戦闘第三〇六飛行隊【第二〇一海軍航空隊】③
戦闘第三〇六飛行隊【第二〇一海軍航空隊】③
昭和１９年１０月２５日
「第一神風特別攻撃隊・大和隊（第四次）」
0900 彗星１機（直掩・戦果確認）、零戦２機（爆装）が、セブ基地を出撃。
バタブ１３０度７０浬付近の海域に突入。
【指揮官】
国原千里少尉
【編成】
零戦２機（爆装） 彗星１機（直掩・戦果確認）
「大和隊」・爆装隊
一番機 大坪一男 一飛曹 二〇一空・戦三〇一 未帰還
二番機 荒木外義 飛長 二〇一空・戦三〇六 未帰還
直掩・戦果確認機
操縦 国原千里 少尉 二〇一空・攻一〇五 未帰還
偵察 大西春雄 飛曹長 二〇一空・攻一〇五
【戦果】
不明
【被害】
未帰還：爆装零戦２機 彗星艦爆１機
搭乗員戦死：４名
【戦死者】
国原千里 少尉 （乙飛５期） 二〇一空・攻一〇五
大西春雄 飛曹長 （甲飛３期） 二〇一空・攻一〇五
大坪一男 一飛曹 （甲飛１０期） 二〇一空・戦三〇一
荒木外義 飛長 （丙飛１５期） 二〇一空・戦三〇六
同日
「第一神風特別攻撃隊・若桜隊」
1140 零戦６機（爆装４機、直掩２機）が、マバラカット基地を発進。
バタブ東方９０浬の機動部隊に向かう。
敵を見ず、セブ基地に帰投。
【指揮官】
【編成】
零戦６機（爆装４機、直掩２機）
「若桜隊」・爆装隊
一番機 編成不明：１名
二番機 中瀬清久一飛曹 二〇一空・戦三〇六 未帰還
三番機
四番機
直掩隊
一番機 松本勝正上飛曹？ 二〇三空・戦三〇三
二番機
【戦果】
不明
【被害】
未帰還：零戦１機
搭乗員戦死：１名
【戦死者】
中瀬清久 一飛曹 （甲飛１０期） 二〇一空・戦三〇六 ＊1830セブ基地発進、レイテ湾内艦船に突入（？）
同日
「レイテ湾米機動部隊攻撃」
マバラカット基地を出撃。
【編成】
不明
【戦果】
不明
【被害】
不明
【戦死者】
木村 繁 一飛曹 （甲飛１０期） 二〇一空・戦三〇六
昭和１９年１０月２６日
「第一神風特別攻撃隊・大和隊／第二隊（第六次）」
1030 零戦５機（爆装３機、直掩２機）が、セブ基地を出撃。
1230 空母４隻よりなる機動部隊を発見、ただちに突撃を開始。
1238 護衛空母「スワニー」の前部エレベーター付近の雷撃機に１機が突入。飛行甲板上の戦闘機７機、雷撃機３機が炎上。
数分後、護衛空母「スワニー」に投下された爆弾１発が飛行甲板を貫通。
護衛空母「ペトロフ・ベイ」に１機突入したが、対空砲火で尾翼を失い、５インチ砲の張出し砲座の後方１５㍍至近に被撃墜された。
直掩隊一番機／高橋一飛曹が、セブ基地に帰投。
【指揮官】
勝又富作一飛曹
【編成】
零戦５機（爆装３機 直掩２機）
「大和隊」・爆装隊
一番機 勝又富作 一飛曹 二〇一空・戦三〇一 空母のエレベーターに突入、自爆 戦死
二番機 塩田 寛 一飛曹 二〇一空・戦三〇六 空母に突入、自爆 戦死
三番機 移川晋一 一飛曹 二〇一空・戦三〇六 空母のエレベーターに突入、自爆 戦死
直掩隊
一番機 高橋保男 一飛曹 二〇一空・戦三〇一 対空砲火により被弾、小破
