ドン☆フェスの姉妹企画「春の胸キュン祭・萌え☆フェス」
肩ズン妄想で懲りもせず参加!

前回は胸キュンワードを表現するのに必死になりすぎて萌えが全然なかったので、今回は萌えてもらえるようにと頑張りましたが・・・・・・・

どうでしょう?

「告白10分前」の二週間前で書いております。



魔人様管理会場:「春の胸キュン祭・萌え☆フェス」
ゆみーのん様管理会場:「春の胸キュン祭・萌え☆フェス」

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ふたりの風景~ナイトメア~【修正版】


「あんたのせいよ!あんたのせいでリックが死んだの!リックの代わりにあなたが死ねばよかったんだわ!!人殺し!!!」

ごめんティナ
ごめんリック
悪いのは全部俺だ。
俺のせいで君らの人生を無茶苦茶にしてしまった。

冷たい刃が胸に深く突き刺さり、血が流れ出す。

ああ・・・・・・罰が下ったんだ・・・・・・・

もう・・・・・・いいか・・・・・

諦めて目を瞑る俺の背中に
さっきの奴らが一斉にのしかかってきて
足元の血だまりへと身体ごと沈めようとする。

「うわぁぁぁぁ~~~やめろぉぉぉ~~!!!!!!」

「・・・・・・・・・・るが・・さん・・・つるがさん・・・敦賀さん!?」

肩を揺すられ、必死で名前を呼ぶ彼女の声にハッとして目が覚めた。

「・・・・・最上・・・・さん・・・・?」

「大丈夫ですか!?だいぶうなされていましたよ。」

跪いて手を握り、心配そうに様子を窺う彼女に、さっきのは夢だったんだと緊張から解放される。

「あっ、ああ・・・・ちょっと・・・嫌な夢を見ていたんだ。」

苦笑いをする俺の手にそっと彼女の手が重なった。

「こんな所で、うたた寝してるからですよ。ほらこんなに手も冷えてます。」

息を吹きかけて、擦ってくれる姿に思わず笑みが零れる。

以前、暗い闇の底から連れ出してくれたのも彼女だった。

ぼんやりと彼女の指が俺の冷えきった手を温めている姿を見ていると、はたと気づいたように手が引っ込んでしまった。

「やだっ、私ったら!あまりにも敦賀さんの手が冷たかったので勝手に撫でたりして・・・図々しい真似をしてすみません。」

立ち上がり頭を下げる彼女に一抹の寂しさを感じたが、ふと自分の手元にあった物が無くなっている事に焦った。

「あれっ?」

キョロキョロと視線を彷徨わして自分の愛用の枕を探す。

「これですか?」

蓮の様子に気づいたキョーコが、椅子の後ろに落ちていた枕を拾い上げた。

「ああ、そんな所に落ちてたんだ。拾ってくれてありがとう。」
「いえ…それはいいんですが・・・・・・あのぉ・・・まだ、これを使われているんですか?」
「もちろん!お気に入りだからね。」
「そろそろ新しい物に変えられてもよろしいのでは?」
「どうして?」
「だいぶ薄汚れてきていますし…やっぱりこんなファンシーな羊枕は、敦賀さんには似合いません!!」
「君がプレゼントしてくれたものなのに?」
「すみません、あの時はどうかしてたんです。」
「そうなの?でも、気に入っちゃったしなぁ~
それに、愛着もあるから手放すことなんてできないよ。」

蓮は羊枕を持ち上げて目を合わせた。

「落としちゃってゴメンね………」

『チュッ。』

「えっ?」

自分が気に入ってプレゼントした枕に
キスする敦賀さんを目の当たりにして
まるで自分がされたかのような錯覚に陥り
恥ずかしくてキョーコは思わず目を逸らした。

「………最近はこの安眠枕のおかげで、あんまり嫌な夢は見なかったのに、落としたら効果ないよなぁ~」

まるで自分のペットを可愛がるかのように羊の頭を撫でて
また謝っていた。

「クスッ、その羊枕は魔除けみたいですね?」
「う~ん、魔除けというより、お守りかな。ほらこんなに可愛い顔をしてるのに、魔除けなんて言ったら可哀想だろ。」
「何ですか、それっ!ただの枕ですよ。」

クスクス笑う彼女にさっきまでの暗い気持ちが癒えて
どんどん明るくなってくる。

でも------

リックのあの時の姿も、ティナの憎しみの形相も
夢ではなく事実であって
決して忘れてはいけない自分の罪なのだ。

知らずとため息をついて、また俯いてしまった。

「まだ・・・・お疲れがとれてないんじゃないですか?」

跪きまた顔を覗き込んでくる最上さんと目が合って、何かがプツンと切れた。

「ふぅぅぅ~~~~~っ、もうダメ、疲れた。」
「ひゃっ!つ、つ、敦賀さん、どうされたんですか?」

向かい合っていたキョーコの肩に、蓮はズ~ンと頭を預けた。
いきなりの蓮の甘えた仕草にびっくりしたキョーコだったが
飛び退く訳にもいかず ドキドキと胸が高鳴る音を聞きながら
ジッと蓮が話し出すの待っていた。

