こけしさん「仮名」はこけしに似た美人女性である。そんな女性の小学校の時のお話しです。

女性には年の近い兄がいて、小学生時代は男の子によく間違われるほど活発な女の子だった。

兄がサッカーをやっていた影響を受け女性もサッカーチームに所属し、男の子に間違われることもあったという。




散髪は美容室ではなく兄と一緒の近所の理髪店に通っていた。


ある日、女の子はいつものように近所の理髪店に髪を切りにいった。その日はサッカーの練習が遅くなり、営業終了間近になってしまった。





いつものようにベリーショートぎみにかなり短めのヘアースタイルをオーダーした。


理容師の店主がハサミをいれ、半分くらい切り終わった時であった。


理髪店に一本の電話がかかってきた。

店主は電話を受け、険しい顔つきに変わった。

なにかよくない電話のようだった。


電話が終わると女の子にむかって、


「ごめん。おじさん急用ができちゃった。

悪いけど、明日またきてくれる?続きは明日ね。

明日はお金いらないから。」


とカット半分の状態で帰らされた。







女の子はモヒカンのようなヘアースタイルで泣きながら帰った。


次の日、学校を休むことはできず、普通に登校した。


その日から女の子のあだ名は


ハーフ&ハーフ




になった。


その理髪店はいまはない。


悲しい子供時代の思い出をこけしに似た顔で静かに語った。


伝説は続く