二番機 勝浦茂夫 飛長 二〇一空・戦三〇五 対空砲火により被弾、空中火災 自爆 戦死
【戦果】
空母１隻に２機命中撃沈 空母１隻に１機命中大破炎上
《米軍記録》
大破：護衛空母スワニー(１機命中) 戦死１００名以上 戦傷約１７０名
【被害】
自爆：爆装零戦３機 直掩零戦１機
搭乗員戦死：４名
【戦死者】
勝又富作 一飛曹 （甲飛１０期） 二〇一空・戦三〇一
塩田 寛 一飛曹 （甲飛１０期） 二〇一空・戦三〇六
移川晋一 一飛曹 （甲飛１０期） 二〇一空・戦三〇六
勝浦茂夫 飛長 （丙飛１５期） 二〇一空・戦三〇五 直掩
同日
二〇一空・戦三〇六の菅野 直大尉以下（杉田庄一上飛曹、笠井智一、日光安治、酒井哲郎、高橋良生一飛曹、今井 進飛長等）の零戦１０数機が、マバラカット西基地に内地より空輸される。
昭和１９年１０月２７日
「マリンダック島上空戦」
零戦１７機［二〇一空：４／二〇三空：１３]が、マバラカット西基地を発進、セブ基地に向かう途中、中部フィリピンのマリンダック島上空にて、優位にあるＦ６Ｆ戦闘機１６機と交戦。（その後、セブ基地には向わずニコルス基地に帰投？）
【指揮官】
菅野 直大尉【第二〇一航空隊・戦闘第三〇六飛行隊】
【編成】
零戦５２型１７機
第一中隊・第一小隊
一番機 菅野 直 大尉 二〇一空・戦三〇六
二番機 杉田庄一 上飛曹 二〇一空・戦三〇六
一番機 竹田 進 中尉 二〇三空・戦三〇三
村上康次郎上飛曹
井上 誠 飛曹長 二〇三空・戦三〇三／四
第五小隊
三番機 高橋良生 一飛曹 二〇一空・戦三〇六
【戦果】
撃墜：Ｆ６Ｆ戦闘機１２機
【被害】
自爆：１機
【戦死者】
竹田 進 中尉 （海兵７１期） 二〇三空・戦三〇三
同日
「第二神風特別攻撃隊・忠勇隊」
1530 彗星艦爆４機、直掩零戦８機が、第一ニコルス基地を発進。
ラモン湾東方海上を索敵。
レイテ湾上空に到着、彗星隊は突入、直掩隊は戦果確認後、セブ基地に帰投。
【指揮官】
山田恭司大尉
【編成】
彗星艦爆４機 直掩零戦８機
「忠勇隊」・彗星隊
一番機 操縦 茂木利夫 飛曹長 七〇一空・攻五 自爆 戦死
偵察 山田恭司 大尉 戦死
二番機 操縦 玉森武次 二飛曹 七〇一空・攻五 自爆 戦死
偵察 竹尾 要 一飛曹 戦死
三番機 操縦 岩下栄太郎二飛曹 七〇一空・攻五 自爆 戦死
偵察 山野 登 一飛曹 戦死
四番機 操縦 野々山尚 一飛曹 七〇一空・攻五 引返す
偵察 小林裕吉一飛曹
直掩隊・第一小隊
一番機 菅野 直 大尉 二〇一空・戦三〇六
笠井智一 一飛曹 二〇一空・戦三〇六
酒井哲郎 一飛曹 二〇一空・戦三〇六
【戦果】
戦艦１隻に１機命中中破 巡洋艦に１機命中大破 輸送船に１機命中小破
【被害】
自爆：彗星艦爆３機
搭乗員戦死：６名
【戦死者】
山田恭司 大尉 （海兵６９期） 七〇一空・攻五
茂木利夫 飛曹長 （乙飛６期） 七〇一空・攻五 ＊角田和男氏の手記には１２月28日にマバラカットで会った事が記載されている
竹尾 要 一飛曹 （乙飛１６期） 七〇一空・攻五
