☆番外編 ①バサックスラムとこどもたちのそら1☆
このツアーをやらないかと声をかけられたのは、
確か去年の10月頃でした。
“やる”って即決したんだけど、
その時にすでに自分の中で決めてたことがひとつだけありました。
カンボジアのこどもたちとFUNKISTの曲“こどもたちのそら”を練習すること。
その理由は2つありました。
ひとつは、カンボジアのこどもたちはもちろん日本語はほとんどわかりません。
なので、まったく知らない人たちのライブを見るより、1曲でも知ってる曲があったら
そのバンドに親近感をもてて、ライブもより興味が持てるんじゃないかということ。
もうひとつは、こどもたちのそらをサプライズで練習して、
FUNKISTとツアー参加者のみんなをびっくりさせること。
バサックスラムの子どもたちは、日本語や日本語の歌が大好きで、新しい歌を覚えるのも大好きなので、
バサックスラムの子どもたちと練習することに決めました。
そして1月半ばからツアー準備の場所を日本からカンボジアに移してすぐに、
みんなと“こどもたちのそら”の練習を始めました。
3月に日本人がいっぱい来ること。
その時バンドが来て、みんなの為に歌ってくれること。
そのバンドの歌をがんばって覚えて日本人と一緒に歌おう♪ということ。
みんなに説明すると、みんな大騒ぎ。
サンちゃんに歌詞の意味を説明してもらって、みんなで練習しました。
母国語じゃない日本語で歌うのはとっても難しいです。
覚えるのはさらに難しいです。
数文字ずつ数文字ずつ、何度も繰り返し練習しました。
え(えりこ) “どんな”
子(子どもたち) “どんな”
え “ばくだんに”
子 “ばくだんに”
え “だって”
子 “だって”
え “できない”
子 “できない”
え “ことが”
子 “ことが”
え “ある”
子 “ある”
本当に少しずつ少しずつ。
でも、子どもたちのやる気はすごかった。
授業のあと、ひらがなの歌詞にクメール語で一生懸命読み仮名を書く子、
“ここはどうやって歌うの?”と質問に来る子、
私のi-podを何回も何回も聴いて覚える子…
私がバサックスラムに行くと、
毎回毎回みんな“♪どんなばくだんにぃだって できないこーとがある”
とそばに来て歌って、私ちゃんと覚えてるよアピールを受けました。
みんなの前に立って教えてても、
得意げに歌うみんなのキラキラの顔を見て、
毎回ひとり感動して涙を堪えてました。
本番はまだ先なのに。。
“あと2か月です”
“あと1か月です”
“来週です”
次第にそわそわしてくるみんな。
子“24日は(歌詞の)紙見ちゃダメ?”
え“見ませんよー がんばって覚えてねー じゃあ今日は練習おしまいです。”
子“もう1回だけ!今度は見ないで歌う!!”
こんな感じで、子どもたちは歌の練習を本当にとーーってもがんばってました。
みんな本当に日本人が大好き。
大好きな日本人が来るから、がんばるんです。
“23日と24日に日本人がたくさん来ます。
この歌は24日に歌います。
だから23日は内緒ね。わかった人?”
全員元気に手を挙げて、最後の練習を終わりました。
photo by funny!!keisuke & Ichi