第七二一海軍航空隊 (2)
第七二一航空隊【神雷部隊】 (2)
昭和20年3月21日
「第一神風桜花特別攻撃隊神雷部隊/四国沖機動部隊攻撃」
1100 接触と戦果偵察の「彩雲」2機が発進。
攻撃目標:鹿屋一六〇度三六〇浬の機動部隊
1120 一式陸攻18機[七二一空・攻七一一/うち桜花搭載15機] 、直接掩護隊:零戦32機[七二一空・戦三〇六/戦三〇七]が、鹿屋基地を発進。援護隊の零戦1機が、離陸に失敗し、失速墜落炎上。
二〇三空:間接掩護隊:零戦23機が笠ノ原基地を発進。
1145 都井岬付近にて、間接掩護隊の零戦11機と合同、進路を南東にとる。
七二一空:直接掩護戦闘機12機、二〇三空:間接掩護戦闘機12機が発動機不調や増槽燃料吸引不良等の故障で引返す。
1415 突撃用意下令。
1425 機動部隊の北方60カイリ付近にて、レーダー誘導を受けたグラマンF6F「ヘルキャット」艦上戦闘機約50機[第58機動部隊の空母「ホーネット」F6F:16機「ベローウッド」F6F:12機、その他]と交戦。
陸攻隊は敵戦闘機の第一撃により、二、三中隊の編隊が乱れ、一中隊及び二、三中隊の一部は編隊のまま急速離脱中、高度3 ,000~5,000メートル間にて陸攻隊は全機自爆。
約10数分の戦闘で陸攻は全機撃墜され、第一次神雷攻撃は完全に失敗した。
間接掩護隊の岡嶋少佐、久角中尉、安部二飛曹、浅井大尉機、橋本飛長機、は喜界島に不時着。
直接援護隊帰投10機[鹿屋1機 南大東島3機 喜界島1機 高知1機 徳之島1機]
間接掩護隊帰投11機[笠ノ原8機 南大東島1機 高知2機]
【総指揮官】
【編成】[筆者注:詳細不明]
一式陸攻18機 桜花15機 零戦32機
攻撃第一中隊 第一小隊 一番機 野中五郎少佐 指揮官 攻七一一
二番機
三番機
第二小隊 一番機
二番機
三番機
第三小隊 一番機
二番機
三番機
攻撃第二中隊 第一小隊 一番機
二番機
三番機
第二小隊 一番機
二番機
三番機
第三小隊 一番機
二番機
三番機
直接掩護隊
第一中隊
第一区隊
一番機 神崎国雄大尉 七二一空・戦三〇六 引返す
小林一善上飛曹 七二一空・戦三〇六 未帰還 戦死
津田五郎上飛曹 七二一空・戦三〇六 未帰還 戦死
村上康次郎上飛曹 七二一空・戦三〇六 未帰還 戦死
中野俊一上飛曹 七二一空・戦三〇六 未帰還 戦死
諸藤大輔上飛曹 七二一空・戦三〇六 未帰還 戦死
徳永幸雄一飛曹 七二一空・戦三〇六 未帰還 戦死
第二中隊・第一区隊
一番機 伊沢勇一大尉 七二一空・戦三〇六 未帰還 戦死 発動機不調のまま発進し空戦を行う
第三中隊・第一区隊
一番機 漆山睦夫大尉 七二一空・戦三〇七 未帰還 戦死
杉下安佑中尉 七二一空・戦三〇七 未帰還 戦死
堀川秀弥少尉 七二一空・戦三〇七 未帰還 戦死
耕谷信男少尉 七二一空・戦三〇
間接掩護隊
第一中隊・第一区隊
一番機 岡島清熊少佐 二〇三空・戦三〇三
二番機 久角 武 中尉 二〇三空・戦三〇三
三番機 安部正治二飛曹 二〇三空・戦三〇三 *撃墜:F6F戦闘機1機
第 区隊
二番機 加茂武一上飛曹 二〇三空・戦三〇三
浅井幾造大尉 七二一空・戦三一二 喜界島に不時着
橋本 飛長 二〇三空・戦三〇三
【戦果】
撃墜:10〔F6F:7/F4U:3〕機
不確実撃墜:1〔F4U〕機
撃破:2〔F6F:1/F4U:1〕機
《米軍記録》
被墜:F6F:1機
被弾:F6F:1機
【被害】
自爆:桜花15機、陸攻18機、零戦1機
未帰還:零戦9機
不時着大破:零戦1機
被弾:零戦2機
【搭乗員戦死】
160名[攻七一一:137/桜花隊:15/戦三〇七:3/戦三〇六:7]
【戦死者】
漆山睦夫 大尉 (海兵70期) 七二一空・戦三〇七
