- クワイエットルームにようこそ 特別版 (初回限定生産2枚組) [DVD]/りょう,内田有紀,蒼井優
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おもしろい映画だったと思う。
蒼井優でてたんだ。メイクと雰囲気が違ってエンドロール見るまで気づかなかった。
クワイエットルームってのは、精神病院の閉鎖病棟の隔離部屋のことだったんだ。
ばかばかしさ等で脚色してあるから(喜劇だし)、
主人公のODで自殺未遂も人生の孤独も寂しさも、
患者たちの悲しさも淡々と見てられる。
今までの人生のなかで積もり積もってきたものが爆発して、
自分で自分を抑えきれなくなったとき、
そんな自分を受け止めてつつみこんでくれるひとなんて、
めったにいないんだろうなあ、とおもった。
知人も、うつで幻聴が聞こえて自分を責めて泣き叫んでいた妻を厄介者のようにして、世間体を気にして精神科に長いこと通院させてなかったし。重い腰あげても、妻が興奮して全力で抗って通院を拒否してたんだけど。
認知症棟で介護の仕事してたとき、いろんな「ふつうじゃない」利用者さんたちへの面会者はとても少なかった。
仕事してるひとの中にも、その人の行動言動状態にイライラしてるひとはけっこういた。
私は不思議と、不穏になっているひとと接しても、怒りやめんどくささ等は感じなかったけど。だって、その人は一生懸命生きているから。きれいごとのようだが、私はその人たちに悲しい思いをこれ以上させたくなかった。
人が自分を見失って感情やなにやらが暴走しているとき、居合わせたひとにはたいてい、手に負えないだろう。
冷たいかもしれない。でも、手に負えない。
だからいろんな反応をする。その人のその状態を認めない、受け入れない、そのひとを非難する、怒る、傷つけるようなことをいう、する。
優しく抱きしめて受け入れて「それでもあなたと一緒にいます」なんていうのは、あまりないできごとなんじゃないかと思う。
知人は、うつの妻が自分の理解できないことを言い続けてたとき、泣き喚く妻を同乗してた車から無理やり降ろしてゆっくりと車を走らせ、妻が車を泣きながら追いかけたとかいってたっけ。
理解しがたい状態の相手を相手が楽になるように愛することは、なかなか難しい。
人には、その人を捨てて、自分が快い状態でいられるひとを探す、という選択肢があるから。
映画の言葉を借りれば、わざわざ「うっとおしい」「めんどくさい」ひとと一緒にいなければならない決め事はない。
もしそれでもその人を愛して人生を歩んでいこうとおもうのなら、「うっとおしい」「めんどくさい」ひとにとってはとってもラッキーなこと。
私は愛するということは、相手の「うっとおしい、めんどくさい」ところも愛するということだとおもう。
何事にも限度があるので、自分が壊れないように、いろいろ考えなければならないが。
結果、そのひとの人生から遠ざかるということもあるだろうとおもう。
映画より「人が生きるってことは、「めんどくさい」ことだけどね!!」
そのとおりだと思う。