山野 登 一飛曹 （乙飛１６期） 七〇一空・攻五
岩下栄太郎二飛曹 （丙飛１０期） 七〇一空・攻五
玉森武次 二飛曹 （丙飛１５期） 七〇一空・攻五
昭和１９年１０月３０日
「第一神風特別攻撃隊・葉桜隊」
1330 制空零戦２機、爆装零戦３機、直掩零戦２機が、セブ基地を出撃。
1333 爆装零戦３機、直掩零戦２機が、セブ基地を出撃。
1430 爆装隊第一小隊はスルアン島東方１５０浬付近で、空母３隻、戦艦１隻、その他数隻を発見、突撃を開始した。
爆装隊第一小隊攻撃終了３分後に爆装隊第二小隊が突入を開始した。
制空隊は機動部隊の東北方にて、Ｆ６Ｆ戦闘機１０数機と空戦を行う。
【指揮官】
新井康平上飛曹
【編成】
零戦１１機（爆装６機、直掩６機）
「葉桜隊」・制空隊・第一小隊
一番機 新井康平上飛曹 二〇一空・戦三一一 未帰還 行方不明
二番機 大川善雄一飛曹 二〇一空・戦三〇五 未帰還 行方不明
爆装隊・第一小隊
一番機 山下憲行一飛曹 二〇一空・戦三〇一 大型空母に突入、自爆 戦死
二番機 広田幸宜一飛曹 二〇一空・戦三〇六 戦艦に突入、自爆 戦死
三番機 桜森文雄飛長 二〇一空・戦三一一 大型空母に突入、自爆 戦死
直掩隊・第一小隊
一番機 春田虎二郎大尉 二五二空・戦三一六 発動機不調で引返す
二番機 角田和男少尉 二五二空・戦三〇二
爆装隊・第二小隊
一番機 崎田 清一飛曹 二〇一空・戦三〇一 大型空母に突入、自爆 戦死
二番機 山沢貞勝一飛曹 二〇一空・戦三〇六 中型空母に突入、自爆 戦死
三番機 鈴木鐘一飛長 二〇一空・戦三〇五 小型空母に突入、自爆 戦死
直掩隊・第二小隊
一番機 畑井照久中尉 二五二空・戦三〇二
二番機 藤岡三千彦二飛曹二五二空・戦三□□
【戦果】
大型空母１隻に３機命中・火災停止 中型空母１隻に１機命中・火災停止 小型空母１隻に１機命中 戦艦 １隻１機命中
《米軍記録》
大破：正規空母「フランクリン」 (１機命中、格納庫内の３３機を破壊) 戦死５６名 重傷１４名 ウルシーに回航
軽空母「ベロー・ウッド」 (１機命中、１２機を破壊、１４機を大破) 戦死９２名 負傷１００名 ウルシーに回航
小破：軽空母「サン・ハーシント」(１機至近突入、舷側に小破） 戦闘行動に支障無し
【被害】
未帰還：制空零戦２機 自爆：爆装零戦６機
搭乗員戦死：８名
【戦死者】
新井康平 上飛曹 （甲飛９期） 二〇一空・戦三一一 直掩
崎田 清 一飛曹 （甲飛１０期） 二〇一空・戦三〇一
広田幸宜 一飛曹 （甲飛１０期） 二〇一空・戦三〇六
山下憲行 一飛曹 （甲飛１０期） 二〇一空・戦三〇一
山沢貞勝 一飛曹 （甲飛１０期） 二〇一空・戦三〇六
大川善雄 一飛曹 （乙飛１６期） 二〇一空・戦三〇五 直掩
鈴木鐘一 飛長 （丙飛１５期） 二〇一空・戦三〇五
桜森文雄 飛長 （丙飛１６期） 二〇一空・戦三一一
【参考文献】
テーマ一覧「主要参考文献・資料」を参照下さい。
[筆者注：調査未完につき、今後大幅に加筆・改訂を予定しております]
初稿 2005-05-11