杉下安佑 中尉 (予備13前期) 七二一空・戦三〇七 *中央大学
堀川秀弥 少尉 (予備13後期) 七二一空・戦三〇七 *山梨高等工業学校
伊沢勇一 大尉 (海兵71期) 七二一空・戦三〇六
小林一善 上飛曹 (甲飛7期) 七二一空・戦三〇六
津田五郎 上飛曹 (丙飛2期) 七二一空・戦三〇六
村上康次郎 上飛曹 (乙飛11期) 七二一空・戦三〇六
中野俊一 上飛曹 (丙飛3期) 七二一空・戦三〇六
諸藤大輔 上飛曹 (乙飛16期) 七二一空・戦三〇六
徳永幸雄 一飛曹 (丙飛10期) 七二一空・戦三〇六
三橋謙太郎 大尉 (海兵71期) 七二一空・桜花隊
久保 明 中尉 (予備13前期) 七二一空・桜花隊 *早稲田大学専科
緒方 襄 中尉 (予備13前期) 七二一空・桜花隊 *関西大学
村井彦四郎 中尉 (予備13前期) 七二一空・桜花隊 *明治大学
山崎重二 上飛曹 (予備練13期) 七二一空・桜花隊
杉本仁兵 上飛曹 (甲飛10期) 七二一空・桜花隊
服部吉春 一飛曹 (乙飛17期) 七二一空・桜花隊
野口喜良 一飛曹 (乙飛17期) 七二一空・桜花隊
島村 中 一飛曹 (予備練15期) 七二一空・桜花隊
重松義市 一飛曹 (甲飛11期) 七二一空・桜花隊
江上元治 一飛曹 (丙飛12期) 七二一空・桜花隊
清水 昇 二飛曹 (丙飛14期) 七二一空・桜花隊
矢萩達雄 二飛曹 (丙飛16期) 七二一空・桜花隊
豊田義輝 二飛曹 (特乙1期) 七二一空・桜花隊
輕石正治 二飛曹 (特乙1期) 七二一空・桜花隊
野中五郎 少佐 (海兵61期) 七二一空:飛行長
甲斐弘之 大尉 (海兵70期) 七二一空・攻七一一
西原雅四郎 大尉 (海兵71期) 七二一空・攻七一一
佐久間洋幸 大尉 (海兵71期) 七二一空・攻七一一
椛澤義雄 中尉 (乙飛1期) 七二一空・攻七一一 分隊長
小原正義 中尉 (海兵72期) 七二一空・攻七一一
古關健治 中尉 (海兵72期) 七二一空・攻七一一
荒井 等 中尉 (操練19期) 七二一空・攻七一一 操縦
柳 正徳 中尉 (予備13前期) 七二一空・攻七一一 *長岡高等工業学校
成尾新五 少尉 (普電練36期) 七二一空・攻七一一 電信
粕谷美蔵 少尉 (乙飛4期) 七二一空・攻七一一
内田正次郎 少尉 (偵練25期) 七二一空・攻七一一 偵察
關野善太郎 少尉 (予備13後期) 七二一空・攻七一一 *富山師範学校
松井 清 少尉 (予備13後期) 七二一空・攻七一一 *関東学院大学
上田四郎 少尉 (予備13後期) 七二一空・攻七一一 *立教大学
角 勉 少尉 (乙飛6期) 七二一空・攻七一一
佐村義男 少尉 (乙飛5期) 七二一空・攻七一一
土倉 勉 少尉 (操練28期) 七二一空・攻七一一 操縦
村松 司 飛曹長 (操練31期) 七二一空・攻七一一 操縦
沼野利朗 飛曹長 (甲飛2期) 七二一空・攻七一一
植村正次郎 飛曹長 (乙飛7期) 七二一空・攻七一一
吉永正夫 飛曹長 (乙飛7期) 七二一空・攻七一一
駒 敏次 飛曹長 (普電練42期) 七二一空・攻七一一 電信
深澤 功 飛曹長 (普電練43期) 七二一空・攻七一一 電信
長谷川俊夫 飛曹長 (普電練46期) 七二一空・攻七一一 電信
瀬尾□三 飛曹長 (普電練46期) 七二一空・攻七一一 電信
高木信夫 飛曹長 (普電練44期) 七二一空・攻七一一 電信
木村信一 飛曹長 (乙飛8期) 七二一空・攻七一一
木下忠雄 上飛曹 (丙飛4期) 七二一空・攻七一一
山川軍治 上飛曹 (偵練46期) 七二一空・攻七一一 偵察
山本 精 上飛曹 (普電練49期) 七二一空・攻七一一 電信
