目次
第六款 幹部職員の任用等に係る特例(第六十一条の二―第六十一条の八)
第七款 幹部候補育成課程(第六十一条の九―第六十一条の十一)
第二目 管理監督職勤務上限年齢による降任等(第八十一条の二―第八十一条の五)
第三款 保障ここから
第一目 勤務条件に関する行政措置の要求(第八十六条―第八十八条)
第二目 職員の意に反する不利益な処分に関する審査(第八十九条―第九十二条の二)
第一款 離職後の就職に関する規制(第百六条の二―第百六条の四)ここまで
第二款 再就職等監視委員会(第百六条の五―第百六条の二十二)
第三款 保障
第一目 勤務条件に関する行政措置の要求
(勤務条件に関する行政措置の要求)
第八十六条 職員は、俸給、給料その他あらゆる勤務条件に関し、人事院に対して、人事院若しくは内閣総理大臣又はその職員の所轄庁の長により、適当な行政上の措置が行われることを要求することができる。
(事案の審査及び判定)
第八十七条 前条に規定する要求のあつたときは、人事院は、必要と認める調査、口頭審理その他の事実審査を行い、一般国民及び関係者に公平なように、且つ、職員の能率を発揮し、及び増進する見地において、事案を判定しなければならない。
(判定の結果採るべき措置)
第八十八条 人事院は、前条に規定する判定に基き、勤務条件に関し一定の措置を必要と認めるときは、その権限に属する事項については、自らこれを実行し、その他の事項については、内閣総理大臣又はその職員の所轄庁の長に対し、その実行を勧告しなければならない。
第二目 職員の意に反する不利益な処分に関する審査
(職員の意に反する降給等の処分に関する説明書の交付)
第八十九条 職員に対し、その意に反して、降給(他の官職への降任等に伴う降給を除く。)、降任(他の官職への降任等に該当する降任を除く。)、休職若しくは免職をし、その他職員に対し著しく不利益な処分を行い、又は懲戒処分を行おうとするときは、当該処分を行う者は、当該職員に対し、当該処分の際、当該処分の事由を記載した説明書を交付しなければならない。
② 職員が前項に規定する著しく不利益な処分を受けたと思料する場合には、同項の説明書の交付を請求することができる。
③ 第一項の説明書には、当該処分につき、人事院に対して審査請求をすることができる旨及び審査請求をすることができる期間を記載しなければならない。
(審査請求)
第九十条 前条第一項に規定する処分を受けた職員は、人事院に対してのみ審査請求をすることができる。
② 前条第一項に規定する処分及び法律に特別の定めがある処分を除くほか、職員に対する処分については、審査請求をすることができない。職員がした申請に対する不作為についても、同様とする。
③ 第一項に規定する審査請求については、行政不服審査法第二章の規定を適用しない。
(審査請求期間)
第九十条の二 前条第一項に規定する審査請求は、処分説明書を受領した日の翌日から起算して三月以内にしなければならず、処分があつた日の翌日から起算して一年を経過したときは、することができない。
(調査)
第九十一条 第九十条第一項に規定する審査請求を受理したときは、人事院又はその定める機関は、直ちにその事案を調査しなければならない。
② 前項に規定する場合において、処分を受けた職員から請求があつたときは、口頭審理を行わなければならない。口頭審理は、その職員から請求があつたときは、公開して行わなければならない。
③ 処分を行つた者又はその代理者及び処分を受けた職員は、すべての口頭審理に出席し、自己の代理人として弁護人を選任し、陳述を行い、証人を出席せしめ、並びに書類、記録その他のあらゆる適切な事実及び資料を提出することができる。
④ 前項に掲げる者以外の者は、当該事案に関し、人事院に対し、あらゆる事実及び資料を提出することができる。
(調査の結果採るべき措置)
第九十二条 前条に規定する調査の結果、処分を行うべき事由のあることが判明したときは、人事院は、その処分を承認し、又はその裁量により修正しなければならない。
② 前条に規定する調査の結果、その職員に処分を受けるべき事由のないことが判明したときは、人事院は、その処分を取り消し、職員としての権利を回復するために必要で、且つ、適切な処置をなし、及びその職員がその処分によつて受けた不当な処置を是正しなければならない。人事院は、職員がその処分によつて失つた俸給の弁済を受けるように指示しなければならない。
③ 前二項の判定は、最終のものであつて、人事院規則の定めるところにより、人事院によつてのみ審査される。
(審査請求と訴訟との関係)
