子供は嘘つきである。
そして、こどもは素直でもある。
この2つは両立し得る。

例えば、うちの息子。
『歯を磨いた?』ときけば、100%『磨いた』と答える。問いつめると白状するが、問いつめない限りはやり過ごそうとする。お風呂の準備を始めると、そわそわし始め。眠くもないのに眠たいフリをする。

これらは嘘であり、彼らも嘘をついているという自覚はある。ただ、罪の意識は無い。彼らにとって、相手の質問に対し、自分が欲する結果へと結びつける為の、手段の1つなんだろう。なので、まっすぐな目で嘘がつける。彼らは彼らで、自分の願望に正直なだけである。『嘘=悪』というのは、社会的に学ぶ関連なんだろう。

ただ、大人は自分の価値観で子供を見がちである。特に、彼らは大抵、我々と同じ様な価値観の元、行動しているように見える。なので、子供の嘘が大抵分からないし、分かったときは分かったときで大騒ぎする。違う。子供は、それこそ物心がつくまでは、周囲の状況(つまり我々)と、自分の行動が受けるリアクションから学び、『卒なく』日々の生活をこなしているだけである。普段我々が見る彼らこそ、我々のリアクションに合わせて作られた行動をする、彼らの素直でない一面である。

いや、責めたい訳ではない。
それこそ、罪の意識のない者を責めても意味が無い。
ただ、我々は、普段は彼らの世を忍ぶ仮の姿を見ているというのは覚えておかないといけない。さもないと、時折我々の思う理に適った対応が、彼らを混乱させることもある。


『嘘はいかん』と、
うちでは必ず問いつめ、叱る。
別に奴が悪いからでない。
『嘘=悪』という我々が作ったルールを、覚えてもらう為である。


はし