川村勝喜 上飛曹 (普電練49期) 七二一空・攻七一一 電信
宮田信吉 上飛曹 (普電練49期) 七二一空・攻七一一 電信
梶内芳唯 上飛曹 (普電練49期) 七二一空・攻七一一 電信
常岡祥夫 上飛曹 (普電練49期) 七二一空・攻七一一 電信
石橋三郎 上飛曹 (操練54期) 七二一空・攻七一一 操縦
木原忠造 上飛曹 (操練54期) 七二一空・攻七一一 操縦
大瀧五郎 上飛曹 (操練56期) 七二一空・攻七一一 操縦
田北武文 上飛曹 (操練56期) 七二一空・攻七一一 操縦
柳原武雄 上飛曹 (操練56期) 七二一空・攻七一一 操縦
橋口敏男 上飛曹 (操練54期) 七二一空・攻七一一 操縦
阿部寅一 上飛曹 (乙飛12期) 七二一空・攻七一一
仁平 守 上飛曹 (丙飛3期) 七二一空・攻七一一
田中 晃 上飛曹 (丙飛7期) 七二一空・攻七一一
作元政明 上飛曹 (丙飛11期) 七二一空・攻七一一
落合正二 上飛曹 (乙飛13期) 七二一空・攻七一一
林田 清 上飛曹 (丙飛8期) 七二一空・攻七一一
内垣 清 上飛曹 (丙飛5期) 七二一空・攻七一一 偵察
松岡源八 上飛曹 (丙飛5期) 七二一空・攻七一一 偵察
谷 清郷 上飛曹 (丙飛4期) 七二一空・攻七一一
舛井 清 上飛曹 (乙飛15期) 七二一空・攻七一一
有働熊雄 上飛曹 (乙飛15期) 七二一空・攻七一一
山下 功 上飛曹 (乙飛16期) 七二一空・攻七一一
澁谷八郎 上飛曹 (乙飛16期) 七二一空・攻七一一
黒木高三 上飛曹 (甲飛10期) 七二一空・攻七一一
前山明利 上飛曹 (甲飛10期) 七二一空・攻七一一
中村福住 上飛曹 (丙飛7期) 七二一空・攻七一一
美並義治 上飛曹 (普練4期?) 七二一空・攻七一一
竹谷駒吉 上整曹 (普整練48期) 七二一空・攻七一一 搭整
座間幸之助 上整曹 (普整練48期) 七二一空・攻七一一 搭整
原 益男 上整曹 (普整練46期) 七二一空・攻七一一 搭整
三上 清 上整曹 (普整練46期) 七二一空・攻七一一 搭整
三谷 清 上整曹 (普整練56期) 七二一空・攻七一一 搭整
川畑 清 上整曹 (普整練63期) 七二一空・攻七一一 搭整
石倉傳四郎 上整曹 (普整練62期) 七二一空・攻七一一 搭整
徳田 勇 一飛曹 (甲飛11期) 七二一空・攻七一一
皆川喜助 一飛曹 (甲飛11期) 七二一空・攻七一一
伊井俊夫 一飛曹 (丙飛12期) 七二一空・攻七一一
後藤志郎 一飛曹 (丙飛13期) 七二一空・攻七一一
渡邊 徹 一飛曹 (乙飛17期) 七二一空・攻七一一
小栗正夫 一飛曹 (乙飛17期) 七二一空・攻七一一
寺岡 昇 一飛曹 (乙飛17期) 七二一空・攻七一一
守田賀重 一飛曹 (乙飛17期) 七二一空・攻七一一
吉田義男 一飛曹 (乙飛17期) 七二一空・攻七一一
河井近士 一飛曹 (乙飛17期) 七二一空・攻七一一
竹内 靖 一飛曹 (乙飛17期) 七二一空・攻七一一
青木保夫 一飛曹 (乙飛17期) 七二一空・攻七一一
芳木幸義 一飛曹 (乙飛17期) 七二一空・攻七一一
古賀 學 一飛曹 (丙飛15期) 七二一空・攻七一一
大日向三郎 一飛曹 (丙飛13期) 七二一空・攻七一一
福田安夫 一整曹 (普整練18期) 七二一空・攻七一一 搭整
松尾登美雄 二飛曹 (甲飛12期) 七二一空・攻七一一
石垣當晃 二飛曹 (甲飛12期) 七二一空・攻七一一
湯澤康男 二飛曹 (甲飛12期) 七二一空・攻七一一
高橋幸太郎 二飛曹 (甲飛12期) 七二一空・攻七一一
田中一貴 二飛曹 (乙飛18期) 七二一空・攻七一一
會澤平四郎 二飛曹 (乙飛18期) 七二一空・攻七一一
本間富久司 二飛曹 (乙飛18期) 七二一空・攻七一一
