海軍(乙)航空隊について | 航空戦史 雑想ノート【海軍編】

海軍(乙)航空隊について

海軍(乙)航空隊

昭和19年7月10日付で、海軍は空地分離制度を採用。
航空隊を二種類に分け、特設飛行隊を持つ甲飛行隊と、基地任務を主とし必要な場合所在飛行隊を指揮できる乙航空隊を編成した。
[第十二航空艦隊と、第十三航空艦隊は同年10月1日に実施]
甲航空隊は、通常複数の特設飛行隊と、司令以下最小限の指揮、管理要員で編成され、番号で呼称された。また原則として長官直属であった。
乙航空隊は、飛行機を持たず、担当する基地群を、必要とする飛行部隊に提供した。そして、所在の飛行機隊の指揮を命ぜられた場合に、その指揮を執り得るように備えるものであった。

隊附は中佐級4名程度、1人は整備主任、他の3名は各区域の指揮官に充てられ航空作戦指揮をとる。


なお、同航空隊の呼称は、地区名が冠されて、防空隊、見張隊、設営隊等が編入された。

昭和19年7月10日付の編成替えによって開隊された海軍(乙)航空隊は以下の通り。

第一航空艦隊
 第二二航空戦隊
  東カロリン海軍航空隊  司令:小笠原章一中佐(海兵51期/第17期飛行学生) 
 第二三航空戦隊
  濠北海軍航空隊      司令:森玉賀四 大佐(海兵  期)
 第二六航空戦隊
  比島海軍航空隊     司令:古瀬貴季 大佐(海兵42期/第4期航空術学生) 
 第六一航空戦隊
  西カロリン海軍航空隊  司令:大谷竜蔵 大佐(海兵  期)          
  マリアナ海軍航空隊    司令:亀井凱夫 中佐(海兵46期/第6期航空術学生)
第二航空艦隊
 長官直率
  九州海軍航空隊     司令:佐多直大 大佐(海兵50期/第12期飛行学生)
 第二一航空戦隊
  台湾海軍航空隊     司令:坂田義人 大佐(海兵  期)        
 第二五航空戦隊
  南西諸島海軍航空隊  司令:棚町 整 中佐(海兵  期)        
第三航空艦隊
 長官直率
  関東海軍航空隊     司令:市川 重 大佐(海兵  期)          
 第二七航空戦隊
  南方諸島海軍航空隊  司令:井上左馬二大佐(海兵  期)

昭和20年には、地上指揮能力向上を図るために、区域ごとに担当を細分化し開隊、急増した。

昭和20年8月15日現在

第十二航空艦隊
 長官直率
  北東海軍航空隊    司令:大橋恭三 大佐(海兵  期)          
第三航空艦隊
 長官直率
  関東海軍航空隊   司令官:高橋雄次 少将(海兵  期)          
  東海海軍航空隊     司令:江島久雄 大佐(海兵  期)          
  近畿海軍航空隊     司令:佐藤治三郎大佐(海兵  期)
第五航空艦隊
 長官直率
  九州海軍航空隊   司令官:山森亀之助少将(海兵  期)          
  内海海軍航空隊   司令官:山森亀之助少将
  朝鮮海軍航空隊   司令官:森 敬吉 少将(海兵45期/第5期航空術学生)
  西海海軍航空隊   司令官:近藤勝治 少将(海兵46期/第6期航空術学生)
  山陰海軍航空隊    司令:櫛引誠雄 大佐(海兵  期)
第十航空艦隊
 第十五連合航空隊
  奥羽海軍航空隊   司令官:関 郁平 少将(海兵  期)          
第四艦隊
 長官直率
  東カロリン海軍航空隊 司令:今里義光 大佐(海兵  期)
  マリアナ海軍航空隊     発令なし
第十三航空艦隊
 第二十八航空戦隊
  馬来海軍航空隊   司令官:篠田太郎八少将(海兵  期)          
  東印海軍航空隊    司令:是枝 操 大佐(海兵  期)          
  印支海軍航空隊    司令:垣田照之 大佐(海兵48期/第11期航空術学生)
南西方面艦隊
 第三南遣艦隊 第三十根拠地隊 
  西カロリン海軍航空隊    発令なし                    
 第二十六航空戦隊
  北比海軍航空隊   司令官:古瀬貴季 少将(海兵42期/第4期航空術学生)
  中比海軍航空隊    司令:根来茂樹 大佐(海兵51期/第16期飛行学生)
  南比海軍航空隊    司令:前田孝成 大佐(海兵47期/第8期航空術学生)
支那方面艦隊
 附属
  中支海軍航空隊    司令:梅崎卯之助大佐(海兵  期)          
高雄警備府
  北台海軍航空隊    司令:鈴木由次郎大佐(海兵51期/第16期飛行学生) 
  南台海軍航空隊    司令:伊藤信雄 中佐(海兵52期/第19期飛行学生)


【参考文献】
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[筆者注:調査未完、今後大幅に加筆、改訂予定]


初稿  2005-01-27
第2稿 2010-07-11 一部加筆