乗ってみた。
金曜日の夜、電車で帰宅途中、
疲れている私の前で、サラリーマンが立った。
しばらくして、サラリーマンが動き出す。
右へ、左へ。
立って寝ているらしい。
眠たい時間だし、金曜日だから気も抜けたのか。
どうやら、吊皮を両手でもっている。
寝ている割には、安定感があるらしいのだ。
右へ。左へ。
ゆっくり動くので、見事に踊っているように見える。
うまいこと、手は離さない。
左へ。
右へ。
左へ。
なかなかの、くねくねダンスだ。
普通なら、倒れそうになって起きるもんだが、
足を開いて、安定感半端ない。
そして、少し左側で座っていた私によって、ダンスが止まる。
頭が垂れて、ちょっと近い。
次で降りるので、減速したときに起きてくれないかなーと思ったが、
彼の疲れはピークだったようだ。
ち、ちかい、と思いながら、サラリーマンの横を通って降りた。
そんなおじさんによって、社会は支えられています。