第Ⅰ部 中小企業施策の概要
ロゴマークは、親しみやすさと信頼感を表す丸文字の“中小企業庁”が核となり、「経営」、「金融」、
「財務」、「商業・地域」、「相談・情報提供」の各分野における支援策を実施するとともに、新しい課
題に挑戦し、行動していくという動きを、楕円の形の線で表現しています。楕円の線が閉じてい
ないのは、無限の発展性を表すもので、その先端の丸いオブジェクトは、「施策」、「方針」などの
核、即ち焦点である中小企業そのものと、挑戦する力強さを表現しています。
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概要
1 中小企業基本法
⑴ 目的 中小企業基本法は、中小企業政策について、基本理念・基本方針等を定めるとともに
国及び地方公共団体の責務等を規定することにより中小企業に関する施策を総合的に推進し、
国民経済の健全な発展及び国民生活の向上を図ることを目的としています。
⑵ 基本理念 同法では、中小企業を「多様な事業の分野において特色ある事業活動を行い、多
様な就業の機会を提供し、個人がその能力を発揮しつつ事業を行う機会を提供することにより
我が国の経済の基盤を形成しているもの」と位置付けています。
  特に、多数の中小企業者が創意工夫を生かして経営の向上を図るための事業活動を行うこと
を通じて、⒜新たな産業の創出、⒝就業の機会の増大、⒞市場における競争の促進、⒟地域に
おける経済の活性化
など我が国経済の活力の維持と強化に果たすべき重要な役割を担うことを
期待しています。
  このため、国は、「多様で活力ある中小企業の成長発展」を実現するために、独立した中小
企業者の自主的な努力を前提としつつ、⒜経営の革新及び創業の促進、⒝経営基盤の強化、⒞
経済的社会的環境の変化への適応の円滑化
を図るため、中小企業に関する施策を総合的に策定
し、実施する責務を有するとしています。


⑶ 基本方針 基本理念を踏まえ、中小企業政策において、特に重点的に支援をしていく施策対
象及び事業活動の支援を、以下のとおり基本方針として規定しています。
[1] 経営の革新及び創業の促進を図ること
 経営の革新の促進、創業の促進、創造的な事業活動の促進は、中小企業の行う事業活動の
中でも特に新たな価値を生み出す可能性が高い活動である一方、様々な課題に直面すること
が多い活動と考えられるため、積極的に支援することとしています。
[2] 中小企業の経営基盤の強化を図ること
 中小企業はその規模故に自らの有する経営資源が乏しい上、経営資源を確保する際にも困
難が伴うため、ア中小企業の経営資源の補完を図るための施策を講ずるとともに、イ中小企
業が市場で活動する際に不当に不利な扱いを受けることのないよう公正な市場の確保に努め
ることなどを通じて中小企業の経営基盤の強化を図ることとしています。
[3] 経済的社会的環境の変化への適応の円滑化を図ること
 貿易構造の変化、大規模な天災、人災等の中小企業の責に帰すことのできない不測の事態
等の経済的社会的環境の変化によって、中小企業者は、大きな影響を受け、事業活動に著し
い支障が生じるおそれがあります。このような事態の発生により、多数の中小企業者が倒産
する等の事態が発生することは国民経済的に望ましくないため、セーフティネット的な措置
を講ずることを明記しています。
[4] このほかにも、経営資源の確保が特に困難であることが多い小規模企業者に対し中小企業
施策を講じるにあたっては、小規模企業の経営の発達及び改善に努めるとともに、金融、税
制その他の事項について、小規模企業の経営の実態に配慮する旨規定しています。
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概要
図表1
中小企業基本法(昭和38年法律第154号)(平成11年法律第146号による改正後)の体系図
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概要
図表2 中小企業の定義
業種分類中小企業基本法の定義
製造業その他
資本の額又は出資の総額が3億円以下の会社並びに
