こえてくる。自分の子どもの頃の痛さとか、病院へ行くときの怖さとか、そんな気持ちががよみがえって、切ない気持ちになった。

 

女の子が涙を流しながら、開くこともなかった絵本を持って診察室から出てきたころには、

私の目も濡れていた。