第九十二条の二 第八十九条第一項に規定する処分であつて人事院に対して審査請求をすることができるものの取消しの訴えは、審査請求に対する人事院の裁決を経た後でなければ、提起することができない。
第三目 公務傷病に対する補償
(公務傷病に対する補償)
第九十三条 職員が公務に基き死亡し、又は負傷し、若しくは疾病にかかり、若しくはこれに起因して死亡した場合における、本人及びその直接扶養する者がこれによつて受ける損害に対し、これを補償する制度が樹立し実施せられなければならない。
② 前項の規定による補償制度は、法律によつてこれを定める。
(法律に規定すべき事項)
第九十四条 前条の補償制度には、左の事項が定められなければならない。一 公務上の負傷又は疾病に起因した活動不能の期間における経済的困窮に対する職員の保護に関する事項
二 公務上の負傷又は疾病に起因して、永久に、又は長期に所得能力を害せられた場合におけるその職員の受ける損害に対する補償に関する事項
三 公務上の負傷又は疾病に起因する職員の死亡の場合におけるその遺族又は職員の死亡当時その収入によつて生計を維持した者の受ける損害に対する補償に関する事項
(補償制度の立案及び実施の責務)
第九十五条 人事院は、なるべくすみやかに、補償制度の研究を行い、その成果を国会及び内閣に提出するとともに、その計画を実施しなければならない。
第七節 服務
(服務の根本基準)
第九十六条 すべて職員は、国民全体の奉仕者として、公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当つては、全力を挙げてこれに専念しなければならない。
② 前項に規定する根本基準の実施に関し必要な事項は、この法律又は国家公務員倫理法に定めるものを除いては、人事院規則でこれを定める。
(服務の宣誓)
第九十七条 職員は、政令の定めるところにより、服務の宣誓をしなければならない。
(法令及び上司の命令に従う義務並びに争議行為等の禁止)
第九十八条 職員は、その職務を遂行するについて、法令に従い、且つ、上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない。
つまり法令を理解していない職員は、上司の言いなりになるしかない(上司が職権乱用する場合もあるが見逃されることになる)
② 職員は、政府が代表する使用者としての公衆に対して同盟罷業、怠業その他の争議行為をなし、又は政府の活動能率を低下させる怠業的行為をしてはならない。又、何人も、このような違法な行為を企て、又はその遂行を共謀し、そそのかし、若しくはあおつてはならない。
③ 職員で同盟罷業その他前項の規定に違反する行為をした者は、その行為の開始とともに、国に対し、法令に基いて保有する任命又は雇用上の権利をもつて、対抗することができない。
(信用失墜行為の禁止)
第九十九条 職員は、その官職の信用を傷つけ、又は官職全体の不名誉となるような行為をしてはならない。
(秘密を守る義務)
第百条 職員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後といえども同様とする。
② 法令による証人、鑑定人等となり、職務上の秘密に属する事項を発表するには、所轄庁の長(退職者については、その退職した官職又はこれに相当する官職の所轄庁の長)の許可を要する。
③ 前項の許可は、法律又は政令の定める条件及び手続に係る場合を除いては、これを拒むことができない。
④ 前三項の規定は、人事院で扱われる調査又は審理の際人事院から求められる情報に関しては、これを適用しない。何人も、人事院の権限によつて行われる調査又は審理に際して、秘密の又は公表を制限された情報を陳述し又は証言することを人事院から求められた場合には、何人からも許可を受ける必要がない。人事院が正式に要求した情報について、人事院に対して、陳述及び証言を行わなかつた者は、この法律の罰則の適用を受けなければならない。
⑤ 前項の規定は、第十八条の四の規定により権限の委任を受けた再就職等監視委員会が行う調査について準用する。この場合において、同項中「人事院」とあるのは「再就職等監視委員会」と、「調査又は審理」とあるのは「調査」と読み替えるものとする。
(職務に専念する義務)
第百一条 職員は、法律又は命令の定める場合を除いては、その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い、政府がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならない。職員は、法律又は命令の定める場合を除いては、官職を兼ねてはならない。職員は、官職を兼ねる場合においても、それに対して給与を受けてはならない。