常時使用する従業員の数が300人以下の会社及び個人
卸売業
資本の額又は出資の総額が1億円以下の会社並びに
常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人
サービス業
資本の額又は出資の総額が5千万円以下の会社並びに
常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人
小売業
資本の額又は出資の総額が5千万円以下の会社並びに
常時使用する従業員の数が50人以下の会社及び個人
※株式会社日本政策金融公庫法等の中小企業関連立法においては、政令によりゴム製品製造業
(一部を除く)は、資本金3億円以下または従業員900人以下、旅館業は、資本金5千万円以下
または従業員200人以下、ソフトウエア業・情報処理サービス業は、資本金3億円以下または
従業員300人以下を中小企業としています。
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概要


2 中小企業憲章
 意欲のある中小企業が新たな展望を切り拓けるよう、中小企業政策の基本的な考え方と方針
を明らかにした「中小企業憲章」を閣議決定しました。
中小企業憲章
平成22年6月18日
閣議決定
 中小企業は、経済を牽引する力であり、社会の主役である。常に時代の先駆けとして積極果敢
に挑戦を続け、多くの難局に遭っても、これを乗り越えてきた。戦後復興期には、生活必需品へ
の旺盛な内需を捉えるとともに、輸出で新市場を開拓した。オイルショック時には、省エネを進
め、国全体の石油依存度低下にも寄与した。急激な円高に翻弄されても、産地で連携して新分野
に挑み、バブル崩壊後もインターネットの活用などで活路を見出した。
 我が国は、現在、世界的な不況、環境・エネルギー制約、少子高齢化などによる停滞に直面し
ている。中小企業がその力と才能を発揮することが、疲弊する地方経済を活気づけ、同時にアジ
アなどの新興国の成長をも取り込み日本の新しい未来を切り拓く上で不可欠である。
 政府が中核となり、国の総力を挙げて、中小企業の持つ個性や可能性を存分に伸ばし、自立す
る中小企業を励まし、困っている中小企業を支え、そして、どんな問題も中小企業の立場で考え
ていく。これにより、中小企業が光り輝き、もって、安定的で活力ある経済と豊かな国民生活が
実現されるよう、ここに中小企業憲章を定める。
1.基本理念
 中小企業は、経済やくらしを支え、牽引する。創意工夫を凝らし、技術を磨き、雇用の大部
分を支え、くらしに潤いを与える。意思決定の素早さや行動力、個性豊かな得意分野や多種多
様な可能性を持つ。経営者は、企業家精神に溢れ、自らの才覚で事業を営みながら、家族のみ
ならず従業員を守る責任を果たす。中小企業は、経営者と従業員が一体感を発揮し、一人ひと
りの努力が目に見える形で成果に結びつき易い場である。
 中小企業は、社会の主役として地域社会と住民生活に貢献し、伝統技能や文化の継承に重要
な機能を果たす。小規模企業の多くは家族経営形態を採り、地域社会の安定をもたらす。
 このように中小企業は、国家の財産ともいうべき存在である。一方で、中小企業の多くは、
資金や人材などに制約があるため、外からの変化に弱く、不公平な取引を強いられるなど数多
くの困難に晒されてきた。この中で、大企業に重きを置く風潮や価値観が形成されてきた。し
かし、金融分野に端を発する国際的な市場経済の混乱は、却って大企業の弱さを露わにし、世
界的にもこれまで以上に中小企業への期待が高まっている。国内では、少子高齢化、経済社会
の停滞などにより、将来への不安が増している。不安解消の鍵となる医療、福祉、情報通信技
術、地球温暖化問題を始めとする環境・エネルギーなどは、市場の成長が期待できる分野でも
ある。中小企業の力がこれらの分野で発揮され、豊かな経済、安心できる社会、そして人々の
活力をもたらし、日本が世界に先駆けて未来を切り拓くモデルを示す。
 難局の克服への展開が求められるこのような時代にこそ、これまで以上に意欲を持って努力