体重を預けて、何も言わずにもたれかかっている蓮が気になって
恐る恐る彼の髪に手を伸ばせば、強請るように頭を寄せてくる。

サラサラした髪が頬にかかってくすぐったい。

幼子をあやすように何度も頭を撫でて、心の中で呟く。

(敦賀さんの疲れが少しでもいやされますように………」

ナデナデ、ナデナデ………ナデナデ、ナデナデ………

蓮はキョーコに頭をヨシヨシと撫でられる事で
心に突き刺さった冷たい刃が溶けていくのを感じていた。

「さすがにちょっと疲れた 。」
「随分お忙しそうでしたものね。」
「うん、演じている時は夢中で疲れなんて感じないのに、終わるとドッと疲れるんだ。」
「敦賀さんはいつでも一人で頑張りすぎです。たまには他人を頼って下さい。」
「うん、だから今、そうしてる………」

今彼は、どんな表情をしてこんな事を言ってるのだろう?
また、からかわれているのだろうか?
でも無防備に頭を預けて、弱音を吐く敦賀さんはいつもと様子が違う。

こんな彼を放ってはおけない。

「大した役にもたてませんが、こんなものでよかったらいつでもどうぞ。」
「ありがとう、最上さん。」

くるりと顔の向きを変えてキョーコの方に顔を向け
手で彼女の首を支える。

「やっぱり本物はいいな………威力が違う。」
「…………///」

掌から伝わる彼女の脈がどんどん速くなり
首筋まで真っ赤になってるくせに
ちっともこちらを向いてくれない。

ねぇ、こっちを向いて。
今の君の顔が見たいんだ。

顎のラインにかかった親指に力を入れ
こっちを向かせようとしても
必死で彼女は踏ん張って目を合わせようとはしない。

クスっ・・・・可愛いな・・・

蓮は彼女を自分の方に向かせる為、小さな悪戯を思いついた。

「最上さん…」
「………はい///」
「お腹空いた。」
「ふぇっ!?」

聞き慣れない言葉に思わず振り向いて
触れそうになる唇に焦って、また前を向いて俯いた。

せっかくこっちを向いてくれたのに、また下を向いちゃった………

彼女の気を引きたくて
首筋に息を吹きかけてみたり
首に置いた手の中指でトントンと軽く叩いてみたりしたけど
もう、こっちに顔は向けてくれない。

「あのぉ………」
「ん?」
「・・・め、珍しいですね………敦賀さんがそんな事を言うなんて………」

キョーコは蓮のちょっかいに怒る事もなく
俯いたまま、戸惑いがちに言葉を返した。

「そうかな?」
「はい、そうです///」

チラリと視線だけ蓮の方に向ける。

「多分…ずっと揚げ物ばかりのロケ弁とか外食ばかりで、食欲がなくなってるからかな…久しぶりに家庭料理が食べたいよ…」
「なら今度、お弁当を差し入れしましょうか?」
「本当!すごく嬉しいけど、残念!
今夜から2週間、地方ロケなんだ…」
「そうですか………」
「ねぇ、帰ったら、ご飯作りに来てくれる?」
「あっ、はい!もちろんです‼︎何か食べたい物とかありますか?」
「う~ん、そうだなぁ…オムライスか・・・
後は、ハンバーグかな?」
「もぉ~敦賀さんったらwそれは私の好きな物ばかりです。
それにそういうのはお弁当に入ってるから、違う物にしたらどうですか?」
「そうだね。 じゃあ、豚汁!」
「えっ?」
「出来立ての温もる物が食べたいんだ。」
「ふふ、じゃあ和食にしますね。あと何かリクエストはありますか?」
「後は…辛口キンピラと、ほうれん草の白和え、それと…鯖の味噌煮が食べたいな。」
「鯖の味噌煮?珍しい物がでてきましたね。」
「うん、以前最上さんが大将の味噌煮が絶品だって話を思い出したら食べたくなったんだ。」
「なら、大将には敵いませんが、頑張って美味しい味噌煮をつくりますね。」
「楽しみにしてる。」
「はい。」
「ああ~何だか元気が出てきた。」

頭を上げて穏やかに笑う蓮に、キョーコは安堵した。

「じゃあ、私はそろそろ………」

立ち上がり頭を下げると、蓮も立ち上がった。

「最上さん、我儘ついでにもう一つ、お願いしてもいいかな?」
「はい、何でしょう?」

キョトンとするキョーコに、妖艶な笑みを浮かべた蓮が自分の唇に指を当てた。

「元気が出るおまじないを、今君にして欲しい。」

(デジャビュー…?)