② 前項の規定は、地震、火災、水害その他重大な災害に際し、当該官庁が職員を本職以外の業務に従事させることを妨げない。
(政治的行為の制限)
第百二条 職員は、政党又は政治的目的のために、寄附金その他の利益を求め、若しくは受領し、又は何らの方法を以てするを問わず、これらの行為に関与し、あるいは選挙権の行使を除く外、人事院規則で定める政治的行為をしてはならない。
② 職員は、公選による公職の候補者となることができない。
③ 職員は、政党その他の政治的団体の役員、政治的顧問、その他これらと同様な役割をもつ構成員となることができない。
(私企業からの隔離)
第百三条 職員は、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業(以下営利企業という。)を営むことを目的とする会社その他の団体の役員、顧問若しくは評議員の職を兼ね、又は自ら営利企業を営んではならない。
② 前項の規定は、人事院規則の定めるところにより、所轄庁の長の申出により人事院の承認を得た場合には、これを適用しない。
③ 営利企業について、株式所有の関係その他の関係により、当該企業の経営に参加し得る地位にある職員に対し、人事院は、人事院規則の定めるところにより、株式所有の関係その他の関係について報告を徴することができる。
④ 人事院は、人事院規則の定めるところにより、前項の報告に基き、企業に対する関係の全部又は一部の存続が、その職員の職務遂行上適当でないと認めるときは、その旨を当該職員に通知することができる。
⑤ 前項の通知を受けた職員は、その通知の内容について不服があるときは、その通知を受領した日の翌日から起算して三月以内に、人事院に審査請求をすることができる。
⑥ 第九十条第三項並びに第九十一条第二項及び第三項の規定は前項の審査請求のあつた場合について、第九十二条の二の規定は第四項の通知の取消しの訴えについて、それぞれ準用する。
⑦ 第五項の審査請求をしなかつた職員及び人事院が同項の審査請求について調査した結果、通知の内容が正当であると裁決された職員は、人事院規則の定めるところにより、人事院規則の定める期間内に、その企業に対する関係の全部若しくは一部を絶つか、又はその官職を退かなければならない。
(他の事業又は事務の関与制限)
第百四条 職員が報酬を得て、営利企業以外の事業の団体の役員、顧問若しくは評議員の職を兼ね、その他いかなる事業に従事し、若しくは事務を行うにも、内閣総理大臣及びその職員の所轄庁の長の許可を要する。
(職員の職務の範囲)
第百五条 職員は、職員としては、法律、命令、規則又は指令による職務を担当する以外の義務を負わない。
(勤務条件)
第百六条 職員の勤務条件その他職員の服務に関し必要な事項は、人事院規則でこれを定めることができる。
② 前項の人事院規則は、この法律の規定の趣旨に沿うものでなければならない。
第八節 退職管理
第一款 離職後の就職に関する規制
(他の役職員についての依頼等の規制)
第百六条の二 職員は、営利企業等(営利企業及び営利企業以外の法人(国、国際機関、地方公共団体、行政執行法人及び地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第二条第二項に規定する特定地方独立行政法人を除く。)をいう。以下同じ。)に対し、他の職員若しくは行政執行法人の役員(以下「役職員」という。)をその離職後に、若しくは役職員であつた者を、当該営利企業等若しくはその子法人(当該営利企業等に財務及び営業又は事業の方針を決定する機関(株主総会その他これに準ずる機関をいう。)を支配されている法人として政令で定めるものをいう。以下同じ。)の地位に就かせることを目的として、当該役職員若しくは役職員であつた者に関する情報を提供し、若しくは当該地位に関する情報の提供を依頼し、又は当該役職員をその離職後に、若しくは役職員であつた者を、当該営利企業等若しくはその子法人の地位に就かせることを要求し、若しくは依頼してはならない。
② 前項の規定は、次に掲げる場合には適用しない。
一 職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)、船員職業安定法(昭和二十三年法律第百三十号)その他の法令の定める職業の安定に関する事務として行う場合
二 退職手当通算予定職員を退職手当通算法人の地位に就かせることを目的として行う場合(独立行政法人通則法第五十四条第一項において読み替えて準用する第四項に規定する退職手当通算予定役員を同条第一項において準用する次項に規定する退職手当通算法人の地位に就かせることを目的として行う場合を含む。)