と創意工夫を重ねることに高い価値を置かなければならない。中小企業は、その大いなる担い
手である。
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概要
2.基本原則
 中小企業政策に取り組むに当たっては、基本理念を踏まえ、以下の原則に依る。
一.経済活力の源泉である中小企業が、その力を思う存分に発揮できるよう支援する
 資金、人材、海外展開力などの経営資源の確保を支援し、中小企業の持てる力の発揮を促
す。その際、経営資源の確保が特に困難であることの多い小規模企業に配意する。中小企業
組合、業種間連携などの取組を支援し、力の発揮を増幅する。
二.起業を増やす
 起業は、人々が潜在力と意欲を、組織の枠にとらわれず発揮することを可能にし、雇用を
増やす。起業促進策を抜本的に充実し、日本経済を一段と活性化する。
三.創意工夫で、新しい市場を切り拓く中小企業の挑戦を促す
 中小企業の持つ多様な力を発揮し、創意工夫で経営革新を行うなど多くの分野で自由に挑
戦できるよう、制約の少ない市場を整える。また、中小企業の海外への事業展開を促し、支
える政策を充実する。
四.公正な市場環境を整える
 力の大きい企業との間で実質的に対等な取引や競争ができず、中小企業の自立性が損なわ
れることのないよう、市場を公正に保つ努力を不断に払う。
五.セーフティネットを整備し、中小企業の安心を確保する
 中小企業は、経済や社会の変化の影響を受け易いので、金融や共済制度などの面で、セー
フティネットを整える。また、再生の途をより利用し易いものとし、再挑戦を容易にする。
 これらの原則に依り、政策を実施するに当たっては、
・中小企業が誇りを持って自立することや、地域への貢献を始め社会的課題に取り組むこ
とを高く評価する
・家族経営の持つ意義への意識を強め、また、事業承継を円滑化する
・中小企業の声を聴き、どんな問題も中小企業の立場で考え、政策評価につなげる
・地域経済団体、取引先企業、民間金融機関、教育・研究機関や産業支援人材などの更な
る理解と協力を促す
・地方自治体との連携を一層強める
・政府一体となって取り組む
こととする。
3.行動指針
 政府は、以下の柱に沿って具体的な取組を進める。
一.中小企業の立場から経営支援を充実・徹底する
 中小企業の技術力向上のため、ものづくり分野を始めとする技術開発、教育・研究機関、
他企業などとの共同研究を支援するとともに、競争力の鍵となる企業集積の維持・発展を図
る。また、業種間での連携・共同化や知的財産の活用を進め、中小企業の事業能力を強める。
経営支援の効果を高めるため、支援人材を育成・増強し、地域経済団体との連携による支援
体制を充実する。
二.人材の育成・確保を支援する
 中小企業の要諦は人材にある。働く人々が積極的に自己研鑽に取り組めるよう能力開発の
機会を確保する。魅力ある中小企業への就業や起業を促し、人材が大企業信仰にとらわれな
いよう、各学校段階を通じて健全な勤労観や職業観を形成する教育を充実する。また、女性、
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概要
高齢者や障害者を含め働く人々にとって質の高い職場環境を目指す。
三.起業・新事業展開のしやすい環境を整える
 資金調達を始めとする起業・新分野進出時の障壁を取り除く。また、医療、介護、一次産
業関連分野や情報通信技術関連分野など今後の日本を支える成長分野において、中小企業が
積極的な事業を展開できるよう制度改革に取り組む。国際的に開かれた先進的な起業環境を
目指す。
四.海外展開を支援する
 中小企業が海外市場の開拓に取り組めるよう、官民が連携した取組を強める。また、支援
人材を活用しつつ、海外の市場動向、見本市関連などの情報の提供、販路拡大活動の支援、
知的財産権トラブルの解決などの支援を行う。中小企業の国際人材の育成や外国人材の活用
のための支援をも進め、中小企業の真の国際化につなげる。
五.公正な市場環境を整える
 中小企業の正当な利益を守る法令を厳格に執行し、大企業による代金の支払遅延・減額を
防止するとともに、中小企業に不合理な負担を招く過剰な品質の要求などの行為を駆逐す
