交流回路の位相とは「電圧と電流のズレ」のこと

交流回路における位相とは電圧と電流の時間的なズレを表す概念で、数学的に言えばベクトルの向きが異なることを意味します。前提として、直流回路では電圧を印加するとすぐにオームの法則に基づいた電流が流れます。電子の集まりである電流が流れる速度は光速と同じため、我々からすれば電圧を印加すると同時に電流が流れると考えても問題ありません。一方の交流回路では回路素子の種類によって電流が電源電圧より時間的に早く、あるいは遅く流れる場合があります。この時の時間のズレを位相と呼び、位相がズレるほど力率が悪いと言われます。

 

位相がズレる(=力率が悪い)と何がいけないの?

一般的に位相が大きくズレた状態を力率が悪いと言われ、回路的に好ましくない状態として扱われます。そもそも、力率が悪いとどんな問題が生じるのでしょうか。 前提として、力率とは、送った電力のうち負荷側で仕事のために取り出せた電力の割合を示す言葉で、位相、すなわち電圧と電流の時間的なズレが全くない状態を力率100%、位相が完全にズレている状態を力率0%と表します。電圧と電流の位相が大きくズレると、送った電力のほとんどが有効的に取り出せなくなり、単に回路を流れるだけで仕事をしない無効電力が多くなります。よって力率が悪い回路では、希望する仕事をさせるために必要以上の電気を送る必要が生まれてしまうのです。

 

コンデンサなどの容量性負荷(キャパシタンス)が含まれる割合が多くなるほど位相がズレていきます。実際の機械で考えれば、動力を生み出すモーター、電圧を変換する変圧器、電気信号でスイッチングを行うリレー回路などが誘導性負荷の例として挙げられます。

 

 

この事から、夏場に電力会社が電力需給の逼迫とか言うのが如何に嘘かと言う事がよく分かります。

殆どの電気は地上原発や火力発電所から直接は来てないと言う事になりますね。