小説「八日目の蝉」感想文 | ゆるゆるゆるっとぴっぴこぴ☆

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八日目の蝉 (中公文庫)/角田 光代
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子どもが産めなくなったと思い込んだ女が不倫相手の赤ちゃんをさらって逃亡。女と子どもの話。

私は不倫が嫌いだが、私は子どもが産めないかもしれないので、希和子が赤ちゃんをさらって愛情を注ぐのには共感できる気がしました。もし頼れる人も無くひとりで子どもを育てたらどうやって育てるだろう・・・と思ったので、希和子が一人だけで育てようとしてるのを、まるで当事者のように読んでいました。希和子がエンジェルホームに身を寄せるまでは。私の「もしもワールド」から希和子たちが大幅に外れてしまったので、そこからは自分と希和子に距離ができました。

薫目線のお話は希和子話ほど感情移入はできなかったです。対岸の火事を見ているみたいに、文字を追っていました。希和子も不倫だったけど、希和子話はそういうことよりも私は対子どもにとても焦点を当てていたのであそこまで感情移入できたのかも。自分とは距離のある薫話をてきとうに読んでいたら、なぜか最後の最後に少し泣いてしまいました。

希和子と薫は浅はかで迷惑な女だな。希和子の薫への母性はある部分は本当で美しい。きらきらと光る。作中の小豆島の景色が思い浮かびました。本当の部分、読む価値有りです。

この話はサスペンスでしたが、これまでサスペンスをほとんど読んだことがなくてサスペンスイコール殺人と思っていたので、八日目の蝉を読んで人が死ぬだけがサスペンスではなかったんだと知りました。