る。また、国及び地方自治体が中小企業からの調達に配慮し、受注機会の確保や増大に努め
る。
六.中小企業向けの金融を円滑化する
 不況、災害などから中小企業を守り、また、経営革新や技術開発などを促すための政策金
融や、起業、転業、新事業展開などのための資金供給を充実する。金融供与に当たっては、
中小企業の知的資産を始め事業力や経営者の資質を重視し、不動産担保や保証人への依存を
減らす。そのためにも、中小企業の実態に則した会計制度を整え、経営状況の明確化、経営
者自身による事業の説明能力の向上、資金調達力の強化を促す。
七.地域及び社会に貢献できるよう体制を整備する
 中小企業が、商店街や地域経済団体と連携して行うものも含め、高齢化・過疎化、環境問
題など地域や社会が抱える課題を解決しようとする活動を広く支援する。祭りや、まちおこ
しなど地域のつながりを強める活動への中小企業の参加を支援する。また、熟練技能や伝統
技能の継承を後押しする。
八.中小企業への影響を考慮し政策を総合的に進め、政策評価に中小企業の声を生かす
 関係省庁の連携は、起業・転業・新事業展開への支援策の有効性を高める。中小企業庁を
始め、関係省庁が、これまで以上に一体性を強めて、産業、雇用、社会保障、教育、金融、
財政、税制など総合的に中小企業政策を進める。その際、地域経済団体の協力を得つつ、全
国の中小企業の声を広く聴き、政策効果の検証に反映する。
(結び)
 世界経済は、成長の中心を欧米からアジアなどの新興国に移し、また、情報や金融が短時間
のうちに動くという構造的な変化を激しくしている。一方で、我が国では少子高齢化が進む中、
これからは、一人ひとりが、力を伸ばし発揮することが、かつてなく重要性を高め、国の死命
を制することになる。したがって、起業、挑戦意欲、創意工夫の積み重ねが一層活発となるよ
うな社会への変革なくしては、この国の将来は危うい。変革の担い手としての中小企業への大
いなる期待、そして、中小企業が果敢に挑戦できるような経済社会の実現に向けての決意を政
府として宣言する。
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概要
3 中小企業対策予算
⑴ 中小企業対策費関連予算額(当初予算)
年 度経済産業省計上当初予算合計
19年度1,260億円1,640億円
20年度1,304億円1,761億円
21年度1,304億円1,890億円
22年度1,255億円1,911億円
23年度1,055億円1.969億円
⑵ 中小企業対策費関連予算額(補正予算)
年 度経済産業省計上補正予算合計
19年度447億円2,757億円
20年度2,588億円10,936億円
21年度7,420億円29,641億円
22年度653億円5,829億円
23年度(一次) 1,671億円5,943億円
23年度(二次) 560億円1,611億円
4 中小企業の税制
⑴ 中小企業の設備投資を支援
 中小企業者が、既存製品の増産のために生産設備の能力を拡充したり、老朽化した生産設備
を更新する設備投資や、IT投資などを行った場合に利用できる「中小企業投資促進税制」(法
人税、所得税)は、平成24年3月31日まで適用。
〈制度概要〉
・対象者 :青色申告を行っている中小企業者等
・対象設備:機会及び装置、電子計算機、デジタル複合機、一定のソフトウェア等
・措置内容:取得価格の30%の特別償却、又は、7%の税額控除の選択適用
⑵ 中小企業の償却資産管理などを支援
 経理財務を専門に担当する職員がいないなど償却資産の管理や納税などの事務処理に負担が
かかる中小企業者にとって便利な「少額減価償却資産の取得価格の損金算入の特例」(法人税、
所得税)は、平成24年3月31日まで適用。
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概要
取得価格償却方法
30万円未満
全額損金算入
(即時償却)
合計300万円まで
⑶ 中小企業の雇用の増加を支援
 雇用促進税制は、前事業年度より従業員を一定以上増やす等の要件を満たした事業主が、法
