夢をみた。

いつだか忘れたけど
前にもみた夢。
続きだったんだと思う。


ボロいアパート。
フリーター。
そのアパートには
音楽って共通の趣味を持つ彼の仲間がいる。
彼はギター。
メガネをかけたファゴットに
背の高いサックス
歳のいったオーボエ
陽気なドラム。
彼がギターを弾くと
部屋に仲間達は集まりだす。

フリーターだし
貧乏だし
将来性もない。
だけど
あたしはそんな彼がすごく好きで
心から愛してて。
空ばかりに恋してたあたしが
地面に恋してたんだ。

夢の中のあたしはあたしで

バイトを辞めようと考えてること
自分にも将来性がないこと
すべてわかってる上で
彼と一緒になろうと頑張ってた。

バイト辞めようと思うんだ
宣言した親に
彼の家で話した。
バイト増やそうと思うんだ。
掛け持ちもしようと思う。
あたしの夢が叶わなかったときは、きっぱり就職するから。

最後のひとつは
今のあたしには言えないことだった。
それをあたしに言わせるほど
あたしは彼に惚れてたんだと思う。


目覚めてから
記憶をたどった。
前にみた夢は
どんなだったのか。

詳しくは思い出せなかった。
ただ
彼にはお金持ちの彼女がいて
その高飛車な彼女にフラれた
その直後にあたしは彼と出会った。

それだけ思い出したんだ。


あたしが
自分の将来を変えてまでも一緒になりたかった人。

彼は誰?

ただの夢に思えなくて
なんとなく文字にしてみた。
だけどすべては夢。
結局のところ、この世界に真実はない。

それでも少し考えてしまう。
バイト
辞めていいのか。