南方諸島海軍航空隊 | 航空戦史 雑想ノート【海軍編】

南方諸島海軍航空隊

南方諸島海軍航空隊

【開隊】
昭和19年7月10日付


【所属】
第三航空艦隊・第二十七航空戦隊
第二十七航空戦隊の指揮下は南方諸島航空隊のみ。
【司令官】
市丸利之助少将 (海兵41期/第3期航空術学生)
【参謀】
常盤峯雄  大尉 (海兵  期)  昭和19年7月25日~9月1日 硫黄島警備隊付


【司令】
井上左馬二大佐 (海兵  期)  昭和19年7月10日~    10月15日付 硫黄島警備隊司令を兼務
【副長代理】
常盤峯雄  大尉 (海兵  期)  昭和19年10月15日~
【整備長】

硫黄島に司令部を置く。

【備考】
昭和19年7月下旬~11月下旬
第一三一海軍航空隊・戦闘第八五一飛行隊の夜間戦闘機「月光」2機が、硫黄島第一(千鳥)飛行場に派遣された。

昭和19年8月4日
米空母機動部隊・第1群【指揮官:L・J・クラーク海軍少将】巡洋艦・駆逐艦群【指揮官:L・Y・デュローズ海軍少将】が、小笠原群島父島海域に来襲。
父島は3波にわたり空襲を受ける。輸送船団が攻撃を受ける。
[沈没:駆逐「松」、輸送艦第四号、第一三三号]
米空母機動部隊・第2群【指揮官:A・E・モントゴメリー海軍少将】が、硫黄島に来襲。
硫黄島は2波の空襲を受ける。

昭和19年8月5日
米空母機動部隊群2隊は父島、母島の軍諸施設を砲爆撃。
小笠原諸島方面は艦上機の空襲と艦砲射撃を受けた。
[沈没:輸送艦第二号(空母機により)]

昭和19年8月10日付
硫黄島における第二十七航空戦隊の現況
第七五二航空隊:所定兵力・艦攻6機[実働3機/整備中3機/消耗3機]
第二五二航空隊:所定兵力:艦戦18機[実働2機/整備中5機/消耗22機]
第一三一航空隊:所定兵力・夜戦3機[実働2機/整備中0機/消耗0機]

昭和19年8月31日
米機動部隊【指揮官:R・E・デービソン海軍少将】の艦上機が、小笠原方面に来襲。
1400~1600 硫黄島に延84機、父島に約40機、母島に約20機が来襲した。

昭和19年9月1日
0530~1340 父島に延約50機が来襲。他に巡洋艦2隻、駆逐艦4隻の艦砲射撃を受ける。
0530~1340 硫黄島に5波、延120機が来襲。飛行場、波止場、海岸陣地、電探等の施設を攻撃。

昭和19年9月2日
0544~1702 7波、延140機が来襲。他に1,500発を超える艦砲射撃を受ける。
0555~1113 父島に約30機が来襲。

昭和19年8月31日~9月2日
【総合戦果】
撃墜:18機[陸海軍部隊の空中戦および地上砲火による]
【総合被害】
損失:飛行機24機[未帰還、地上炎上等]
小艦艇14隻[沈没、炎上等]

昭和19年10月上旬
硫黄島はマリアナ諸島を基地とするボーイングB29四発重爆撃機によって空襲され、また、連続的な米機の来襲により、所在の航空兵力は消耗し、補充もままならない状況になり、第二十七航空戦隊〔司令部約80名、第二襲撃部隊:戦闘機15機、連絡機3機基幹〕は、南方諸島航空隊とともに地上防衛部隊に編成替えをしなければならない状態になっていた。

昭和19年10月15日
硫黄島の海軍部隊は、兵員の不足と指揮系統の一本化をはかるため、警備隊司令:和智大佐の横須賀鎮守府転出を期に、南方諸島航空隊司令:井上左馬ニ大佐が硫黄島警備隊司令を兼務、第二十七航空戦隊司令官:市丸利之助少将は、南方諸島航空隊と硫黄島警備隊を統一指揮することになった。

サイパン島陥落以来20年1月まで、硫黄島に来襲した米機動部隊は12回延1,200機、基地空軍による空襲69回延約1,500機、水上艦艇の砲撃8回延64隻にのぼり、19年12月以降はほとんど連日B24など数10機による空襲が続いた。20年2月初頭の硫黄島所在兵力は、陸軍は栗林中将以下13,580名余
海軍は市丸少将以下7,340名余であった。

昭和20年2月14日
硫黄島から哨戒にでた一式陸攻は1200頃サイパンの西方80浬に約170隻からなる大部隊が針路330度(北北西)、18で北上しているのを発見した。

昭和20年2月15日
木更津[第七五二航空隊]から哨戒にでた陸攻が硫黄島の160度150浬に戦艦1隻、巡洋艦2隻、駆逐艦15~20隻を基幹とする部隊を発見した。

昭和20年2月19日
米軍が艦隊兵力と航空兵力の支援のもとに硫黄島に上陸。

昭和20年2月26日
市丸少将麾下の南地区海軍部隊は、敵の重囲に陥っていた。

昭和20年3月17日
硫黄島の日本軍守備隊は玉砕した。

【戦死者】 

尾形静真  少尉  (予備14期〈中大〉/飛行要務専修) *硫黄島

長浜栄智  少尉  (予備14期〈東商大〉/飛行要務専修) *硫黄島
歳国 鼎   上飛曹 (甲飛10期) 第一五三海軍航空隊・戦闘第九〇一飛行隊 *トラックより内地帰還の途中、硫黄島に不時着,南方諸島空に仮入隊中玉砕。
土屋孝一  上飛曹 (甲飛10期) 第七五二海軍航空隊・攻撃第二五六飛行隊 *硫黄島において玉砕。

第二七航空戦隊付

【戦死者】

今井 朗   少尉  (予備14期〈〉中大)/飛行要務専修 *硫黄島 

 

【参考文献】

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[筆者注:調査未完今後大幅に加筆、改訂予定]

 

初稿  2005-01-27