人税等の税額控除の適用を受けられる制度です。
 具体的には、平成23年4月1日から平成26年3月31日までの期間内に始まるいずれかの事業
年度において、5人(中小企業者等は2人)以上かつ10%以上の雇用の増加等、一定の要件を
満たす場合は、雇用増加人数1人当たり20万円の税額控除を受けることができます(法人税、
所得税)。
⑷ 中小企業の省エネ・新エネ関連設備の導入を支援
 エネルギー環境負荷低減推進設備投資促進税制(グリーン投資減税)は、省エネ効果やCO2
削減効果の高い設備に対する投資を促進することにより、低炭素会社の構築に向けた成長につ
なげることを目的とした税制です。
 対象者は、青色申告を行っている中小企業者等で、対象設備は、太陽光発電設備やハイブリ
ッド建設機械、電気自動車等です。初年度に取得価格の30%の特別償却又は7%の税額控除が
可能です(法人税、所得税)(平成26年3月31日まで適用)

5 平成23年度中小企業政策の重点項目
⑴ 東日本大震災への対応(次項及び7項参照)
 東日本大震災に対しては、過去に例を見ないほどの資金繰り対策、中小企業等のグループの
施設設備の復旧補助、仮設工場・仮設店舗等の整備など、抜本的な支援策を講じていきます。
・資金繰り対策として、保証限度額を過去最大規模に拡充した「東日本大震災復興緊急保証」
や、従来以上に長期かつ最大で無利子まで含めた超低利の日本公庫等による「東日本大震災
復興特別貸付」
を実施します。
・各県が地域の経済や雇用に重要な役割を果たすと判断した中小企業等のグループを重点的に
支援することによって、被災地域の本格的な復興を牽引していくことを目指すため、中小企
業等の施設設備の復旧整備補助事業を実施します。
事業の早期再開を支援するため、中小企業基盤整備機構が仮設工場・仮設店舗等を整備し、
原則無料で被災地の中小企業に貸し出す事業を実施
します。
⑵ 生産性の向上
 技術の維持・高度化、中小企業で活躍する人材の確保・育成、経営力の強化等を通じて、中
小企業の生産性向上を総合的に支援します。
⑶ 中小企業の海外展開支援
 アジアを始めとする海外の新興国に対する、我が国中小企業の海外展開を支援するため、平
成22年10月に「中小企業海外展開支援会議」を立ち上げ、支援体制を整備
します。
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概要
 その中核となる中小機構及びJETRO等により、情報提供や人材育成支援に加えて、海外
見本市への出展や商談の機会の拡大などを後押していきます。
⑷ 中小企業の経営の安定化
 未だ厳しさの続く中小企業の経営安定に資するよう、公的金融による貸付の実施や、保証を
通じた民間金融円滑化を図ることなどにより、資金繰り支援に万全を期します。
 また、下請取引の適正化を図るため、「下請かけこみ寺」等を活用しつつ、下請代金支払遅
延等防止法の厳格運用を図り
ます。
⑸ 起業・転業、グループ化(事業引継ぎ、連携、再生)の支援
 農商工連携をはじめとする異業種の中小企業の連携による新規事業を支援するとともに、中
小企業の起業・転業に必要な資金の融資・保証、中小機構の資本力強化事業の活用を促進しま
す。
 また、他社が有する価値ある経営資源(技術、取引関係、雇用等)を有機的に結合させ、中
小企業の成長を促進するため、中小企業の事業引継ぎを円滑化するとともに、中小企業の再生
を支援します。
⑹ 商店街等の活性化
 商店街が、「地域コミュニティの担い手」としての機能を発揮できるよう商業の活性化を図
る取組を支援します。
6 東日本大震災に係る中小企業対策
 平成23年3月11日に発生した東日本大震災では、地震のみならず、津波、福島原子力発電所の
事故、電力供給制約など様々な事象を引き起こし、これらが複合的に関連し、中小企業にも広範
かつ甚大な影響が生じました。
 こうした状況に対応するため、中小企業庁では、震災発生直後より関係省庁とも連携を図りつ
つ、資金繰り、税制、雇用などの被災地向け中小企業対策をはじめ、復興、復旧に向けて、その
時々の状況に応じた対策を講じています。