キョーコはヒューと息を飲み、グアムでのコーンとのやりとりを思い出した。

ぼんやりしている間にも蓮の顔はどんどん近づいてきて
唇が触れるか触れない所のギリギリで止まった。

「こういう時、女性が男性にするおまじないといえば………」

溢れる吐息が唇にかかり
ドギマギしているキョーコに
微かに聞こえる程の小さな声で囁いた。

「キスでしょ。」

「なっ!?」

今にも叫び出しそうになるキョーコの口を指でピタッと押さえて
ニヤリと笑って顔を離した。

火がついたように真っ赤になってワナワナと震えるキョーコを
蓮はじっと見つめて待っている。

別にからかうつもりはなかった-------
ただ、前に進む勇気が欲しかっただけなんだ。

本当は唇でなくても
頬でも額でも
彼女が与えてくれるものなら何でもよかった。

それでも少しだけ彼とは違うと優越感に浸りたくて
グアムの時と同じ行動で彼女に強請った。

もしもこれで
彼女が俺をコーンだと気付いても仕方ない。

君が知りたいと願うのなら
隠し立てはしない………

さぁ、ダークムーンの打ち上げの時みたいに脱兎の如く逃げ出すか?
それともグアムの時みたいに役を憑けて
俺にも希望の萌芽を授けてくれるだろうか?

君はどうする?

もしかして………

何か………全然違う反応をもらえたら………

少しの期待に胸を膨らませて
彼女が動き出すのを息をこらして待っていた。

「相変わらず…私をからかうのがお好きですね。」
「えっ?」

意外な返事に、すぐには答えられなかった。

この表情は以前、彼女が演じた役柄である
『BOXーR』のナツによく似ている。

艶があり、どこかゲームを楽しむように恍惚とした表情

「でもたまには、その遊びに乗るのも楽しいかもしれませんね。」

うっかり彼女の演技に飲み込まれてしまい
上手い言葉も見つからず
困惑する蓮の頬をそっと手のひらで包んだ。

艶然と笑う表情は自分を思い浮かばせたが
今はそこを気にしてる場合じゃない。

少し顔を傾けて、ゆっくりと彼女の唇が近づいてくる。

唇が触れてしまいそうな距離になった時
そっと目を閉じて彼女が触れてくるのを待った。

頬に添えられた彼女の親指が動いて唇に押し付けられる。
唇に降りかかる吐息に、鼓動が否応なく高鳴ってきた。
薄く唇を開いて彼女の指に舌を絡めようとした時
彼女の指越しに柔らかな唇が重なり、甘い吐息がかかる。

1秒・・・、2秒・・・、3秒・・・、

コーンの時のような一瞬の接触ではなく
間接的とは言えど確かに彼女を感じられるだけの時間。

そして--------

理性を破壊するには十分と言える中途半端なキス。
もう限界だと言わんばかりに
後頭部に手を回し唇を強く押し当てようとした途端
彼女は脱兎の如くドアの所まで逃げ去った。

「し、失礼しましたぁぁぁ~~~~~!!!!!」

ガバッと頭を下げるとそのまま部屋から出て行ってしまったのだ。

「な、なんだったんだ………今のは一体………?」

力が抜けてフニャフニャと床の上に崩れ落ち、蓮は頭を抱えた。

こんなの反則だろ…・・・・

俺が何の反撃もできないまま
言いように振り回されてしまうなんて・・・・・

「………ふふふふふ………アハハハハハハ………!!!!
やっぱり君は、最高だよ!」

真っ赤になった顔を手で覆い隠し
社が呼びに来るまでずっと肩を揺らして笑っていたものだから、
疲れすぎてとうとう蓮が壊れたと不気味がる社に
理由も言えず、笑って誤魔化す蓮だった。


おわり


指ぴたっに、唇吐息・唇ささ(耳吐息・耳ささの応用系w)に
指チューと贅沢に胸キュンっぽいシチュを入れてみましたが
少しでも萌えを感じてもらえたでしょうか?

そうだったら嬉しいな・・・・・・

そして何故修正版?と思われた方、すみません。
当初、悪夢の内容まで書いてたのですが、残/酷で辛いものとなってしまい、「春の胸キュン祭・萌え☆フェス」にはふさわしくないと判断して、一部カットしました。
でもせっかく書いたものをボツにするのも忍びなく、完全版として別館で公開しております。
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