「それから」
と言っても、夏目漱石の書評では有りません。
この項は筆者の想念を書いただけのものです。
書評だと思われた方は、時間の無駄ですから、以下は読まずに他の書評ブログへ行くことをお勧めします。
さて、
日本は「大東亜戦争」に、本当に負けたのでしょうか?
軍事的には完全に負けでしょう。
膨大な国民や財産を失い、多大な被害を他国に与えた戦争を肯定するわけではありませんが、しかし、結果として本当に「戦争に負けた」といえるかどうかは疑問だと思います。
日本が1931~45年の間に対峙した国は中国(=国民党政府)・アメリカ・フランス・オランダ・イギリス・ソ連など多岐に渡ります。(台湾・朝鮮は植民地ですから除外します)
各国のその後を冷徹に考察するべきです。
ある人の説によれば、 以下のような分析となります。
対中国:戦線膠着状態のまま日本が撤退する。アメリカが極東における国防ラインを確保してくれたので、日本としては損失でなく、利益を得たと考えられる。その後、中国政府はソ連の圧力に屈して台湾へ逃れざる得なくなる。
対アメリカ:日本という国家の存続を争う戦争だったが、国連の信託統治にせざる得なくなる。中国の利権を得ようとしたが、朝鮮戦争が起こって結果的には日本の国防ラインを引き受けるはめになり、日本側の辛勝と言える。
対ソ連:最後に火事場泥棒的に参戦。事実上中国の利権を得たはずだが、結果的には台湾に逃げられる。最終的には極東で対峙していた日本がアメリカに変わっただけ。そのために後年、崩壊の運命を辿る。
対フランス・オランダ・イギリス:東南アジアの植民地を維持するか、独立させ親日国のブロック経済(大東亜共栄圏)を作るかどうかの争い。結論から言えば、戦後植民地だった各国が独立を獲得し、ASEANが出来たことから日本側の完全な勝利と言える。
以上、簡単に書かせてもらいましたが、皆さんどう思われますか?
筆者はその通りだと考えます。
多くの方の犠牲は、決して無駄ではなく、戦後日本の未曾有な繁栄の礎になったことが、国際政治的にもお判りになったと思います。
決して、過去の戦争が無意味だった訳ではありません。むしろ、東南アジア各国には大いに意義があった戦争だったのだと言えるでしょう。(東アジアは別)
当然、戦争というものが人類が考え出した最も愚かな選択だ、という考えを筆者は捨ててはおりません。
そして、その愚かな選択を過去に行使したのは日本人だけだ、とも考えておりません。
もうそろそろ、加害者意識とその裏返し的な被害者意識は捨て、冷静に過去の戦争の意味を評価しても良い時なのだと思います。
戦争は過去・現在・未来と人類が存続する限り、起こり続けるでしょう。
そして、この現実から目をそらすことが、戦争をするのと同じ位愚かな選択であるということに気づくべきです。
現在は隣国たちが、自国の歴史や過去をきちんと総括せずに、自分達に都合の良い論理を振りかざして、わが国を挑発している時ですから、あえてこの事は強調すべき事であると筆者は考えております。
彼らと話をするのは、「それから」なのです。