僕から僕へのレクイエム。


一人では生きられないと
何度感じただろうか。

あたしはちっぽけな存在で
そんなあたしが生きるのには
世界はあまりにも大きい。

今がそうであるように
今後も幾度となく
あたしは誰かを頼るんだろう。

ナンノタメニ?

生きるためだと人は言った。
だから考える。
あたしの生きる意味って何?
あたしの生きる価値って何?

誰かに迷惑をかけてまで生きられるほど
あたしは立派な人間じゃない。
そこまでして生きて何になる?

あたしが生きようが生きまいが
世界は変わらずに回る。
それなのに
ナンデイキルノ?

死にたい
チガウ
生きたくない
チガウ

生きたい
チガウ
死にたくない
チガウ

きっと
どっちになっても後悔しない。


それなのに

どうして
助けてくれるの?
どうして
頼っても怒らないの?

どうして
真剣に向き合ってくれるの?

価値もない
ちっぽけなあたしに。


大地は謡った。
その人の価値を決めるのは
その人本人ではない。
その人の周りなのだと。

空は謡った。
人の価値なんてのは
死ぬとき明らかになるんだと。


あたしの価値が
あたしの周りで決まるなら
それは
すごく大きくて

あたしが生きることは
きっと世界の一部。


あたしがどうなろうが
変わらないことはたくさんある。
だけど
あたしがどうにかなったら
世界の一部は少し、変わるんだと思う。

失いたくないのは
自分の命じゃない。

誰かの優しさと
誰かの笑顔。
向き合ってくれる気持ち。

あたしが世界にできることは
あたしが精一杯頑張ること。

気付いたんだ。
あたしの死は
誰かの想いの死。

だから
もう刃は握らない。