三 官民人材交流センター(以下「センター」という。)の職員が、その職務として行う場合
③ 前項第二号の「退職手当通算法人」とは、独立行政法人(独立行政法人通則法第二条第一項に規定する独立行政法人をいう。以下同じ。)その他特別の法律により設立された法人でその業務が国の事務又は事業と密接な関連を有するもののうち政令で定めるもの(退職手当(これに相当する給付を含む。)に関する規程において、職員が任命権者又はその委任を受けた者の要請に応じ、引き続いて当該法人の役員又は当該法人に使用される者となつた場合に、職員としての勤続期間を当該法人の役員又は当該法人に使用される者としての勤続期間に通算することと定めている法人に限る。)をいう。
④ 第二項第二号の「退職手当通算予定職員」とは、任命権者又はその委任を受けた者の要請に応じ、引き続いて退職手当通算法人(前項に規定する退職手当通算法人をいう。以下同じ。)の役員又は退職手当通算法人に使用される者となるため退職することとなる職員であつて、当該退職手当通算法人に在職した後、特別の事情がない限り引き続いて選考による採用が予定されている者のうち政令で定めるものをいう。
(在職中の求職の規制)
第百六条の三 職員は、利害関係企業等(営利企業等のうち、職員の職務に利害関係を有するものとして政令で定めるものをいう。以下同じ。)に対し、離職後に当該利害関係企業等若しくはその子法人の地位に就くことを目的として、自己に関する情報を提供し、若しくは当該地位に関する情報の提供を依頼し、又は当該地位に就くことを要求し、若しくは約束してはならない。
② 前項の規定は、次に掲げる場合には適用しない。
一 退職手当通算予定職員(前条第四項に規定する退職手当通算予定職員をいう。以下同じ。)が退職手当通算法人に対して行う場合
二 在職する局等組織(国家行政組織法第七条第一項に規定する官房若しくは局、同法第八条の二に規定する施設等機関その他これらに準ずる国の部局若しくは機関として政令で定めるもの、これらに相当する行政執行法人の組織として政令で定めるもの又は都道府県警察をいう。以下同じ。)の意思決定の権限を実質的に有しない官職として政令で定めるものに就いている職員が行う場合
三 センターから紹介された利害関係企業等との間で、当該利害関係企業等又はその子法人の地位に就くことに関して職員が行う場合
四 職員が利害関係企業等に対し、当該利害関係企業等若しくはその子法人の地位に就くことを目的として、自己に関する情報を提供し、若しくは当該地位に関する情報の提供を依頼し、又は当該地位に就くことを要求し、若しくは約束することにより公務の公正性の確保に支障が生じないと認められる場合として政令で定める場合において、政令で定める手続により内閣総理大臣の承認を得た職員が当該承認に係る利害関係企業等に対して行う場合
③ 前項第四号の規定による内閣総理大臣が承認する権限は、再就職等監視委員会に委任する。
④ 前項の規定により再就職等監視委員会に委任された権限は、政令で定めるところにより、再就職等監察官に委任することができる。
⑤ 再就職等監視委員会が第三項の規定により委任を受けた権限に基づき行う承認(前項の規定により委任を受けた権限に基づき再就職等監察官が行う承認を含む。)についての審査請求は、再就職等監視委員会に対して行うことができる。
(再就職者による依頼等の規制)
第百六条の四 職員であつた者であつて離職後に営利企業等の地位に就いている者(退職手当通算予定職員であつた者であつて引き続いて退職手当通算法人の地位に就いている者(以下「退職手当通算離職者」という。)を除く。以下「再就職者」という。)は、離職前五年間に在職していた局等組織に属する役職員又はこれに類する者として政令で定めるものに対し、国、行政執行法人若しくは都道府県と当該営利企業等若しくはその子法人との間で締結される売買、貸借、請負その他の契約又は当該営利企業等若しくはその子法人に対して行われる行政手続法(平成五年法律第八十八号)第二条第二号に規定する処分に関する事務(以下「契約等事務」という。)であつて離職前五年間の職務に属するものに関し、離職後二年間、職務上の行為をするように、又はしないように要求し、又は依頼してはならない。
② 前項の規定によるもののほか、再就職者のうち、国家行政組織法第二十一条第一項に規定する部長若しくは課長の職又はこれらに準ずる職であつて政令で定めるものに、離職した日の五年前の日より前に就いていた者は、当該職に就いていた時に在職していた局等組織に属する役職員又はこれに類する者として政令で定めるものに対し、契約等事務であつて離職した日の五年前の日より前の職務(当該職に就いていたときの職務に限る。)に属するものに関し、離職後二年間、職務上の行為をするように、又はしないように要求し、又は依頼してはならない。