⑴ 相談、経営支援への迅速な対応
[1] 特別相談窓口の設置
 東日本大震災発生後、速やかに、全国の日本政策金融公庫、商工組合中央金庫、信用保証
協会、商工会議所、商工会連合会、中小企業団体中央会、中小企業基盤整備機構支部及び経
済産業局に特別相談窓口を設置。(3月11日)
[2] ワンストップ電話相談の実施
 全国どこからでも1つの電話番号にかければ、資金繰りや経営支援など、どこに相談した
らよいか、お困りの中小企業の方々から相談を受ける「中小企業ワンストップ電話相談」を
実施
(電話番号:全国一律0570-064-350)。最寄りの経済産業局中小企業課につながります。
4月1日から、当面の間、土日、祝日を含めて実施することとしました。(3月28日)
[3] 公的金融機関による出張相談会の開催
 日本政策金融公庫、商工中金、信用保証協会が、被災地(青森県、岩手県、宮城県、福島
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概要
県等)に出張し、中小企業からの金融相談を受け付ける出張相談会を実施。(3月31日)
[4] 被災地への専門家チームの派遣・現地支援拠点の設置
 中小企業基盤整備機構が、被災地域の実態を把握しつつ中小企業へのアドバイスを行うべ
く、経営支援等の専門家チームを派遣。また、仙台、盛岡、福島の3ヵ所に現地支援拠点を、
3月下旬から順次設置。(3月28日)
[5] 復旧・復興のための支援専門家の派遣
 中小企業基盤整備機構が、工場等の復旧・復興に必要な人材不足を補うため、巡回アドバ
イザーや専門家を派遣。設備修理の技術サポート、経営相談、まちづくり相談などをきめ細
かく実施。(5月2日)
(注)  ( )内の日付は、プレスリリース又は実施日。以下、本項「東日本大震災に係る中
小企業対策」において同じ。
⑵ 迅速な広報、情報提供
[1] 広報体制の強化
 中小企業関係の68団体、機関をメンバーとするネットワークを構築し、政府及び政府関係
機関の中小企業施策関連情報を、ネットワーク機関経由で提供し、提供を受けた機関は、傘
下の地方支部局や構成団体を含むネットワーク、情報提供ツールを最大限に活用し、可能な
限り会員や取引先以外の中小企業者にも広く情報提供。(3月16日)
[2] 支援ガイドブック等の作成・配布
 資金繰り、雇用、税制、事業用施設の復旧・整備の支援策を、関係省庁の協力を得て、わ
かりやすく一冊にまとめた「中小企業向け支援策ガイドブック」(ver.01:3月28日付、
ver.02:4月8日付、ver.03:5月2日付)(計45万7千部)とチラシ(5月2日付)(40万部)
を作成、配布し、全国の中小企業者に広く周知。また、中小企業団体(日商、全国連、全中)
においても、独自に増刷(計54万3千部)し、全国の構成団体を通じて、広く中小企業者に
配布。
(3-1) 資金繰り支援(融資)
[1] 既往債務の返済条件緩和等
 日本政策金融公庫、商工組合中央金庫及び信用保証協会において、返済猶予等既往債務の
条件変更、貸出手続きの迅速化及び担保徴求の弾力化等について、被災中小企業者の実情に
応じて対応。(3月11日)
[2] 日本公庫、商工中金における返済条件緩和の訴求適用
 地震災害等の影響で既往債務の延滞が生じている場合で、返済猶予の申し出が遅れた場合
でも、返済期日に遡及して返済猶予に対応すること、また、提出書類の簡素化や契約手続き
の迅速化を行うことで、被災した中小企業の負担軽減を実施。(3月14日)
[3] 災害復旧貸付の実施、金利引き下げ措置の実施
 日本政策金融公庫及び商工組合中央金庫が、被災中小企業者(取引事業者を含む)に対し
て、運転資金又は設備資金を別枠で融資する災害復旧貸付を実施(全国)。(3月11日)特段
の措置として、貸付後3年間、借入額のうち、1,000万円を上限として基準金利から0.9%の
金利引下げを実施。(3月12日)

http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/souran/2011/download/11121323fySouran-1.pdf