横田正英 二飛曹 (乙飛18期) 七二一空・攻七一一
山村 繁 二飛曹 (乙飛18期) 七二一空・攻七一一
龜田尚吉 二飛曹 (乙飛18期) 七二一空・攻七一一
有末辰三 二飛曹 (乙飛18期) 七二一空・攻七一一
島尾順次郎 二飛曹 (乙飛18期) 七二一空・攻七一一
穂積鐵一 二飛曹 (乙飛18期) 七二一空・攻七一一
町田光正 二飛曹 (丙飛特11期) 七二一空・攻七一一 操縦
胡桃經雄 二飛曹 (丙飛16期) 七二一空・攻七一一
橋本幸男 二飛曹 (丙飛特14期) 七二一空・攻七一一 操縦
谷塚梅三 二飛曹 (丙飛12期) 七二一空・攻七一一
棚橋芳雄 二飛曹 (丙飛特14期) 七二一空・攻七一一 操縦
跡邊武二郎 二飛曹 (丙飛15期) 七二一空・攻七一一
鈴木 實 二飛曹 (丙飛特14期) 七二一空・攻七一一 操縦
鈴木光雄 二飛曹 (丙飛特14期) 七二一空・攻七一一 操縦
元親 傳 二飛曹 (丙飛15期) 七二一空・攻七一一
鶴丸乕吉 二飛曹 (丙飛特14期) 七二一空・攻七一一 操縦
會澤壽造 二飛曹 (丙飛16期) 七二一空・攻七一一
松島武雄 二飛曹 (丙飛16期) 七二一空・攻七一一
八島養七 二整曹 (普整練78期) 七二一空・攻七一一 搭整
吉羽浦次郎 二整曹 (普整練96期) 七二一空・攻七一一 搭整
富岡 勇 二整曹 (普整練93期) 七二一空・攻七一一 搭整
岩本 徹 二整曹 (普整練96期) 七二一空・攻七一一 搭整
山内厚重 二整曹 (普整練96期) 七二一空・攻七一一 搭整
山田一雄 二整曹 (普整練96期) 七二一空・攻七一一 搭整
藤井 勇 二整曹 (普整練94期) 七二一空・攻七一一 搭整
幸西 傳 二整曹 (普整練98期) 七二一空・攻七一一 搭整
江部英夫 二整曹 (普整練94期) 七二一空・攻七一一 搭整
小田重男 二整曹 (普整練97期) 七二一空・攻七一一 搭整
茂木 晃 飛長 (甲飛13期) 七二一空・攻七一一 電信
江波戸輝行 飛長 (特乙1期) 七二一空・攻七一一
植木繁男 飛長 (特乙1期) 七二一空・攻七一一
岡安 寛 飛長 (特乙1期) 七二一空・攻七一一
野澤金三 飛長 (特乙3期) 七二一空・攻七一一
高橋利三郎 飛長 〃
加藤□雄 飛長 〃
早川忠雄 飛長 〃
田房 力 飛長 〃
塩田利雄 飛長 〃
手塚晴好 飛長 〃
坂本新一 飛長 〃
内田 寛 飛長 〃
松原 保 飛長 〃
塩崎竹千代 飛長 〃
新美昭二 飛長 〃
藤岡和夫 飛長 〃
田口末吉 飛長 〃
遠藤欽一 飛長 〃
昭和20年3月24日
桜花隊員131名は富高基地に終結。
昭和20年3月25日
桜花隊は桜花攻撃と爆装零戦攻撃(「建武隊」零戦52型丙500キロ爆装、20ミリ×2、13ミリ×3全弾装備)の二戦法を採用、編成替えを行った、当面の攻撃要員を鹿屋基地に残留させ、主力は富高基地に移動し、爆装零戦の整備・試運転・搭乗員待機の基地にした。
戦闘第三〇六飛行隊の再編成〔*コメント欄を参照〕
昭和20年3月27日
林富士夫大尉以下の爆装零戦隊(建武隊)が、鹿屋基地に進出。?(零戦約30機)
昭和20年3月28日
矢野欣之中尉以下の第一次爆装零戦隊8機「建武隊」が、鹿屋基地に前進。引続き喜界島まで進出。?
昭和20年3月30日
「七二一空:爆装零戦隊0500以後可動全機30分待機」が下令されたが、後に解除。
以下、(3)に続く
【参考文献】
テーマ一覧「主要参考文献・資料」を参照下さい。
*コメント欄も参照下さい。
[筆者注:調査未完につき、今後大幅に加筆・改訂を予定しております]
初稿 2005-08-09
第2稿 2006-02-25 一部修正・加筆