③ 前二項の規定によるもののほか、再就職者のうち、国家行政組織法第六条に規定する長官、同法第十八条第一項に規定する事務次官、同法第二十一条第一項に規定する事務局長若しくは局長の職又はこれらに準ずる職であつて政令で定めるものに就いていた者は、当該職に就いていた時に在職していた府省その他の政令で定める国の機関、行政執行法人若しくは都道府県警察(以下「局長等としての在職機関」という。)に属する役職員又はこれに類する者として政令で定めるものに対し、契約等事務であつて局長等としての在職機関の所掌に属するものに関し、離職後二年間、職務上の行為をするように、又はしないように要求し、又は依頼してはならない。
④ 前三項の規定によるもののほか、再就職者は、在職していた府省その他の政令で定める国の機関、行政執行法人若しくは都道府県警察(以下この項において「行政機関等」という。)に属する役職員又はこれに類する者として政令で定めるものに対し、国、行政執行法人若しくは都道府県と営利企業等(当該再就職者が現にその地位に就いているものに限る。)若しくはその子法人との間の契約であつて当該行政機関等においてその締結について自らが決定したもの又は当該行政機関等による当該営利企業等若しくはその子法人に対する行政手続法第二条第二号に規定する処分であつて自らが決定したものに関し、職務上の行為をするように、又はしないように要求し、又は依頼してはならない。
⑤ 前各項の規定は、次に掲げる場合には適用しない。
一 試験、検査、検定その他の行政上の事務であつて、法律の規定に基づく行政庁による指定若しくは登録その他の処分(以下「指定等」という。)を受けた者が行う当該指定等に係るもの若しくは行政庁から委託を受けた者が行う当該委託に係るものを遂行するために必要な場合、又は国の事務若しくは事業と密接な関連を有する業務として政令で定めるものを行うために必要な場合
二 行政庁に対する権利若しくは義務を定めている法令の規定若しくは国、行政執行法人若しくは都道府県との間で締結された契約に基づき、権利を行使し、若しくは義務を履行する場合、行政庁の処分により課された義務を履行する場合又はこれらに類する場合として政令で定める場合
三 行政手続法第二条第三号に規定する申請又は同条第七号に規定する届出を行う場合
四 会計法(昭和二十二年法律第三十五号)第二十九条の三第一項に規定する競争の手続、行政執行法人が公告して申込みをさせることによる競争の手続又は地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百三十四条第一項に規定する一般競争入札若しくはせり売りの手続に従い、売買、貸借、請負その他の契約を締結するために必要な場合
五 法令の規定により又は慣行として公にされ、又は公にすることが予定されている情報の提供を求める場合(一定の日以降に公にすることが予定されている情報を同日前に開示するよう求める場合を除く。)
六 再就職者が役職員(これに類する者を含む。以下この号において同じ。)に対し、契約等事務に関し、職務上の行為をするように、又はしないように要求し、又は依頼することにより公務の公正性の確保に支障が生じないと認められる場合として政令で定める場合において、政令で定める手続により内閣総理大臣の承認を得て、再就職者が当該承認に係る役職員に対し、当該承認に係る契約等事務に関し、職務上の行為をするように、又はしないように要求し、又は依頼する場合
⑥ 前項第六号の規定による内閣総理大臣が承認する権限は、再就職等監視委員会に委任する。
⑦ 前項の規定により再就職等監視委員会に委任された権限は、政令で定めるところにより、再就職等監察官に委任することができる。
⑧ 再就職等監視委員会が第六項の規定により委任を受けた権限に基づき行う承認(前項の規定により委任を受けた権限に基づき再就職等監察官が行う承認を含む。)についての審査請求は、再就職等監視委員会に対して行うことができる。
⑨ 職員は、第五項各号に掲げる場合を除き、再就職者から第一項から第四項までの規定により禁止される要求又は依頼を受けたとき(独立行政法人通則法第五十四条第一項において準用する第一項から第四項までの規定により禁止される要求又は依頼を受けたときを含む。)は、政令で定めるところにより、再就職等監察官にその旨を届け出なければならない。